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2019.02.15 update

本田技研工業(株)熊本製作所

常識を打ち破っていく、省エネへ懸ける気高い意志。Honda 熊本製作所 鋳造モジュールが、熱源をハイブリッド化した熱処理炉を実現。

フルモデルチェンジした「Gold Wing」のアルミフレームなど幅広い製品の製造をする熊本製作所 鋳造モジュールは、マザー工場として海外拠点の模範になる高い省エネ効果を条件に熱処理炉の増設を決断。20%の省エネ効果があるメーカーの提案にも頭を縦に振らず議論と検証を繰り返し、既存設備より約39%の省エネ効果がある、“熱源をハイブリッド化”した熱処理炉を完成させました。熱源にガスと電気を使用するという、これまでの常識を打ち破ったこの設備のアイディアと省エネ効果は「平成30年度 省エネ大賞 経済産業大臣賞」に輝きました。

本田技研工業(株)熊本製作所

フルモデルチェンジした「Gold Wing」のアルミフレームなど幅広い製品の製造をする熊本製作所 鋳造モジュールは、マザー工場として海外拠点の模範になる高い省エネ効果を条件に熱処理炉の増設を決断。20%の省エネ効果があるメーカーの提案にも頭を縦に振らず議論と検証を繰り返し、既存設備より約39%の省エネ効果がある、“熱源をハイブリッド化”した熱処理炉を完成させました。熱源にガスと電気を使用するという、これまでの常識を打ち破ったこの設備のアイディアと省エネ効果は「平成30年度 省エネ大賞 経済産業大臣賞」に輝きました。

技術も省エネもリードする。「Gold Wing」の生産を担う、熊本製作所。

Honda二輪車のフラッグシップ「Gold Wing」が、17年ぶりにフルモデルチェンジ。写真は「Gold Wing tour」。
Honda二輪車のフラッグシップ「Gold Wing」が、17年ぶりにフルモデルチェンジ。写真は「Gold Wing tour」。
  • 熊本製作所ではGold Wingなど大型ファンバイクの他にもスーパーカブ(写真)など様々な二輪車、更にパワープロダクツも生産している。

    熊本製作所ではGold Wingなど大型ファンバイクの他にもスーパーカブ(写真)など様々な二輪車、更にパワープロダクツも生産している。

  • Honda 熊本製作所   環境総合責任者 中桐豊

    Honda 熊本製作所
    環境総合責任者 中桐豊

 これまで70を超える国と地域で販売され、世界を魅了し続けているHonda二輪車のフラッグシップ「Gold Wing」が17年ぶりのフルモデルチェンジ。2018年4月から国内で販売を開始しました。
 新型「Gold Wing」のフレームにはアルミ部品を全面的に使用し、車体全体のコンパクト化と約40kgの軽量化を実現。燃費も20km/Lから27km/Lへと驚異的に向上(60km/h定地燃費値)しています。

 この「Gold Wing」の、エンジンやフレームなど各部品の生産加工から完成車組立まで一貫して行っているのが、熊本県にあるHonda 熊本製作所です。
 同製作所は、効率の高い生産システムによって大型二輪車を中心に、様々な二輪車を生産する国内唯一のHonda二輪車の生産拠点です。またグローバルHondaの二輪車マザー工場として、その生産技術や設備を海外の生産拠点へと水平展開しています。

 マザー工場としての役割は、技術面だけではありません。
「熊本製作所では太陽光発電などによる再エネの活用や水資源にも配慮した環境取り組みを行うだけでなく、各部署でもその現場ならではの環境施策や省エネのアイディアを出し合い、取り組んでいます。そこで生まれた好事例をグローバルに広めることもまた、マザー工場としての役割なんです」。
 熊本製作所の環境施策を取りまとめる“環境総合責任者”でもある中桐豊(なかぎりゆたか=Honda 生産業務部 施設管理課 課長)がこう説明するように、同製作所は省エネや環境取り組みでもグローバルをリードする拠点なのです。

海外拠点の模範となる省エネ設備を作るために、現場が立ち上がる。

 「Gold Wing」の軽量・コンパクト化、そして低燃費化に大きく貢献しているアルミ製フレーム。そのフレームを構成するアルミ部品は、溶けたアルミを金型に流し込んで冷やし固める“鋳造”という方法でつくられています。

 アルミ鋳造を行う部署である熊本製作所の鋳造モジュールでは、製造する部品の形状や大きさなどによって、 GDC(重力鋳造法)、HPDC(高圧鋳造法)、LPDC(低圧鋳造法)という3つの手法を使い分けながら鋳造を行っています。
 さらに鋳造後に製品ごとに求められる強さや粘りなどの性質を得るため、製品を加熱・冷却する“熱処理”が行われます。これには「溶体化処理」「焼き入れ」「時効化処理」の3工程があり、そのすべての熱源にはガスを使用します。

二輪大型フレームのGDC熱処理工程(熱源にはすべてガスを使用)
Honda 熊本製作所 パワートレイン工場 鋳造モジュール モジュールマネージャー 技師 松浦英樹
Honda 熊本製作所 パワートレイン工場 鋳造モジュール モジュールマネージャー 技師 松浦英樹
新型「Gold Wing」の骨格を成すアルミフレーム。 熊本製作所のGDCによってつくられる6部品を中心に構成されている。
新型「Gold Wing」の骨格を成すアルミフレーム。 熊本製作所のGDCによってつくられる6部品を中心に構成されている。

 この熱処理にかかるガス使用量は、熊本製作所の生産領域全体の約40%に達するほどで、鋳造モジュールでは、このエネルギー消費の多い熱処理工程での省エネが課題となっていました。

 そして2018年発売の二輪車フラッグシップ「Gold Wing」のフルモデルチェンジをきっかけに、生産の体制に変化が起こります。
 車体の中でも中心となるフレームとフロントフォーク(前輪を支える部品)といった部品を、GDCで製造することになったのです。大きくて形状も複雑なこれらの部品は、その製造に高い技術力を求められるため、外部メーカーでなく熊本製作所で内製を行おうという判断でした。

 しかし、そこには新たな課題も持ち上がりました。
「『Gold Wing』1台あたり6部品、年間約2万台の生産に伴う負荷をシミュレーションしてみると、既存のGDC設備だけでは賄いきれないということが判明したのです」 。
 と、当時の状況を説明するのは、鋳造モジュールを取りまとめる松浦英樹(まつうらえいき=Honda 熊本製作所 パワートレイン工場 鋳造モジュール モジュールマネージャー 技師)です。

 この結果を受けた彼は、GDC能力拡大プロジェクトの発足を決断します。
「鋳造モジュールはもともと多くのエネルギーを使っており、中でも熱処理炉のエネルギー消費はとても大きいです。増設をきっかけに、効率良く作業でき生産性が上がることはもちろん、海外拠点の模範にもなるような省エネ設備であることを条件としました」。(松浦)

 こうしてマザー工場としての名に恥じないよう、鋳造モジュールが動き出したのです。