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公開:2016年1月28日

取材:2016年1月21日

鳥取大学医学部附属病院が主催するシンポジウムに参加。「フィットEV」から医療機器への電力供給を実演。

鳥取大学医学部附属病院が主催するシンポジウムに参加 鳥取大学医学部附属病院が主催するシンポジウムに参加。

 2016年1月21日、鳥取県米子市の米子全日空ホテルにて、鳥取大学医学部附属病院主催の医療機器開発に関連するシンポジウム「医療機器産業進出への新たな挑戦 〜小さな地域鳥取から世界へ〜」に参加し、デモ展示および特別講演を行いました。デモ展示では、電気自動車(EV)「フィットEV」から外部給電器 「Power Exporter 9000」を介し医療機器などへの電力供給を実演。また特別講演では、水素社会の実現に向けた取り組みや、鳥取大学医学部附属病院と共同で行った「フィットEV」から医療機器へ電力を供給する実験の成果などについて講演しました。

デモ展示を見学し、クルマから取り出した電力で医療機器が動くことに驚く参加者。

 Hondaが「フィットEV」と外部給電器「Power Exporter 9000」を持ち込み、「フィットEV」から医療機器などに電力を供給するデモ展示を実施したのは、鳥取大学医学部附属病院が主催するシンポジウムの会場でした。そのシンポジウムとは「挑戦」をキーワードに、医療機器開発に関する新しい取り組みなどを構築している方々を講師に招き、その取り組み内容やノウハウを紹介いただくというもの。そのため、会場には医療機器メーカーや医療機器産業への参入を目指す企業、行政や金融機関などの方々が多く訪れました。

 なぜHondaがその医療関連のシンポジウムで展示や講演を行うのか? それは、Hondaが2015年8月に、鳥取大学医学部附属病院と共同で行った「Power Exporter 9000」による医療機器への電力供給実験(詳しくはこちら)がきっかけです。この実験は災害時に停電した避難所や診療所などで、電動車両を電源として医療機器を動かすことを想定して行われたもの。そうした非常時に役立つ外部給電の仕組みやHondaとの産学連携の取り組み自体を、参加者に知ってもらいたいという鳥取大学医学部附属病院の要請を受け、シンポジウムでの展示が実現したのです。

 シンポジウムの参加者が展示を見学した際に驚いていたのは、医療機器が実際に動いていること。クルマから電力を取り出すことができ、しかもその電力で医療機器まで動かせるということに衝撃を受け、「フィットEV」と「Power Exporter 9000」で組まれた外部給電のシステムや医療機器の動作を興味深く眺める姿が目立ちました。
 この展示に医療機器を提供したメーカーのスタッフは「本当に機器が動くのかという心配も少しありましたが、まったく問題なく動いており驚いています」と話しました。

 また、自身もシンポジウムで講演を行った福島県商工労働部医療関連産業集積推進室の大越正弘室長は、「我々は東日本大震災の時に電気が遮断され、医療機器が動かないという状況を経験しました。クルマから医療機器に給電するこうした仕組みがあれば、より多くの人命が救えると思いますので、県に戻ったら関係部局に話をしたい」と語り、災害時における外部給電機能の有用性を高く評価していただきました。

「フィットEV」と外部給電器「Power Exporter 9000」
コンセントから延びるケーブルはさまざまな医療機器に電力を供給

「フィットEV」と外部給電器「Power Exporter 9000」(左)。コンセントから延びるケーブルはさまざまな医療機器に電力を供給(右)

「Power Exporter 9000」から供給された電力で内視鏡を操作

「Power Exporter 9000」から供給された電力で内視鏡を操作

Hondaの解説スタッフに入れ替わり立ち替わり質問を投げかける参加者ら

Hondaの解説スタッフに入れ替わり立ち替わり質問を投げかける参加者ら

外部給電機能の仕組みについて説明する、スマートコミュニティ企画室の松嶋稔郎主任技師

外部給電機能の仕組みについて説明する、スマートコミュニティ企画室の松嶋稔郎主任技師

福島県商工労働部 医療関連産業集積推進室 大越正弘室長

福島県商工労働部
医療関連産業集積推進室
大越正弘室長

医療という異分野のフィールドでの展示や講演は、幅広い層への周知に寄与。

医療機器開発に関連するシンポジウムとあって、県内のものづくり企業を中心に行政や金融機関の方々もつめかけた

医療機器開発に関連するシンポジウムとあって、県内のものづくり企業を中心に行政や金融機関の方々もつめかけた

スマートコミュニティ企画室 岩田和之主任技師

スマートコミュニティ企画室
岩田和之主任技師

FCV「CLARITY FUEL CELL」、外部給電器「Power Exporter 9000」に加え、燃料となる水素をつくるスマート水素ステーションも開発(写真右奥:東京モーターショーでの展示モデル)

FCV「CLARITY FUEL CELL」、外部給電器「Power Exporter 9000」に加え、燃料となる水素をつくるスマート水素ステーションも開発(写真右奥:東京モーターショーでの展示モデル)

鳥取大学医学部附属病院 植木賢教授

鳥取大学医学部附属病院
植木賢教授

スマートコミュニティ企画室 八方理恵主任

スマートコミュニティ企画室
八方理恵主任

 シンポジウムでは、鳥取大学医学部附属病院が医療機器開発に向けた産官学の連携や人材育成の取り組みを、鳥取県や福島県の商工労働部がそれぞれの県における医療機器産業の振興施策を、株式会社ナノ・グレインズがものづくり企業を集めて医療機器開発のネットワークを構築した取り組みについての講演を行いました。
 これらの講演の後、スマートコミュニティ企画室の岩田和之主任技師が登壇。その講演テーマは「緊急・災害医療現場におけるHondaの新たな挑戦 〜とりだい病院との連携をとおして〜」です。
 岩田はまず、Hondaが水素をつかう燃料電池車(FCV)はもちろん、再生可能エネルギーを使用しCO2排出ゼロで水素をつくるスマート水素ステーションやFCVなどの電動車両につなぐことで電気を取り出せる「Power Exporter 9000」の開発や普及を通して、水素社会の実現に向けて取り組んでいることを紹介しました。
 さらにクルマが電気を蓄えたり水素から発電できるようになることで、平時からFCVやEVを家庭の中で「走る電源」として活用できると話し、万が一の災害時には普段利用している電動車両が非常用電源になることに言及。その災害時を想定し、鳥取大学医学部附属病院と共同で行った医療機器への電力供給実験の中で、外部給電による電力が病院で使用している電力と同等以上の品質を持っていることが実証されたと発表しました。そして講演の最後には、病院でもFCVやスマート水素ステーション、外部給電器を備えることで災害に強い体制を構築できると強調しました。

 鳥取大学医学部附属病院の植木賢教授は、シンポジウムの閉会の挨拶で、Hondaとの共同実験に病院を挙げて取り組んだと話し、「こうした取り組みを続け、災害に強い病院モデルをつくっていきたい」と水素技術や外部給電機能の医療現場での活用の可能性を述べました。

 今回の展示や講演は、医療関連のシンポジウムというモビリティメーカーにとっては異色の場で、水素社会の実現を目指すHondaの取り組みや外部給電機能を伝える機会となりました。
 その意義は、デモ展示の解説スタッフを務めたスマートコミュニティ企画室の八方理恵主任が口にした次の言葉が物語っています。
「外部給電器とは、どんなことができる機器なのか、まだ一般の方々に知られていません。今日は鳥取県の皆様にクルマから電力を取り出して使えること、平時だけでなくいざという時には医療機器も動かせることを知っていただきました。今後も、多彩な場所で講演や展示を行うことでその価値を広く伝えていきたいと考えています」

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