ACCORD/VIGOR - 1983.06

ACCORD/VIGOR
FACT BOOK
ACCORD/VIGOR
エレクトロニクス—アコード/ビガー


4輪アンチロックブレーキ
ホンダの4輪アンチロックブレーキ(4w A.L.B.)は、各タイヤの回転速度を常時検知し、車輪ロックの可能性が発生すると、マイコン制御で一時的にその車のブレーキ圧をゆるめ、ロックを未然に防ぎます。急制動時にも、スピンや横すべりを発生させにくく、一段と安定したブレーキ性能を確保。ただしコーナリング時などでの過度なスピードによる横すべりや、車間距離の不適切さまで、カバーするものではありません。すみずみにホンダの独創性が、いきづいている4w A.L.B.。従来のアンチロックブレーキとは、一線を画す高次元セフティのためのハイメカニズムです。
 

前輪ハイセレクト/後輪ローセレクト方式
前2輪は、ロックしにくい方の車輪、つまり速度の高い方の車輪を基準にして、同時に左右輪のブレーキ圧を制御する方式。後輪はロックしやすい方の車輪、つまり速度の低い方の車輪を基準にして、同時に左右輪のブレーキ圧を制御する方式です。
 

5段階ブレーキ圧指示電子制御回路
各車輪に装着された車輪速度センサーから、信号を受け、車輪のスリップ、加速度、減速度などを計算。その結果を総合的に判断して、ブレーキ圧の制御方向を決定。ソレイドバルブを介して、モジュレータ(ブレーキ圧調整)を作動させます。
ホンダ4w A.L.B.は、5段階(ブレーキ圧急増・漸増・一定保持・漸減・急減)にきめこまかくブレーキ圧を制御。すぐれた性能を実現しています。
 

背圧型モジュレータ方式
油圧回路には、ホンダ独自で、レスポンスの早い背圧型モジュレータ(ブレーキ圧調整)方式を採用。フェールセーフ構造で、きわめて安全性の高いものになっています。また、キックバック(ブレーキペダルの小刻みな振動)を発生させ、ドライバーに4wA.L.B.の作動を確実に伝えることにより、路面状況をも、ドライバーに知らせます。例えば、軽いブレーキ時にもキックバックを感じたら、路面がすべりやすくなっているということがわかります。
 

きめ細かな安全回路
万一の時にも、ブレーキ性能を確保するため、ホンダならではの、積極安全思想を徹底しました。まず電気電子制御系。前輪においては、トラブル時に前輪制御系の電源をカット。通常のブレーキに復帰させます。後輪は、簡単な並列回路を付加した2系統システム。1ヵ所のトラブルでの後輪ロックを防ぎます。このように前・後輪別々に安全回路を備えているのは、ホンダのアンチロックブレーキだけです。
次に油圧系では、フェールセーフ構造の背圧型モジュレータ、およびアキュームレータ(蓄圧器)の容量を大きくするとともに、蓄圧圧力が規定下になると警報するシステムを採用。また、自己診断回路を内蔵し、たえず電気系のトラブルを見はっています。
 

PCV(プレッシャー・コントロール・バルブ)も採用
前後のブレーキ配分を適正にさせる、PCV。4w A.L.B.を装着すれば、後輪ロックの可能性はほとんどないわけですから、省略することも可能ですが、あえて採用しました。二重、三重の安全への配慮を施しています(アコード/サルーン1800GXR、ハッチバック1800RXT、ビガー/サルーンVXRに装着車を設定。ビガー/ハッチバックTXLに標準装備)


フロント・ベンチレーテッドディスクブレーキ

一段と放熱効果に優れ、安定した制動力を発揮するベンチレーテッドディスクを採用。また、4w A.L.B.装着車には、リアにもディスクブレーキを採用しました。

フロント・ベンチレーテッド

 

リアディスクブレーキ


フロント・ベンチレーテッド
ディスクブレーキ
 

リアディスクブレーキ


2段階車高・4輪/2P・4W オートレベリングサスペンション

この機構は、マイコン制御によって、自動的に車高を一定に保たせるものです。構造としては従来のサスペンションに、新たに空気バネを付加したもので、荷重状態の変化が前・後輪に設置されたセンサーによって検出され、自動的に車高を一定に保持します。
また、2段階車高調整機構(ハイト機構)を備え、スイッチ操作で、30mm車高をアップすることができます。
雪道のわだち、悪路などでも十分な地上高を確保することが可能です。
エア式の前・後輪オートレベリングおよび2段階車高調整機構は、日本ではアコード/ビガーで初めて採用されたもの。オイル式に比べ構造がシンプルなので故障が少なく、また信頼性でも優れています。
(アコード/ハッチバック1800RX・RXT、ビガー/ハッチバックTXに装着車を設定)


リジュームスイッチ付クルーズコントロール

アクセルペダルを踏まずに、快適な自動定速走行が楽しめるクルーズコントロール。ホンダは、その操作スイッチをステアリングホイール内に設置した使いやすい設計で、この快適メカニズムを身近なものにしてきました。今回、新たに作動速度の拡大を実現。ギアミッション車は約30km/hから、オートマチック車は約20km/hから定速走行に移れるよう改良しました。また夜間時の操作を確実なものにするため、メインスイッチ横の名称パネルを照明付のものにしました。
(アコード/サルーン1800全タイプ、ハッチバック1800RX・RXT、ビガー/ハッチバックTUを除く全タイプ)

リジュームスイッチ付クルーズコントロール





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