公開:2016年2月15日
取材:2016年2月8日
2016年2月8日、首都直下型地震による大量の帰宅困難者発生を想定した「平成27年度 東京都・千代田区合同帰宅困難者対策訓練」が実施されました。自動車メーカー3社とともにこの訓練に参加したHondaは、「フィットEV」2台、外部給電器「Power Exporter 9000」4台を使って情報通信機器や照明、暖房器具などへ電力を供給。さらに初の試みとして他社電動モビリティと「Power Exporter 9000」の接続デモンストレーションも行いました。
東京都によると、M(マグニチュード)7.3の東京湾北部地震が発生した際の被害予想は、死者・行方不明者 約9,700人、負傷者約14万7,600人、そして帰宅困難者は約517万人にのぼります。この大型地震を想定した帰宅困難者対策訓練が、東京駅、秋葉原駅、飯田橋駅、四ツ谷駅の4駅周辺で一斉に実施されました。
午前10時、地震発生のアナウンスで訓練が開始されると、東京駅前の行幸通りに設置された情報機動ステーションには、約400名の参加者が帰宅困難者になった想定で続々と集まってきました。ここにはテレビモニターやPC、携帯の充電器などが設置され、帰宅困難者への情報提供、一時滞在施設への誘導が行われました。 大地震直後、停電も予想されるこの情報機動ステーションに電力を供給するのは、Hondaの「フィットEV」と外部給電器「Power Exporter 9000」です。当初、参加者たちはテントに横付けされた「フィットEV」を不思議そうに眺めていましたが、ボディサイドから伸びたケーブルが「Power Exporter 9000」につながり、そこからさらにテレビモニターやPC、情報通信機器に電源ケーブルがつながっているのを見て、ようやく「フィットEV」から電力供給されていることに気付いた様子。「これは電気自動車なんですね」とスタッフに確認する参加者も見られました。
行幸通りに設置された情報機動ステーションへと集まった東京駅周辺の帰宅困難者たち
情報機動ステーションに電力を供給する「フィットEV」と外部給電器「Power Exporter 9000」
テレビモニターやPC、携帯の充電器などが設置され、帰宅困難者への情報提供を行う
ステーションでの訓練を終えた 「フィットEV」は、後部トランクに「Power Exporter 9000」を積んで移動を開始
行幸通りを後にした「フィットEV」は、日比谷公園へ
他社電動モビリティと合同の外部給電デモンストレーションに合流
「Power Exporter 9000」の9kVAという大出力を、消費電力の高い暖房機器を複数つないだデモで実証
本田技研工業株式会社 スマートコミュニティ企画室 松嶋稔郎 参与
株式会社本田技術研究所 汎用R&Dセンター 船木美帆
行幸通りの情報機動ステーションでの訓練を終えた「フィットEV」は、後部トランクに「Power Exporter 9000」を積み込んで次の訓練場所である日比谷公園へと移動しました。 9kVAという大出力を実現しながら小型車のトランクに積んで移動できるコンパクトさも、「Power Exporter 9000」のメリットのひとつです。
日比谷公園は非常時の避難・待機場所に指定されており、周辺のオフィスビルなどから集まった約600名の参加者たちには、情報提供だけでなく非常食や備蓄品、防寒具などの支給、炊き出しの提供などが行われてました。 「フィットEV」が駐車したのは、その中に設けられた外部給電デモンストレーションのスペース。ここでは、Hondaをはじめ、日産自動車株式会社(以下、日産)、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)、三菱自動車工業株式会社(以下、三菱)が電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池自動車を持ちより、非常時の外部給電を実演しました。 こうして自動車各社が協力して自治体主催の災害対策訓練に参加し、合同で外部給電を実演するのは非常に珍しい試み。人やモノを運ぶだけではない新しい自動車の価値を、業界をあげてつくり出していこうという積極的な取り組みです。
Hondaがここに持ち込んだのは、「フィットEV」2台と外部給電器「Power Exporter 9000」4台。初めての試みとして他社モビリティ(日産リーフ、 e-NV200)との「Power Exporter 9000」接続デモンストレーションを実施し、「Power Exporter 9000」の汎用性の高さを実証しました。
「今回、東京都と千代田区が主催する公の訓練に、Hondaを含む自動車各社が合同で参加させていただきました。このことは、非常用電源としてのモビリティの価値、それを実現する外部給電器の価値を広く認知していただくうえで大変意義のあることだと思っています」(本田技研工業株式会社 スマートコミュニティ企画室 松嶋稔郎 参与)
また、これほど多くの人々の前で外部給電機を稼働させることができたことについて、開発担当はこう述べました。 「この外部給電器は発売前ということもあって、これまで展示会などに出展することが多かったのですが、今回はまさに実践として使っていただき、その実用性を一般の方々に体感していただけました。開発者としてはそれが一番うれしいですね」(株式会社本田技術研究所 汎用R&Dセンター 船木美帆)
首都直下型地震による帰宅困難者は、道路の安全などが確保され二次災害の恐れが無くなるまでの最長72時間、避難・待機場所に留まる可能性があります。その際問題になるのは、やはり避難・待機場所における電源の確保。電動モビリティによる外部給電は自治体などからも大いに期待されており、今回の訓練はそのことを広く認知していただく絶好の機会になりました。
●日比谷公園の訓練会場の様子
「日産リーフ」とHondaの「Power Exporter 9000」を接続するデモ
同じく「日産e-NV200」とHondaの「Power Exporter 9000」を接続するデモ
トヨタは燃料電池自動車「MIRAI」による外部給電を実演
三菱の「アウトランダーPHEV」(写真右)と「ミニキャブ・ミーブ バン」(写真左)
炊き出しでは非常食だけで作った鳥雑炊が振舞われた
応急救護体験コーナーでは、負傷者の応急救護練習も
家族と連絡をとるための災害用伝言ダイヤル体験コーナー
外国人の帰宅困難者のための翻訳アプリ実演コーナー
●その他の訓練会場の様子
東京駅構内では、約140名の参加者が待機場所に集合
秋葉原では、ライブ中に被災した想定でアイドルが備蓄品を配布
飯田橋会場でも約400名の参加者が集合して訓練
高齢者などの要配慮者を船で搬送する訓練も実施
公開:2016年2月15日
取材:2016年2月8日
2016年2月8日、首都直下型地震による大量の帰宅困難者発生を想定した「平成27年度 東京都・千代田区合同帰宅困難者対策訓練」が実施されました。自動車メーカー3社とともにこの訓練に参加したHondaは、「フィットEV」2台、外部給電器「Power Exporter 9000」4台を使って情報通信機器や照明、暖房器具などへ電力を供給。さらに初の試みとして他社電動モビリティと「Power Exporter 9000」の接続デモンストレーションも行いました。
東京都によると、M(マグニチュード)7.3の東京湾北部地震が発生した際の被害予想は、死者・行方不明者 約9,700人、負傷者約14万7,600人、そして帰宅困難者は約517万人にのぼります。この大型地震を想定した帰宅困難者対策訓練が、東京駅、秋葉原駅、飯田橋駅、四ツ谷駅の4駅周辺で一斉に実施されました。
午前10時、地震発生のアナウンスで訓練が開始されると、東京駅前の行幸通りに設置された情報機動ステーションには、約400名の参加者が帰宅困難者になった想定で続々と集まってきました。ここにはテレビモニターやPC、携帯の充電器などが設置され、帰宅困難者への情報提供、一時滞在施設への誘導が行われました。
大地震直後、停電も予想されるこの情報機動ステーションに電力を供給するのは、Hondaの「フィットEV」と外部給電器「Power Exporter 9000」です。当初、参加者たちはテントに横付けされた「フィットEV」を不思議そうに眺めていましたが、ボディサイドから伸びたケーブルが「Power Exporter 9000」につながり、そこからさらにテレビモニターやPC、情報通信機器に電源ケーブルがつながっているのを見て、ようやく「フィットEV」から電力供給されていることに気付いた様子。「これは電気自動車なんですね」とスタッフに確認する参加者も見られました。
行幸通りに設置された情報機動ステーションへと集まった東京駅周辺の帰宅困難者たち
情報機動ステーションに電力を供給する「フィットEV」と外部給電器「Power Exporter 9000」
テレビモニターやPC、携帯の充電器などが設置され、帰宅困難者への情報提供を行う
ステーションでの訓練を終えた 「フィットEV」は、後部トランクに「Power Exporter 9000」を積んで移動を開始
行幸通りを後にした「フィットEV」は、日比谷公園へ
他社電動モビリティと合同の外部給電デモンストレーションに合流
「Power Exporter 9000」の9kVAという大出力を、消費電力の高い暖房機器を複数つないだデモで実証
本田技研工業株式会社 スマートコミュニティ企画室 松嶋稔郎 参与
株式会社本田技術研究所 汎用R&Dセンター 船木美帆
行幸通りの情報機動ステーションでの訓練を終えた「フィットEV」は、後部トランクに「Power Exporter 9000」を積み込んで次の訓練場所である日比谷公園へと移動しました。 9kVAという大出力を実現しながら小型車のトランクに積んで移動できるコンパクトさも、「Power Exporter 9000」のメリットのひとつです。
日比谷公園は非常時の避難・待機場所に指定されており、周辺のオフィスビルなどから集まった約600名の参加者たちには、情報提供だけでなく非常食や備蓄品、防寒具などの支給、炊き出しの提供などが行われてました。
「フィットEV」が駐車したのは、その中に設けられた外部給電デモンストレーションのスペース。ここでは、Hondaをはじめ、日産自動車株式会社(以下、日産)、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)、三菱自動車工業株式会社(以下、三菱)が電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池自動車を持ちより、非常時の外部給電を実演しました。
こうして自動車各社が協力して自治体主催の災害対策訓練に参加し、合同で外部給電を実演するのは非常に珍しい試み。人やモノを運ぶだけではない新しい自動車の価値を、業界をあげてつくり出していこうという積極的な取り組みです。
Hondaがここに持ち込んだのは、「フィットEV」2台と外部給電器「Power Exporter 9000」4台。初めての試みとして他社モビリティ(日産リーフ、 e-NV200)との「Power Exporter 9000」接続デモンストレーションを実施し、「Power Exporter 9000」の汎用性の高さを実証しました。
「今回、東京都と千代田区が主催する公の訓練に、Hondaを含む自動車各社が合同で参加させていただきました。このことは、非常用電源としてのモビリティの価値、それを実現する外部給電器の価値を広く認知していただくうえで大変意義のあることだと思っています」(本田技研工業株式会社 スマートコミュニティ企画室 松嶋稔郎 参与)
また、これほど多くの人々の前で外部給電機を稼働させることができたことについて、開発担当はこう述べました。
「この外部給電器は発売前ということもあって、これまで展示会などに出展することが多かったのですが、今回はまさに実践として使っていただき、その実用性を一般の方々に体感していただけました。開発者としてはそれが一番うれしいですね」(株式会社本田技術研究所 汎用R&Dセンター 船木美帆)
首都直下型地震による帰宅困難者は、道路の安全などが確保され二次災害の恐れが無くなるまでの最長72時間、避難・待機場所に留まる可能性があります。その際問題になるのは、やはり避難・待機場所における電源の確保。電動モビリティによる外部給電は自治体などからも大いに期待されており、今回の訓練はそのことを広く認知していただく絶好の機会になりました。
●日比谷公園の訓練会場の様子
「日産リーフ」とHondaの「Power Exporter 9000」を接続するデモ
同じく「日産e-NV200」とHondaの「Power Exporter 9000」を接続するデモ
トヨタは燃料電池自動車「MIRAI」による外部給電を実演
三菱の「アウトランダーPHEV」(写真右)と「ミニキャブ・ミーブ バン」(写真左)
炊き出しでは非常食だけで作った鳥雑炊が振舞われた
応急救護体験コーナーでは、負傷者の応急救護練習も
家族と連絡をとるための災害用伝言ダイヤル体験コーナー
外国人の帰宅困難者のための翻訳アプリ実演コーナー
●その他の訓練会場の様子
東京駅構内では、約140名の参加者が待機場所に集合
秋葉原では、ライブ中に被災した想定でアイドルが備蓄品を配布
飯田橋会場でも約400名の参加者が集合して訓練
高齢者などの要配慮者を船で搬送する訓練も実施