2020.02.25 update

Honda鈴鹿製作所とホンダエンジニアリングの取り組みが、
「2019年度(令和元年度)省エネ大賞」省エネルギーセンター会長賞を受賞

 他者の模範となる優れた省エネ取り組みや省エネルギー性に優れた製品並びにビジネスモデルを表彰する「2019年度(令和元年度)省エネ大賞」で、Honda鈴鹿製作所とホンダエンジニアリングが共同で取り組んだ「軽自動車用2色インパネの無塗装・薄肉成形技術によるエネルギー削減」が、Hondaグループ2社共同では初めて省エネ事例部門の省エネルギーセンター会長賞を受賞。2020年1月29日、東京ビッグサイトで行われた表彰式で表彰状を授与されました。

Honda鈴鹿製作所とホンダエンジニアリングの取り組みが、「2019年度(令和元年度)省エネ大賞」省エネルギーセンター会長賞を受賞

他者の模範となる優れた省エネ取り組みや省エネルギー性に優れた製品並びにビジネスモデルを表彰する「2019年度(令和元年度)省エネ大賞」で、Honda鈴鹿製作所とホンダエンジニアリングが共同で取り組んだ「軽自動車用2色インパネの無塗装・薄肉成形技術によるエネルギー削減」が、Hondaグループ2社共同では初めて省エネ事例部門の省エネルギーセンター会長賞を受賞。2020年1月29日、東京ビッグサイトで行われた表彰式で表彰状を授与されました。

低炭素・脱炭素化社会の構築をテーマに、例年100件以上の応募が集まる「省エネ大賞」。

 一般財団法人省エネルギーセンターが主催し、経済産業省が後援する「省エネ大賞」。その歴史は1975年に始まった「省エネルギー優秀事例全国発表会」まで遡ります。当時はオイルショックによる資源不足の打開が社会の最優先課題でしたが、現在では地球温暖化防止のための低炭素・脱炭素化社会の構築が主なテーマになっています。

 同賞には、企業や事務所等における省エネ取り組みや現場における小集団活動、他者との連携による省エネ活動により成果をあげた案件を対象とする「省エネ事例部門」と、国内で購入可能な優れた省エネルギー性を有する製品または省エネルギー波及効果の高いビジネスモデルを対象とする「製品・ビジネスモデル部門」の2部門があり、例年100件を超える応募が集まります。令和初の開催となった「2019年度(令和元年度)省エネ大賞」では、省エネ事例部門で25件39者、製品・ビジネスモデル部門で27件32者が表彰されました。

Honda鈴鹿製作所とホンダエンジニアリングの取り組みが省エネルギーセンター会長賞を受賞。

 Hondaはここ数年、毎年この省エネ大賞に応募してきましたが、今回はHonda鈴鹿製作所とホンダエンジニアリング株式会社が「軽自動車用2色インパネの無塗装・薄肉成形技術によるエネルギー削減」のテーマで省エネ事例部門に応募。Hondaグループ2社共同では初めて「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。

 このテーマは、2017年9月発売の新型N-BOXのインストルメントパネル(インパネ)製造において、新たな製造技術を開発したもので、その取り組みで省エネ成果を上げました。昨今、軽自動車でも高級化志向が高まり、また他社製品と差別化するためにもインパネを2色化するケースが増えていました。インパネを2色化するには、従来、1色インパネの一部を塗装するか、別々の色で作った部品を1つに組み付けて2色化するか、いずれかの方法がとられていましたが、Honda鈴鹿製作所とホンダエンジニアリングは、別々の色の2種類の材料を一度に射出成形して2色インパネを製造する新たな技術を開発。塗装工程が無くなったことで、従来のインパネ製造方法と比較して65%の省エネを実現。88.5t-CO2/年のCO2排出量を削減しました。
> 取り組みの概要(PDF)

 1月29日に行なわれた表彰式では、Honda鈴鹿製作所 生産業務部 部長の細川と、ホンダエンジニアリング 車体塑型技術ブロック ブロックリーダーの矢崎が登壇。一般財団法人省エネルギーセンターの藤洋作会長より表彰状を受け取りました。

  • 52件71者が表彰された「2019年度(令和元年度)省エネ大賞」

    52件71者が表彰された「2019年度(令和元年度)省エネ大賞」

    省エネ事例部門で25件39者、製品・ビジネスモデル部門で27件32者、合わせて52件71者が表彰された「2019年度(令和元年度)省エネ大賞」。

  • 表彰式の会場となったのは、東京ビッグサイト

    表彰式の会場となったのは、東京ビッグサイト

    表彰式は「ENEX2020 第44回地球環境とエネルギーの調和展」との併催で、2020年1月29日、東京ビッグサイトで開催されました。

  • 主催者挨拶

    主催者挨拶

    開催にあたり、主催の一般財団法人省エネルギーセンター藤洋作会長が挨拶を述べました。「2020年に入ってパリ協定が始動し、各国において環境取り組みが積極化しています。その中で低炭素化、脱炭素化の切り札である省エネに寄せられる期待はますます大きくなっています。これに応えるためには、革新的な省エネ技術、手法を開発し、社会の隅々にまで普及させていくことが重要です。そういう意味で今回も、有望な技術や事例が表彰対象となりました。当センターではこれらを積極的に広報発信し、次なる革新の呼び水とすべく活動してまいります」

  • 来賓祝辞

    来賓祝辞

    続いて牧原秀樹経済産業副大臣が祝辞を述べました。「省エネ大賞は、1975年に始まって45年もの歴史を重ねてきた、省エネの重要性を社会に伝えることに大きく貢献してきた賞です。先週、私はスイスのダボスで行われた世界経済フォーラムに出席しましたが、現在、国際社会においては地球環境保全が最大のテーマになっています。そうした中、本日受賞された皆様の優れた省エネ技術、取り組みが世界の省エネを新しい次元に押し上げることを強く期待します」

  • Honda鈴鹿製作所とホンダエンジニアリングが省エネルギーセンター会長賞を受賞

    Honda鈴鹿製作所とホンダエンジニアリングが省エネルギーセンター会長賞を受賞

    Honda鈴鹿製作所 生産業務部 部長の細川と、ホンダエンジニアリング 車体塑型技術ブロック ブロックリーダーの矢崎が登壇。一般財団法人省エネルギーセンターの藤洋作会長より表彰状を受け取りました。

  • 本田技研工業株式会社 鈴鹿製作所 生産業務部 部長 細川

    本田技研工業株式会社 鈴鹿製作所 生産業務部 部長 細川

    「この技術は、インパネ塗装の設備そのものを不要にする技術です。よって塗装に伴う排気や廃水の処理も無くなり、空いたスペースを他の事業計画に充てられる、まさに良いことづくめの技術と言えます。今回、一生懸命推進してくれたスタッフの成果が高く評価されて本当に良かった。これで関係するスタッフのモチベーションが上がるのと同時に、これをきっかけに事業所の環境活動全体が加速していけばいいと思います」

  • ホンダエンジニアリング株式会社 車体塑型技術ブロック ブロックリーダー 矢崎

    ホンダエンジニアリング株式会社 車体塑型技術ブロック ブロックリーダー 矢崎

    「射出成形の技術は、金型の中で起こっている見えない事象をコントロールしなければなりません。スタッフは試行錯誤しながら不良品を出さない安定した技術の確立に本当に努力しました。今回は鈴鹿製作所と協力した取り組みでしたが、今後もオールHondaワンチームとなり、環境活動のプレゼンスを上げるように頑張っていきたいと思います」

  • ENEX2020会場内の省エネ大賞受賞者ブースに出展

    ENEX2020会場内の省エネ大賞受賞者ブースに出展

    東京ビッグサイトで行われたENEX2020の会場には、省エネ大賞受賞テーマを集めたアワードコーナーが設けられ、Honda鈴鹿製作所とホンダエンジニアリングの取り組みも展示されました。

  • N-BOXのインパネのカットモデルを展示

    N-BOXのインパネのカットモデルを展示

    Honda鈴鹿製作所とホンダエンジニアリングのブースには、取り組みの概要を記したパネルと共に、新技術で製造されたN-BOXのインパネを切断したカットモデルを展示。説明員たちは来場者にその断面を見せながら2色無塗装薄肉化技術を説明していました。

  • 本田技研工業株式会社 鈴鹿製作所 合成樹脂モジュール 伊帳田

    本田技研工業株式会社 鈴鹿製作所 合成樹脂モジュール 伊帳田

    「私は入社3年目ですが、この新技術を導入した現場での安定量産化を担当しました。この技術によってインパネ製造から塗装工程と組み付け工程が無くなったわけですが、工数削減によって現場ではより効率的な生産ができるようになりました。正直このような賞をもらえると思ってなかったので、現場スタッフ一同大変喜んでいます。今後も、より高効率な生産現場を目指して、さまざまな工夫や技術開発を進めていければと思います」

  • ホンダエンジニアリング株式会社 車体塑型技術ブロック 技術主任 花岡

    ホンダエンジニアリング株式会社 車体塑型技術ブロック 技術主任 花岡

    「私は新成形方法開発のプロジェクトリーダーを担当しました。今回のプロジェクトは非常に短期間に高度な技術を完成させなければならなかったという点で、大変難易度の高いチャレンジだったと思います。責任者としての重圧を感じる場面もありましたが、ホンダエンジニアリングと鈴鹿製作所が本当に一体となって臨んだことで、数々の難題をクリアし、新しい技術を生み出すことができました。その取り組みが、省エネ大賞という自分が子どもの頃から知っていた有名な賞につながったことは、とても感慨深いものがあります」

  • 今回の取り組みの主要メンバーたち

    今回の取り組みの主要メンバーたち

    左から:本田技研工業株式会社 鈴鹿製作所 生産業務部 部長 細川、本田技研工業株式会社 鈴鹿製作所 合成樹脂モジュール 伊帳田、ホンダエンジニアリング株式会社 車体塑型技術ブロック 技術主任 花岡、ホンダエンジニアリング株式会社 車体塑型技術ブロック 専任技員 渡邊、ホンダエンジニアリング株式会社 車体塑型技術ブロック ブロックリーダー 矢崎、ホンダエンジニアリング株式会社 環境総合責任者 技師 関

  • 52件71者が表彰された「2019年度(令和元年度)省エネ大賞」
  • 表彰式の会場となったのは、東京ビッグサイト
  • 主催者挨拶
  • 来賓祝辞
  • Honda鈴鹿製作所とホンダエンジニアリングが省エネルギーセンター会長賞を受賞
  • 本田技研工業株式会社 鈴鹿製作所 生産業務部 部長 細川
  • ホンダエンジニアリング株式会社 車体塑型技術ブロック ブロックリーダー 矢崎
  • ENEX2020会場内の省エネ大賞受賞者ブースに出展
  • N-BOXのインパネのカットモデルを展示
  • 本田技研工業株式会社 鈴鹿製作所 合成樹脂モジュール 伊帳田
  • ホンダエンジニアリング株式会社 車体塑型技術ブロック 技術主任 花岡
  • 今回の取り組みの主要メンバーたち

(取材日 2020年01月29日)

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