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走りの醍醐味と実用性を両立した
縦置5気筒エンジン
FF MIDSHIP STRAIGHT-5
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5気筒エンジンの気持のよい走りをベースに、
実用域における高いトルク特性、静粛性、そして経済性を追求。
セダンに求められる資質を高度に磨き上げた、
あたらしい《FFミッドシップ・縦置5気筒》を完成させました。
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FF MIDSHIP
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FFとして理想的な前後重量配分〔60(フロント):40(リア)〕をもつホンダ独自の《FFミッドシップ》をさらに熟成、深化させました。 |
FFミッドシップは、FFが本来的に持ち合わせている数かずの利点、たとえばすぐれた直進安定性や走破性、軽量化からくる走りと低燃費の両立、リアサスペンション・チューニングの高い自由度などを継承し、新世代の駆動方式として4年前にホンダが独自に開発をし、その後熟成を繰りかえしてきたものです。
その最大の特長は、エンジンとトランスミッションの重心を前車軸の後方に置くことで、FFとして理想的な重量配分フロント60:リア40を実現するところにあります。
そしてこの最適な前後重量配分が、リニアなハンドリングと、乗る人の官能をくすぐる気持のよい走りをもたらします。さらにはエンジンの35°傾斜レイアウトとあいまって低重心化を可能にし、しかも取りまわしにすぐれたショートオーバーハングと、最小回転半径を大きくすることなくロングホイールベース化も実現してくれるものです。
アスコット&ラファーガでは、こうした革新的な技術を背景に、ただ速いだけでなく、実用的で、静かで、かつ乗る人の感性に合致した、いわばクラスを超えた質のよい走りを創造しました。 |
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FFミッドシップ・レイアウト図 |
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実用域で最大のパフォーマンスを。
2.0L・2.5L直列5気筒20バルブエンジン。 |
セダンの走りで重要なことは、発進・停止を繰りかえさざるをえない日本の混雑した道路事情のなかでも、ムリなくスムーズに走れること。さらに、充分な加速性能を有し、低燃費で、かつリニアで気持のよい走行フィーリングを実現していることです。
5気筒エンジンは、そもそもなめらかで振動が少なく、静粛性にすぐれる基本特性をもち、同時に高出力化も図りやすい、というきわめて大きな利点をもっています。
そのためアスコット&ラファーガでは、2.0Lから2.5Lの排気量レンジで最もバランスのいい直列5気筒を採用。そのうえで、高出力であることはもちろん、とりわけ実用性を重視して低中速域における高いトルク特性を得るための最適チューニングを徹底しました。具体的には、まず、最適燃焼を得るために、φ82mm×75.6mm(2.0L)φ85mm×86.4mm(2.5L)のボアストロークに設定。そしてこのビッグボアを有効に活用してすぐれた吸・排気効率を獲得するため、ボア径に対し最も理想的なバルブ径を確保できる吸気2、排気2の1カム4バルブのセンタープラグ方式・ペントルーフ形燃焼室としています。
このように高性能エンジンの基本を確立すると同時に、さらに常用回転域に照準をあて、4,000rpm付近で最大値が得られる実用的なトルク特性をめざして燃焼室形状の見直しを実施。新設計のピストン及びシリンダーヘッドの採用などを図り、さらに燃焼効率を高めた熟成されたエンジンに仕上がっています。
また吸・排気系では、吸気系を2ステージ・インテークマニホールドとし、回転域に応じてポート断面積を変化させることで、低速域から高速域までの幅広い領域で有効な慣性効果を発生させて容積効率を向上。排気系には軽量で大径の5-3-1エキゾーストマニホールドを用い、全域にわたる高トルクを達成しています。
◎2.0Lエキゾーストシステム
高性能エンジンと静かな排気音を両立するため、3.8Lプリチャンバーと16.7Lサイレンサーを採用し、2.0L5気筒エンジン用のチューニングを行ないました。さらにコンパクトフレキシブルチューブを用い、室内音に悪影響を及ぼす排気系の振動をカットしています。
◎2.5Lエキゾーストシステム
高品位な排気音をもたらすため、内部構造をチューニングした3.8Lプリチャンバーと22.3Lサイレンサーを採用しました。エンジンの高出力に対応し、サイレンサーの異形断面化と全長アップを図り、極限までボリュームアップしています。 |
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2.0Lモデル |
2.5Lモデル |
総排気量 |
1,996cm3 |
2,451cm3 |
最高出力* |
160PS/6,700rpm |
180PS/6,500rpm |
最大トルク* |
19.0kgm/4,000rpm |
23.0kgm/3,800rpm |
10・15モード走行燃費(運輸省審査値) |
11.0km/L(オートマチック型式E-CE4)
11.4km/L(5速マニュアル型式E-CE4) |
10.2km/L(オートマチック型式E-CE5) |
ボア×ストローク |
82mm×75.6mm |
85mm×86.4mm |
圧縮比 |
9.3 |
9.3 |
*ネット値:「ネット」とは、エンジンを車両搭載状態で測定したものです。
レギュラーガソリン仕様でありながら、ハイオク仕様と同等以上の高出力・高トルクを実現。しかもAT車でリッター11.0kmの燃費を達成。 |
バルブ面積を最大限に確保できる1気筒当り4バルブ方式や、高精度の電子燃料噴射システム・ホンダPGM-FIなどの組み合わせにより、クラスを超えた高出力・高トルクを達成。
コンパクトなボディとあいまって2.0L・2.5Lともに、レギュラーガソリン仕様でありながらトップクラスのパワー/トルクウェイトレシオとともに、低燃費も実現しています。
〔パワーウェイトレシオ:8.19(2.0T)7.44(2.5S)〕*
〔トルクウェイトレシオ:68.95(2.0T)58.26(2.5S)〕*
*すべてオートマチック車です。 |
耐ノッキング性の向上と、点火時期の最適化により、常用域での高トルクを実現。 |
一般に、圧縮比が高ければ高いほど燃焼時の最大圧力が高くなり、高出力化を可能にします。その反面、ノッキングを起こしやすくなり、パワーは出るが低速側のトルクが落ちる、という現象も生まれます。
そこで、何より日常のコストも含めたセダンとしての実用性を考慮し、燃焼室形状を改良して点火時期の最適化を図るなどの方法により、160PS/6,700rpm*1180PS/6,500rpm*2の高出力を確保しながら、常用域でのトルク性能の向上を主眼としました。
そのため圧縮比を常用域を重視して9.3に設定すると同時に、エンジンのヘッドガスケットの水の流れを改善して燃焼室まわりの冷却効率を高めることにより、耐ノッキング性の向上を図っています。
また、レギュラーガソリン仕様のため、これまでハイオク仕様車に不可欠だったノッキングセンサーが不要となりました。
*1 2.0Lモデル *2 2.5Lモデル |
セダンの上質な走りのために、高い静粛性を求めました。 |
まず、ピストンのオフセットの変更、ピストンピンへの給油の改良(2.5L)など、ピストンのチューニングを行ない、ピストン打音を低減して、とくに始動直後の静粛性を大幅に向上させました。
容量を大きくしたエアクリーナー、エキゾーストプリチャンバーの採用(2.0L)も、静粛性に寄与しています。 |
燃費向上に寄与する、エンジンの軽量化テクノロジー。 |
低燃費化や走りの性能の向上を狙いとして、クルマの主要なコンポーネントであるエンジン本体の軽量化を図りました。
◎高効率のシングル・ラジエーターの採用
材料技術によりアルミの肉厚を薄くしてフィンの面積を拡大するとともに、腐食の問題を克服するなど、冷却板自体の性能を高めて1列とし、従来の2列の場合と同等の性能を確保しました。これにより、エンジンの負担の軽減とあわせて、従来のオイルクーラーも不要となり、省スペース、軽量化を図っています。
◎ECUのエンジン/ミッションの統合化
これまでPGM-FIで別々に制御していたエンジンとミッションのECUを1つに統合し、軽量化と省スペースを達成しました。
◎スターターモーターの小型・軽量化
圧縮比の低下、燃焼の改善、パワーステアリングポンプの高性能化などによってもたらされたエンジン負荷の軽減により、スターターモーターの小型化が可能になりました。
◎新フューエルストレーナーの採用
従来に比べ、小型・軽量化を進めています。 |
高精度の制御を実現。
電子燃料噴射システム=PGM-FI。 |
走行中のざまざまな状況を検出、その情報をもとに最適な空燃比を算出する制御機能。そして燃料を正確に燃焼室に送り込む噴射機能。これらの機能を集約した高度な電子燃料噴射システムがPGM-FIです。とくに制御機能には、16ビット・デジタルコンピュータを採用。すべての回転域で、各気筒ごとに最適な燃料供給を行なっています。
●PGMおよびPGM-FIは、本田技研工業株式会社の登録商標です。 |
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