高い基本性能をもつM・R方式を採用したうえで、次に重要なのは、その資質をいかに高度なシステムにまとめあげていくか、にあります。その核となるのが、エンジンとトランスミッションのレイアウトです。
ホンダは、軽量でコンパクトでありながら、人間のための充分な居住スペースと、衝突時の安全が確保されることを最重要視し、様々なレイアウトに挑みました。
その結果導きだされた回答は、エンジンを横置とし、さらにミッションをその側方に直結させた、シリーズ配置とすることでした。同時に、フューエルタンクも、空・満タン時の重量配分変化が最も少なく、充分な容量が確保でき、しかも耐衝撃性に優れたボディ中央に配置しています。これにより、ボディサイズにムリがなく、しかも低重心で、前後重量配分に優れたM・R方式が完成。制動力が働いた時、前後のブレーキ配分が限りなくフロント50:リア50に近づく、理想的なシステムが可能となりました。 |