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はじめに
1976年(昭和51年)5月、ホンダが“新しい価値と主張のあるクルマ”として、初代〈ホンダ アコード〉をデビューさせ、今年で20周年を迎えました。人間重視のカー・テクノロジーに基づき開発された〈アコード〉は、乗る人の“ゆとり”と、人とクルマの“調和”を提供し、クルマ社会に〈アコード・エイジ〉を立証してきました。その原点は、気品ある、格調そのものの雰囲気と、クルマの持つ基本性能を高い次元で完成させたという誇りでした。
FF方式、横置エンジン、ストラット方式四輪独立懸架など、それまでのホンダが培ってきたFF技術をベースに、3ドアハッチバックスタイルのアコードは、パーソナルでヒューマンなクルマとして登場、「'76カー・オブ・ザ・イヤー(モーターファン誌主催)」第1位を受賞するなど、各方面からたいへん高い評価をいただきました。
アコードは発売の年から輸出を開始し、海外からもそのワールドワイドなクルマづくりに対して、アメリカやオーストラリアでの相次ぐ受賞が、その優秀性を実証することになりました。そして'82年(昭和57年)11月には、クルマ先進国アメリカのオハイオ州にあるホンダ・オブ・アメリカ(HAM)で、日本のメーカーとして初めて乗用車の現地生産車となるなど、現在では国際的なFF小型車として日本をはじめ、アメリカ、イギリス、台湾、メキシコなど11カ国で生産されております。
ワールドカー アコードは現在、世界140カ国余で愛用され、海外生産車を含めて'95年は532,620台を販売、生産も累計891万8千台('96年6月末見込)を達成、文字どおり世界のスタンダード車として信頼をいただいており、これからも先進のテクノロジーとともに熟成を続け、常に時代をリードするクルマとして進化し続けます。
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ユーティリティ、走りの良さ、乗り心地、経済性、といったクルマ自身に求められる要件と、環境にやさしい低公害性、安全性、といった社会的な要請とをバランスよく“調和”させた《ヒューマン・カー》という新しいコンセプトのもとに、ホンダが次代のワールドカーとして提案した〈アコード〉は、1976年5月、低公害のCVCCエンジン搭載の1600ccハッチバックスタイルのクルマとしてデビュー。翌'77年9月には、CVCCエンジンに改良を加え、中低速域のトルク特性、ドライバビリティ、燃費経済性の向上を図り、新たに最高級タイプの〈EX-L〉を追加発売。また同年10月に、本格的なノッチバック・セダンの4ドア〈アコード1600サルーン〉も登場させました。'78年9月に53年度排出ガス規制適合エンジン搭載の1800シリーズ、'79年にアコード全車にオーバードライブ付きホンダマチックを設定しました。そして'80年5月にはセンタートーチ型燃焼室とラピッド・レスポンス・コントロールシステムを採用した新開発のCVCC-IIエンジンを搭載、燃費と走行性能を一段と向上させた〈アコード1800シリーズ〉を、また7月に同型エンジン搭載の〈アコード1600シリーズ〉をラインアップ。初代アコードは、ホンダがシビック以来追求してきた原点を変えることなく、クルマに新しい価値を息吹かせたのです。 |
タイプ |
アコードEX(1976.5) |
アコード・サルーンEX(1977.10) |
型式/エンジン型式 |
B-SJ/EF |
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エンジン |
CVCC水冷4サイクル直 4 OHC |
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排気量 |
1,599cc |
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最高出力 |
80PS/5,300rpm |
82PS/5,300rpm |
最大トルク |
12.3kgm/3,000rpm |
← |
全長/全幅/全高 |
4,125×1,620×1,340mm |
4,345×1,620×1,360mm |
アコードEX |
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アコード・サルーンEX |

'81年9月、〈アコード1600/1800シリーズ〉4機種を5年ぶりにフルモデル・チェンジしました。FF新時代の国際車としてのボディサイズ、燃料経済性と走行性能、そして運転をより快適にする、クルーズコントロールやオートレベリングサスペンションなどのエレクトロニクスをはじめとする数々の独自の新機構などを盛りこみ、“独創のワールド・クオリティ・カー”としての地位を固めるべく、〈アコード/ビガー〉シリーズとして発売しました。'82年11月に〈アコード1800シリーズ〉にホンダの独自開発による4速フルオートマチックトランスミッション搭載車を追加、11月には、アメリカ・オハイオ州ホンダ・オブ・アメリカで日本メーカー初の乗用車〈アコード〉の現地生産を開始、12月には生産累計200万台を達成、国際車〈アコード〉の記念すべき年となりました。
'83年6月に発売した〈アコード1600/1800シリーズ〉はさらに、12バルブクロスフローエンジン、四輪アンチロックブレーキ、高効率ロックアップ機構付きホンダマチック4速フルオートマチックトランスミッションなど、数々の新技術を導入するとともに外観デザイン、サスペンション設定などで、ハッチバックとサルーンの個性の明確化を図り、デザイン、新技術が一斉に開花しました。'84年5月には〈アコード1800シリーズ〉に独自のホンダエンジンテクノロジーの電子制御燃料噴射システム、PGM-FI(プログラムド・フュエルインジェクション)エンジン搭載の新タイプが登場、優れたドライバビリティを実現しました。 |
タイプ |
アコードサルーン1600EX (1981.9) |
アコードハッチバックEX-T (1981.9) |
型式/エンジン型式 |
E-SY/EP |
E-SZ/EK |
エンジン |
CVCC-II OHC |
← |
排気量 |
1,601cc |
1,750cc |
最高出力 |
90PS/5,300rpm |
97PS/5,300rpm |
最大トルク |
13.5kgm/3,500rpm |
14.3kgm/3,500rpm |
全長/全幅/全高 |
4,410×1,650×1,375mm |
4,210×1,650×1,335mm |
アコード ハッチバック1800EX |
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アコード サルーン1800EX |

発売以来10年目、数々の栄光に輝いた〈アコード〉は、他車との明快な個別化を図ったハイ・ポテンシャル、ヒューマン・オリエンテッド(人間重視)の設計思想で、新時代を先取りする3つの新コンセプトのもとに開発。'85年6月アコードシリーズに新設計の2.0L、1.8L DOHCエンジンやFF車世界初の四輪ダブルウイッシュボーン・サスペンションなどの新技術を導入してフルモデル・チェンジ、FF3ドア・モデルをさらに進化させた新感覚の〈アコード エアロデッキ〉もシリーズにラインアップし発売。新コンセプトの同シリーズは、「'85−'86日本カー・オブ・ザ・イヤー(日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会主催)」を受賞しました。
このモデルチェンジで、2.0L DOHC+PGM-FI仕様、1.8L DOHC+CVデュアルキャブ仕様、1.8L SOHC+12バルブシングルキャブ仕様の3種類のエンジンバリエーションがそろいました。'87年7月にはヨーロッパで人気の高い異型二灯式ヘッドライトを採用した〈アコードCAシリーズ〉を追加、'88年(昭和63年)4月にはアメリカのオハイオ工場(HAM)のみで生産されている、アメリカンスペシャリティカー〈アコード クーペ〉の輸入販売も開始、文字どおりのワールドカーとなりました。 |
アコード エアロデッキ2.0Si |
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タイプ |
アコード・セダン1.8EXL-S (1985.6) |
アコードエアロデッキ2.0Si (1985.6) |
型式/エンジン型式 |
E-CA2/B18A |
E-CA3/B20A |
エンジン |
水冷4サイクル直4DOHC CVデュアルキャブ |
水冷4サイクル直4DOHC PGM-FI |
排気量 |
1,834cc |
1,958cc |
最高出力 |
130PS/6,000rpm |
160PS/6,300rpm |
最大トルク |
16.5kgm/4,000rpm |
19.0kgm/5,000rpm |
全長/全幅/全高 |
4,535×1,695×1,355mm |
4,335×1,695×1,335mm |
アコード CA 2.0GXL |
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アコード2.0Si |

“独創のワールド・クオリティ・セダン”の地位を確固たるものに高めた〈アコード・シリーズ〉は、'89年(平成元年)7月、累計生産台数500万台を達成、ワールドワイドな先進性と爽快な走りをさらに徹底追求し9月にフルモデルチェンジ、〈アコード/アスコット〉シリーズとして発売いたしました。クルマとしての機能、セダンとしてのさらなる進化は、豊かさ・高効率・スポーティさの追求です。この4代目アコードはキャビン優先のパッケージング思想、高次元の走りを実現した4WS(舵角応動タイプホンダ四輪操舵システム)、静粛性と低振動の高性能エンジンなどを搭載し、90年代のホンダのクルマづくりの新たな指針として発表しました。
また、'90年3月に新型アコード クーペを輸入販売。さらに'91年4月にはホンダ・オブ・アメリカで本格的に開発・生産された、アメリカンテイストいっぱいの〈アコード・ワゴン〉を輸入発売、乗用車感覚あふれるスタイリングと充実装備は、これまでのワゴンイメージを一新するものでした。'91年7月にSRSエアバッグシステムなどの安全装備などを充実させマイナーモデルチェンジ、さらに'92年6月には〈U.S.アコード・セダン2.2i・スペシャルエディション〉を限定輸入発売し人気を博しました。 |
アコード・ワゴン2.2i |
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タイプ |
アコード2.0Si(1989.9) |
アコード・ワゴン2.2i(1991.4) |
型式/エンジン型式 |
E-CB3/F20A |
E-CB9/F22A |
エンジン |
水冷4サイクル直4DOHC PGM-FI |
水冷4サイクル直4SOHC PGM-FI |
排気量 |
1,997cc |
2,156cc |
最高出力 |
150PS/6,100rpm |
140PS/5,600rpm |
最大トルク |
19.0kgm/5,000rpm |
19.6kgm/4,500rpm |
全長/全幅/全高 |
4,680×1,695×1,390mm |
4,725×1,725×1,440mm |
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アコード2.0Si |

「ゆとりと調和」をテーマに、ホンダのクルマづくりの最新テクノロジーを注ぎ込んできた〈アコード〉。世界130カ国余で販売され、累計720万台('93年8月現在)を突破。とくにクルマ大国アメリカで、'89年からモデル別販売台数で3年連続第1位の偉業を成し遂げました。この輝かしい実績をもとに、ホンダの持つ技術力のすべてを結集し、セダンに望まれる“すべて”を網羅すべく、'93年9月にフルモデル・チェンジ、5代目アコードが誕生しました。テクノロジーから環境・安全性まで、新時代のセダンとして望まれる、基本性能を一段と向上させ、〈アコード〉の求める「ゆとりと調和」を新しい時代で実現しました。
低燃費と高出力を両立させた2.2L新VTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)エンジン、世界各国の厳しい安全基準をクリアする「全方位安全設計ボディ」の採用、そしてスポーティで洗練されたエクステリアデザインとゆとりある室内空間を持ち、一段と高いバリューフォーマネーを達成しました。発売以来、国内外で圧倒的な支持を集めた5代目〈アコード〉は、「'93−'94日本カー・オブ・ザ・イヤー(日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会主催)」第1位を獲得、海外でも高い評価をいただきました。
〈アコード〉はクルマが求められる、安全・環境・燃費などの一層の向上をはかりながら、新時代の《ベストセダン》として、乗る人と社会が「ゆとりある調和」を保てるよう、時代にふさわしいかたちで、これからも具現化し続けます。 |
タイプ |
アコード2.0EXL(1993.9) |
アコード2.2VTL(1993.9) |
型式/エンジン型式 |
E-CD4/F20B |
E-CD5/F22B |
エンジン |
SOHC PGM-FI |
SOHC VTEC PGM-FI |
排気量 |
1,997cc |
2,156cc |
最高出力 |
135PS/5,700rpm |
145PS/5,500rpm |
最大トルク |
18.5kgm/4,500rpm |
20.2kgm/4,500rpm |
全長/全幅/全高 |
4,675×1,760×1,410mm |
4,675×1,760×1,410mm |
アコード クーペSiR |
アコード・ワゴン2.2ViX |
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アコード2.2VTL |
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