2019.07.12 update

国内最大の自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」に出展。
カーボンフリー社会実現に向けたHondaの最新電動化技術を展示。

2019年5月22日から24日まで開催された「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」に、Hondaはプラグインハイブリッド車 “クラリティ PHEV” や電動二輪車 “PCX ELECTRIC” など最新の電動化技術を出展しました。中でも着脱式バッテリー “Honda Mobile Power Pack” は、バイクやクルマはもちろん家電製品などへ再生可能エネルギー由来の電気を供給する新たなエネルギーキャリアとして、注目を集めました。

国内最大の自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」に出展。 カーボンフリー社会実現に向けたHondaの最新電動化技術を展示。

2019年5月22日から24日まで開催された「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」に、Hondaはプラグインハイブリッド車 “クラリティ PHEV” や電動二輪車 “PCX ELECTRIC” など最新の電動化技術を出展しました。中でも着脱式バッテリー “Honda Mobile Power Pack” は、バイクやクルマはもちろん家電製品などへ再生可能エネルギー由来の電気を供給する新たなエネルギーキャリアとして、注目を集めました。

展示コンセプトは 「カーボンフリー社会の実現」 に向けたHondaの取り組み

公益社団法人自動車技術会が主催し、パシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」は、国内最大級の自動車技術展です。Hondaは2030年ビジョンで「すべての人に“生活の可能性が拡がる喜び”を提供する」ことを目指しており、今回の展示ではカーボンフリー社会の実現に向けたHondaの最新電動化技術を紹介しました。

Hondaの最新電動化技術

展示の中心は、スタイリッシュな外観と環境性能に優れたエンジンなどでご好評いただいているスクーター「PCX」をベースに、新開発のコンパクトな電動パワーユニットを搭載した電動二輪車 “PCX ELECTRIC”。その特徴のひとつである着脱式バッテリー “Honda Mobile Power Pack(ホンダ モバイル パワー パック)” は、電池の残容量が少なくなったら充電済のバッテリーと交換することで、電動車両の課題とされていた航続距離や充電待ち時間の問題をクリアする新しいバッテリーです。太陽光や風力など再生可能エネルギー由来の電気の供給拡大が進む将来、Hondaはこのバッテリーの普及・拡大がカーボンフリー社会の実現に貢献すると考えています。
ブースには、街中で電動モビリティの利用者がモバイルパワーパックを交換する充電ユニット “Honda Mobile Power Pack Exchanger“ を展示しました。再生可能エネルギーによる発電を基本に考えていますが、その場で使いきることや電力網に流すことが難しい余剰電力をモバイルパワーパックに一旦蓄電することによる電力の効率的な利用も視野に入れています。これ以外に、日常生活だけでなく非常時の電源やレジャー等の電源としても使用できる ” Honda Mobile Power Pack Charge & Supply Concept”、モバイルパワーパックを利用して新しい移動の形を提案するパーソナルモビリティコンセプト “ESMO Concept” も併せて展示しました。

さらに四輪車関連では、2030年をめどに四輪車グローバル販売台数の3分の2を電動化することを目指し、電動車両の開発を進めています。今回は “クラリティ PHEV” の高い環境性能、力強いEV走行性能、大人5人がゆったり座れる上質な居住空間を生み出す最新の電動化技術を展示しました。

  • 人とくるまのテクノロジー展2019 横浜

    人とくるまのテクノロジー展2019 横浜

    「人とくるまのテクノロジー展」は、公益社団法人自動車技術会が主催する展示会で、自動車業界の第一線で活躍する技術者・研究者のための自動車技術展として1992年に始まりました。会場となるパシフィコ横浜には、例年自動車業界の技術者・研究者・学生だけでなく、各国要人も集まります。

  • 展示コンセプトは 「カーボンフリー社会の実現」 に向けたHondaの取り組み

    展示コンセプトは 「カーボンフリー社会の実現」 に向けたHondaの取り組み

    Hondaは2030年ビジョンで「すべての人に “生活の可能性が拡がる喜び” を提供する」ことを目指しており、今回の展示ではカーボンフリー社会の実現に向けたHondaの最新電動化技術を紹介しました。

  • 電動二輪車 “PCX ELECTRIC”

    電動二輪車 “PCX ELECTRIC”

    ブーズ中央前面に展示したのが、電動二輪車 “PCX ELECTRIC” です。世界中でご好評をいただいているスクーター “PCX” をベースに、ガソリンエンジンに替わってコンパクトな電動パワーユニットを搭載しています。

  • 電動二輪車 “PCX ELECTRIC”

    電動二輪車 “PCX ELECTRIC”

    動力用電源には着脱式バッテリー “Honda Mobile Power Pack(ホンダ モバイル パワー パック)“ を2個使用して、一充電あたりの走行距離41km(※)を実現しています。

    ※60km/h定地走行テスト値。一充電あたりの走行距離は、定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。

  • 着脱・可搬式バッテリー “Honda Mobile Power Pack”

    着脱・可搬式バッテリー “Honda Mobile Power Pack”

    電動モビリティの充電待ち時間を実質ゼロにする着脱式バッテリー “Honda Mobile Power Pack(ホンダ モバイル パワー パック)” は、モビリティでの活用だけでなく、太陽光や風力など再生可能エネルギー由来の電気を充電する可搬式バッテリーとしての活用など様々な使い方を想定しています。Hondaの長年にわたる電池開発の経験を活かして熱・水・振動・衝撃からバッテリーを守るだけでなく、携帯電話などの電磁波干渉等にも耐える高い安全性、耐久信頼性を有しています。

  • 充電ユニット “Honda Mobile Power Pack Exchanger”

    充電ユニット “Honda Mobile Power Pack Exchanger”

    複数のモバイルパワーパックを同時に充電し、交換用モバイルパワーパックを供給する充電ユニットが “Honda Mobile Power Pack Exchanger(ホンダ モバイル パワー パック エクスチェンジャー)” です。

  • 充電ユニット “Honda Mobile Power Pack Exchanger”

    充電ユニット “Honda Mobile Power Pack Exchanger”

    街中で電動小型モビリティ利用者へ交換用モバイルパワーパックを供給し、余剰電力をモバイルパワーパックに蓄電する事で電力利用の効率化に貢献します。

  • ポータブル電源 “Honda Mobile Power Pack Charge & Supply Concept”

    ポータブル電源 “Honda Mobile Power Pack Charge & Supply Concept”

    “Honda Mobile Power Pack Charge & Supply Concept(ホンダ モバイル パワー パック チャージ アンド サプライ コンセプト)” は、着脱バッテリー式のポータブル電源です。モバイルパワーパックとの組み合わせにより、アウトドアに持ち出せる電源、家庭の生活電源、非常時の電源など、様々な場所で使えるコンセントとして多彩なシーンで暮らしを支えます。

  • 電動バイクの着脱式バッテリー以外にも様々な利用ができる “Honda Mobile Power Pack”

    電動バイクの着脱式バッテリー以外にも様々な利用ができる “Honda Mobile Power Pack”

    「環境問題、エネルギー問題は今や待った無しの状況です。将来的には固体電池などの革新的なバッテリーが登場すると言われていますが、それを待っているわけにはいきません。一方で、電動化を機にゲームチェンジを目論む企業が多く出てきています。Hondaは現在の電池や制御の技術を用いてモバイルパワーパックをスピード開発しました。今後はモバイルパワーパックをさらに進化させていきます。加えて、このバッテリーを、モビリティだけでなく様々な電動機器でも活用していきます。そのアイデアや可能性を広げていくことが、Hondaが目指すカーボンフリー社会の実現につながっていくと考えています。」(本田技術研究所 ライフクリエーションセンター 岩本〈モバイルパワーパック開発LPL〉)

  • 再生可能エネルギーを多彩な用途に展開する “Honda Mobile Power Pack World”

    再生可能エネルギーを多彩な用途に展開する “Honda Mobile Power Pack World”

    太陽光や風力などの再生可能エネルギーで電気を “つくる”、その電気をモバイルパワーパックに充電して様々な電力利用に “つながる”、例えば充電したモバイルパワーパックを二輪車や四輪車、家電製品などで “つかう”。それが岩本の言葉を具現化するコンセプト “Honda Mobile Power Pack World(ホンダ モバイル パワー パック ワールド” です。

  • パーソナルモビリティコンセプト “ESMO Concept”

    パーソナルモビリティコンセプト “ESMO Concept”

    モバイルパワーパックを搭載する軽快・アクティブをテーマにHondaから提案する新しいパーソナルモビリティコンセプト“ESMO Concept” も参考出品。床下にモバイルパワーパック1個を搭載し、AC100VコンセントやUSB出力端子も備えています。

  • プラグインハイブリッド車“クラリティ PHEV” 技術展示

    プラグインハイブリッド車“クラリティ PHEV” 技術展示

    Hondaは2030年をめどに四輪車グローバル販売台数の3分の2を電動化することを目指し、電動車両の開発を進めています。クラリティシリーズは「3in1コンセプト」として、燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV、北米専用モデル)の3パワートレインを同一のプラットフォームに載せてエクステリア/インテリアも基本的に共通化しています。今回は2018年7月に発売したプラグインハイブリッド車 “クラリティ PHEV” に搭載した四輪車の最新電動化技術である革新的な2モータープラグインハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD Plug-in」技術として、高出力高容量バッテリーや高出力VCU一体PCUなどの電動コンポーネントを展示しました。日本仕様の “クラリティ PHEV” には、国際標準規格「CHAdeMO」に対応した急速充電ポートを搭載しています。このポートは外部給電にも対応しており、外部給電器を接続することで電気機器に電力を供給することが可能です。

  • “クラリティ PHEV” 搭載、IPUカットモデル

    “クラリティ PHEV” 搭載、IPUカットモデル

    IPU(Intelligent Power Unit)は、バッテリー、12VDC-DCコンバーター、バッテリー制御用ECUで構成しているPHEVの心臓部ともいえる部品で、“アコードPHEV” と比較し、新規バッテリー電極材料の適用によるSOC(State Of Charge:充電状態)の使用範囲の拡大と、バッテリー搭載量の増加により高出力高容量化を図りました。

    “アコードPHEV” ではトランク内に搭載していたバッテリーを “クラリティ PHEV” ではフロントシートおよびリアシート下にコンパクトに配置しました。またハーネスや12VDC-DCコンバーターをセンタートンネル内に集約することで、後席乗員の足元スペースを広く確保しています。HondaのM・M思想(マンマキシマム/メカミニマム)に則り、高出力高容量のバッテリーを搭載しながら、低全高のセダンフォルムを守りつつ5人乗りのキャビンと広いトランクルームを確保しています。

  • “クラリティ PHEV” 搭載、PCUカットモデル

    “クラリティ PHEV” 搭載、PCUカットモデル

    PCU(Power Control Unit)は、走行用モーター/発電用モーターの電流や電圧を制御します。PCUはバッテリー電圧を昇圧するVCU(Voltage Control Unit)を内蔵し、システム効率が最適になるように常に電圧をコントロールします。高出力バッテリーに合わせて、高出力化したVCUは、力強い加速感や高速域におけるEV走行の持続性に貢献しています。

  • i-MMDカットモデル(左) モーター(奥)

    i-MMDカットモデル(左) モーター(奥)

    システムの要(かなめ)となる2モーターは、従来の丸型銅線から角形銅線に変えて、高密度化したコイル巻線を、製法・生産設備も併せて独自に開発。出力・トルクを向上させ、より小型化を実現しています。

  • 人とくるまのテクノロジー展2019 横浜
  • 展示コンセプトは 「カーボンフリー社会の実現」 に向けたHondaの取り組み
  • 電動二輪車 “PCX ELECTRIC”
  • 電動二輪車 “PCX ELECTRIC”
  • 着脱・可搬式バッテリー “Honda Mobile Power Pack”
  • 充電ユニット “Honda Mobile Power Pack Exchanger”
  • 充電ユニット “Honda Mobile Power Pack Exchanger”
  • ポータブル電源 “Honda Mobile Power Pack Charge & Supply Concept”
  • 電動バイクの着脱式バッテリー以外にも様々な利用ができる “Honda Mobile Power Pack”
  • 再生可能エネルギーを多彩な用途に展開する “Honda Mobile Power Pack World”
  • パーソナルモビリティコンセプト “ESMO Concept”
  • プラグインハイブリッド車“クラリティ PHEV” 技術展示
  • “クラリティ PHEV” 搭載、IPUカットモデル
  • “クラリティ PHEV” 搭載、PCUカットモデル
  • i-MMDカットモデル(左) モーター(奥)

~7月17日(水)~19日(金)の「人とくるまのテクノロジー展 2019名古屋」にも出展~
「人とくるまのテクノロジー展 2019名古屋」開催概要

・開催日時:
 2019年7月17日(水)、18日(木)、19日(金)
 10:00~18:00(19日は17:00まで)
・開催場所:
 ポートメッセなごや・第2展示館
・公式サイト:
 https://aee.expo-info.jsae.or.jp/ja/nagoya/
・主催:
 公益社団法人自動車技術会

(取材日 2019年5月22日)

「自由な移動の喜び」と「豊かで持続可能な社会」の実現|Honda Smart Community 「自由な移動の喜び」と「豊かで持続可能な社会」の実現|Honda Smart Community