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環境TOPICS

公開:2016年2月5日

取材:2016年1月27日

熊本製作所が県の環境保全優良事例に選出され、県内企業の皆様が環境取り組みを見学。

熊本製作所が県の環境保全優良事例に選出 熊本製作所が県の環境保全優良事例に選出

 2016年1月27日、熊本県環境保全協議会による平成27年度優良事例施設見学会が実施されました。見学施設に選ばれたHondaの熊本製作所では、約50名の見学会参加者を受け入れ、雨水を利用するための設備や排水処理施設に加え、事業所を囲む森「HondaWoods熊本」を案内。熊本製作所が力を入れている環境取り組みについて紹介しました。

雨水利用の取り組みなどが評価され、熊本県環境保全協議会の見学施設に選出。

 熊本県菊池郡大津町に位置する熊本製作所は、Hondaの国内事業所の中で最も広い敷地を誇り、二輪車をはじめ、発電機や家庭用ガスエンジンコージェネレーションユニットなどの汎用製品を生産する事業所です。
 その熊本製作所に、県内企業の環境担当者ら約50名が環境設備の見学に訪れました。この催しは、熊本県における地域の環境保全の取り組み推進のために設立された、熊本県環境保全協議会の活動の一環として、優良事例施設の取り組み内容や姿勢を学ぶために行われている見学会です。熊本製作所では主に雨水利用の取り組みが評価されて、見学施設に選出されました。
 熊本県は活火山である阿蘇山を有する「火の国」であるだけでなく、実は豊富な地下水を持つ「水の国」でもあります。かつては熊本製作所でもこの資源に依存し、最も利用していた頃には年間66万tもの地下水を使用して生産活動を行っていました。しかし、敷地内にある池に雨水が貯まり始めたのをきっかけに限りある水資源を保全するため、2000年から雨水を工業用水に利用する取り組みを開始。現在では節水の取り組みに加え、25mプール約150杯分に相当する年間5万tの雨水を活用し、地下水の利用を25万tに抑えています。
 こうした取り組みは県で行っている地下水保全の姿勢とも合致するため、高い評価を受けたのです。

 熊本製作所では敷地内をバスで移動しながら環境設備を巡るバスツアー形式で見学会を実施しました。バスが最初に向かったのは第一調整池です。熊本製作所の環境総合責任者、財津昭夫技師は、この調整池が雨水利用の第一歩となる設備で、所内にはこうした雨を貯めておく調整池が3つあることなどを説明。そしてその水を浄化する雨水処理設備では、池に貯まった雨水を利用するためには、砂や活性炭によるろ過や有機物を取り除く生物処理だけでなく、除菌が不可欠なことを紹介しました。ただし薬品を使うのではなく、紫外線照射によって菌を処理し、安全面に配慮していることを伝えました。こうして雨水を空調や設備の冷却といった工業用水に活用することで地下水の使用量を抑えています。
 さらに、隣接する排水処理施設やその放流場所を案内。熊本県では水俣病の経験から排水について厳しい基準が設けられており、熊本製作所が所在する大津町もHondaの事業所が存在する自治体の中でも最も厳しい基準値を設けています。これを遵守するために、熊本製作所では基準値のさらに2分の1の自主基準値を設定して管理していることを説明しました。

見学会の冒頭には、資料やDVDで熊本製作所の概要や環境取り組みを紹介

見学会の冒頭には、資料やDVDで熊本製作所の概要や環境取り組みを紹介

環境総合責任者 財津昭夫技師

環境総合責任者 財津昭夫技師

第一調整池を見学する参加者

第一調整池を見学する参加者

初秋の第一調整池。季節によって水位は上下し、梅雨時には7万tの雨水を貯水

初秋の第一調整池。季節によって水位は上下し、梅雨時には7万tの雨水を貯水

複数の処理設備で構成される巨大な雨水処理施設に見入る見学者

複数の処理設備で構成される巨大な雨水処理施設に見入る見学者

浄化処理の後、川にも放流される排水で金魚を飼育

浄化処理の後、川にも放流される排水で金魚を飼育

生物処理、活性炭ろ過、UV殺菌を組み合わせた熊本製作所の雨水浄化システム

生物処理、活性炭ろ過、UV殺菌を組み合わせた熊本製作所の雨水浄化システム(クリックで拡大)

 財津はこれらの水への取り組みについて、見学者の多くから素晴らしい取り組みであると声をかけていただいたことに触れ、Hondaの水資源保全への考え方をこう話します。
「熊本は地下水が豊富にある地域ですが、未来に向けて絶やしてはいけない資源です。水を大切にしているこの地域で優良事例として見学いただいたことは非常に光栄なこと。これからも地下水のくみ上げをより抑えられるよう雨水利用などの拡大を図っていきます」

地域とHondaをつなぐ森、「HondaWoods熊本」を見学者にご紹介。

総務ブロック 川端雄二社会活動推進センター長

総務ブロック 川端雄二社会活動推進センター長

人々が集い憩うためのベンチは「HondaWoods熊本」の特長のひとつ

人々が集い憩うためのベンチは「HondaWoods熊本」の特長のひとつ

ウッドチップが敷き詰められた歩き心地のいい遊歩道を整備

ウッドチップが敷き詰められた歩き心地のいい遊歩道を整備

電動カート「モンパル」に試乗する見学者。この「モンパル」も熊本製作所で生産

電動カート「モンパル」に試乗する見学者。この「モンパル」も熊本製作所で生産

工場の入り口には「スーパーカブ」と共に、創業者本田宗一郎の「安全なくして生産なし」の言葉が飾られている

工場の入り口には「スーパーカブ」と共に、創業者本田宗一郎の「安全なくして生産なし」の言葉が飾られている

熊本県環境生活部 環境局 環境保全課 橋本司課長補佐

熊本県環境生活部 環境局
環境保全課 橋本司課長補佐

総務ブロック 末吉友里恵

総務ブロック 末吉友里恵

 排水処理施設の見学の後は、事業所を取り囲む森「HondaWoods熊本」へ。この森はもともと「地域と事業所の結びつきを遮断するようなコンクリートの壁をつくらない」という創業者本田宗一郎の想いから、壁の代わりに木々が植えられ、育てられてきました。
 その森に地域の方々がより親しんでいただけるよう、Hondaは森の一部に手を入れ、遊歩道やベンチを整備し、誰もが自由に出入りできる「HondaWoods熊本」へと変身させたのです。見学会では「HondaWoods熊本」を実際に歩いてもらいながらその成り立ちや特長を紹介しました。
 「HondaWoods熊本」の案内を担当した川端雄二社会活動推進センター長は、「現在、この森を地域の方々に開放してイベント会場に使ってもらったり、散歩や休憩の場所として利用いただいています。ゆくゆくは工場見学や遠足で子どもたちに訪れてもらい、自然教育の場としたいと考えています」と見学者に構想を語りました。

 見学会では二輪車の組み立て工場の見学や大型二輪車「NM4-01」、電動カート「モンパル」の体験会も実施。工場見学では工程を紹介すると共に、作業者の安全や作業しやすさを最優先した生産ラインをつくることで製品の品質や生産効率を向上していることを説明しました。
 熊本県環境保全協議会の事務局を運営する、熊本県環境生活部環境局環境保全課の橋本司課長補佐は、見学を実施しての評価を次のように話します。
「当協議会では地下に水を浸透させることにつながる植林や水田の保全を行うなど、地下水を育み将来に向けて守っていくための活動に取り組んでいます。その観点からHondaの取り組みを評価し、本日見学に訪れましたが、調整池や雨水処理施設を目の当たりにして地下水の使用量を抑える具体的な取り組みを行っていることを実感できました。地域住民としても、さまざまな取り組みで自然環境や地域との共生を目指されているHondaにこれからも期待しています」

 また見学会終了後、Hondaの環境配慮や地域貢献への意識の高さを感じたというものから、取り組み内容を持ち帰り自社の環境意識向上に役立てたいというもの、さらに雨水利用設備を自社でも検討したいというものまで大変嬉しい声を皆様からいただくことができました。 
 熊本製作所の工場見学を担当しており、今回の見学会でもガイド役を務めた総務ブロックの末吉友里恵は、次のように見学会を振り返ります。
「普段の工場見学よりも『環境』に重点をおいた見学コースをご案内することで、私自身にとっても良い経験になりました。何よりも『参考になった』『Hondaのファンになった』というご意見をいただけたことを非常に嬉しく感じています」

 こうしたお言葉をいただけたことや優良事例施設として見学施設に選出されたことは、熊本製作所が地域に企業活動を受け入れられていることを示す非常に嬉しい出来事です。Hondaはこれからも存在を期待される企業を目指して、さらなる環境取り組みを推進してまいります。

>熊本製作所では一般の方からの工場見学も受け付けています。詳しくはこちら

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