ACCORD/VIGOR - 1983.06

ACCORD/VIGOR
FACT BOOK
ACCORD/VIGOR
Newアコード/Newビガーの新エンジン


1気筒3バルブ・クロスフロー方式
気筒当たり吸気系2バルブ(傘径φ30mm。ただし1600はφ30mmとφ26mm)、排気系1バルブ(傘径φ35mm)という独特のバルブシステムを採用。ボア寸法φ80mmの枠の中で最大の吸気能力を得るために開発した、ホンダ独創の設計です。排気バルブは1個ですが、その吸気能力に充分応える最適径のものを採用。優れた吸/排気効率を、通常の2バルブ並のコンパクトなシリンダーヘッドで実現しました。


コンビネーション・バルブタイミング
バルブ面積の大きな高性能エンジンにありがちな、バルブオーバーラップ時の「吹き抜け」による低速域性能と燃費の低下を独自の方式で解消しました。具体的には、排気バルブに近い側の吸気バルブ(A)の開弁時期を片方の吸気バルブ(B)よりわずかに遅らせて設定。バルブオーバーラップ時の吹き抜け量のコントロールとスワール効果による急速燃焼を実現しています。また1600エンジンでは、(B)の吸気バルブ径を4mm小型化することで、さらにスワール効果を高めるなど、キメ細かな燃焼対策を施しました。
(※文中の(A)、(B)はイラスト“クロスフロー”図を参照)


B.C.トーチ・新燃焼室
燃焼室は、コンパクト・ルーフ型主燃焼室と、B.C.トーチ(Branched Conduit Torch)と称される分岐トーチを備えた副燃焼室から成る新形状を採用。副燃焼室から2方向に分けられた貫通力の強いトーチ火炎が、主燃焼室内の混合気に着火。コンパクトなルーフ型主燃焼室形状と相まって、希薄な混合気でも安定かつ急速な燃焼を可能にしています。


コンパクト&低メカニカルロス設計
薄型ピストンリング、軽量ピストン、高強度コネクティングロッド材などにより、往復部分重量の低減を達成しました。また、クランクジャーナル軸受、及びコネクティングロッド軸受に、高負荷用ケルメット・メタルを採用。軸受面積を増すことなく高負荷に耐える構造としました。こうしたさまざまな低メカニカルロス設計により、コンパクトな高性能ユニットとなっています。また、同時にこれらの対策により、エンジン全体の精度までも向上させています。


その他の新技術
P.C.V.(Positive Crankcase Ventiration)システムクランクケース内にP.C.V.バルブを設置。ブローバイガスをP.C.V.バルブを介して、直接インテークマニフォールド内に送ります。ブローバイガスによるエアクリーナー、キャブレターの汚損、オイル劣化を防ぎます。
SR(Single Row)型ラジエーター
従来2列あったチューブを1列にして軽量化を達成。また水量も20%低減して、重量を軽減しました。
減速時燃料コントロールシステム
エンジンブレーキ作動時、燃料を減少し燃費を向上させます。
半沿面スパークプラグ
耐燃性、耐汚損性、耐久性、自己清浄性に優れています。
特殊歯形タイミングベルト
従来の台形歯を変え、特殊丸歯形状を採用。充分な耐久性を実現しています。




1600・1800トップクラスの高出力と低燃費

Economy & Performance
低燃費・1600
●最高出力 94ps/5,800rpm
●最大トルク 13.6kg-m/3,500rpm
●10モード燃費 16.0km/L(運輸省審査値)
●60km/h時燃費 27.0km/L(運輸省届出値)
型式E-AC・5速車 タイプ=アコード/サルーンGC、ハッチバックRL(いずれも受注生産)
Performance & Economy
高出力・1800
●最高出力 110ps/5,800rpm
●最大トルク 15.2kg-m/3,500rpm
●10モード燃費 14.4km/L(運輸省審査値)
●60km/h時燃費 24.5km/L(運輸省届出値)
型式E-AD・5速車 タイプ=アコード/ハッチバックRU(受注生産)、ビガー/ハッチバックTU(受注生産)

1600エンジン性能曲線図
1600エンジン性能曲線図
1800エンジン性能曲線図
1800エンジン性能曲線図




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