MENU

HONDA

検索
2018.02.01 update

八千代工業株式会社

シビックなど樹脂製燃料タンクでクルマの付加価値を高めてきたヤチヨ。樹脂容器で培った技術が未来の環境負荷ゼロ社会の一翼を担う。

1950年代からグループ企業としてHondaの発展に大きな役割を果たしてきた八千代工業株式会社(ヤチヨ)。現在、同社の主要製品となっているのが自動車用樹脂製燃料タンクであり、そのマザー工場が埼玉県狭山市にある柏原工場です。1999年発売のHonda初のハイブリッドカー「インサイト」に初めて搭載され、2017年の新型シビックにも搭載された同社の樹脂製燃料タンクは、クルマの環境負荷低減、付加価値創出に大きく貢献してきました。そして同社はこの樹脂容器で培った技術を基に、未来の環境負荷ゼロ社会実現の一翼を担うべく、新たな一歩を踏み出そうとしています。

八千代工業株式会社 八千代工業株式会社

1950年代からグループ企業としてHondaの発展に大きな役割を果たしてきた八千代工業株式会社(ヤチヨ)。現在、同社の主要製品となっているのが自動車用樹脂製燃料タンクであり、そのマザー工場が埼玉県狭山市にある柏原工場です。1999年発売のHonda初のハイブリッドカー「インサイト」に初めて搭載され、2017年の新型シビックにも搭載された同社の樹脂製燃料タンクは、クルマの環境負荷低減、付加価値創出に大きく貢献してきました。そして同社はこの樹脂容器で培った技術を基に、未来の環境負荷ゼロ社会実現の一翼を担うべく、新たな一歩を踏み出そうとしています。

2017年9月に登場した新型「シビック」はヤチヨの樹脂製燃料タンクを搭載。

ヤチヨの新開発樹脂製燃料タンクを搭載する日本仕様「シビック セダン」。
ヤチヨの新開発樹脂製燃料タンクを搭載する日本仕様「シビック セダン」。

 発売から40年、世界中で愛されてきたHondaの基幹車種の一つ「シビック」。グローバルプラットフォームを新開発し、先に投入された北米、アジア、中国、南米、ヨーロッパで高い評価を得てきた10代目「シビック」が、2017年9月、ついに日本でも発売になりました。
 この日本仕様「シビック」には、ヤチヨが開発し、生産した樹脂製燃料タンクが採用されています。1970年代に初代「アコード」の鉄製燃料タンク製造でこの分野に進出した同社は、以後燃料タンクメーカーとして技術開発を重ねてきました。この新型樹脂製燃料タンクの開発に当たっても、数々の新技術を投入し、画期的な軽量化を実現。燃費向上に大きく貢献しています。

1977年の初代「アコード」から始まった、柏原工場の自動車用燃料タンク製造。

埼玉県狭山市にあるヤチヨの柏原工場。
埼玉県狭山市にあるヤチヨの柏原工場。
  • 初代「アコード」。柏原工場では1977年からこの燃料タンクを製造。

    初代「アコード」。柏原工場では1977年からこの燃料タンクを製造。

  • ヤチヨが開発した初代「アコード」の鉄製燃料タンク。

    ヤチヨが開発した初代「アコード」の鉄製燃料タンク。

  • 現在の柏原工場の主力製品となっている、自動車用樹脂製燃料タンク。

    現在の柏原工場の主力製品となっている、自動車用樹脂製燃料タンク。

  • その他、柏原工場では自動車用サンルーフなども製造している。

    その他、柏原工場では自動車用サンルーフなども製造している。

 ヤチヨとHondaの出合いは、1950年代初頭に遡ります。Hondaが浜松から東京に進出した頃、東京都板橋区で塗装業を営んでいた大竹榮一氏は、本田宗一郎と面会して意気投合。以後Hondaの仕事を請け負うようになりました。
 Hondaの発展につれて仕事は拡大の一途を辿り、大竹氏は1953年にHondaオートバイの燃料タンク塗装を業務とする八千代塗装株式会社(現:八千代工業株式会社)を設立。さらに1972年には、Hondaの軽四輪乗用車の受託生産を行うため、埼玉県狭山市に自動車組み立て工場を開設しました。これが、現在の八千代工業株式会社 柏原工場の始まりです。

 1977年8月、柏原工場は自動車用燃料タンクの製造をスタートします。当時「シビック」に続いて上級クラスでのヒットを狙うHondaが満を持して投入した初代「アコード」の燃料タンクに、ヤチヨの開発した燃料タンクが採用されたのです。
 「シビック」のエンジンをベースに排気量を拡大した「アコード」の燃料タンクは、容量50L。現在の感覚では1.6Lという排気量の割に大きなタンクに思えますが、まだクルマの燃費がそれほど良くなかった時代には、これだけの容量が必要でした。この50Lの鉄の容器こそが、現在ヤチヨの主力商品となっている自動車用燃料タンクの原点です。
 現在、柏原工場は1日当たり2,000台の生産能力を有しており、「フィット」「ヴェゼル」「シャトル」「オデッセイ」「ステップワゴン」などHondaの主要車種の燃料タンクを生産しています。

マザー工場として新たな生産技術とノウハウを構築し、世界の拠点に展開する柏原工場。

八千代工業株式会社 事業管理本部 グローバル推進センター 柏原工場 工場長 小川俊彦氏
八千代工業株式会社 事業管理本部 グローバル推進センター 柏原工場 工場長 小川俊彦氏
グローバルに展開するヤチヨの自動車用燃料タンク生産拠点。
グローバルに展開するヤチヨの自動車用燃料タンク生産拠点。

「柏原工場には2つの工場があり、自動車用燃料タンクの他にも、サンルーフやスポイラー、アンダーカバーなどの自動車用部品、燃料電池用IPUトレイなどを製造しています。また、ここは本社と同じ場所にある本社工場です。よって製造拠点という機能だけでなく、ヤチヨの先進製造技術、人材育成の中心地、マザー工場という役割を担った重要な拠点となっています」
 柏原工場をこう紹介するのは、工場長の小川俊彦氏(おがわとしひこ=八千代工業株式会社 事業管理本部 グローバル推進センター 柏原工場 工場長)です。
「燃料タンクを例に挙げると、国内では柏原工場の他にも鈴鹿市と亀山市の工場でも生産していますし、海外ではアメリカ、メキシコ、ブラジル、中国、タイ、インド、インドネシアなどに生産拠点があります。これらの工場に、柏原工場で開発した新しい製造技術を展開していきます。さらに、それらをちゃんと稼動させ、軌道に乗せるための人的なサポートも行っています」(小川氏)
 たとえ研究開発部門が新製品を開発しても、それを量産する技術と設備が伴わなくては、新製品を海外展開することはできません。よってヤチヨの研究開発部門と柏原工場はタッグを組んで、新製品、新製造技術の海外展開を進めます。そういう意味で柏原工場は、世界展開の鍵を握る重要拠点なのです。
「新技術の展開に加えて、既存製品をいかに安定して高品質に低コストで生産するか、という熟成技術やノウハウの提供も、柏原工場の大切なミッションです。世界の工場の体質強化、ひいては企業体質の強化という役割も担っているのです」(小川氏)