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2017.07.31 update

本田技研工業(株)・(株)本田技術研究所・松江市観光振興公社

江戸時代の景観をいまに残す、国宝松江城の堀川めぐり。豊かな自然を活かした観光事業を支えるHondaの船外機。

国宝松江城のお堀を遊覧船でめぐる「ぐるっと松江 堀川めぐり」。現在45隻が運航するこの堀川めぐりに使用されているのは、低速域のトルクがあり、かつ静粛性に優れているHondaの4ストローク船外機「BF9.9」です。2017年、堀川めぐりの事業主体である松江市観光振興公社の依頼を受けたHondaは、実は船外機にとって苛酷な使用状況である堀川めぐりの専用モデルを開発して、ここに投入しました。

本田技研工業(株)・(株)本田技術研究所・松江市観光振興公社 本田技研工業(株)・(株)本田技術研究所・松江市観光振興公社

国宝松江城のお堀を遊覧船でめぐる「ぐるっと松江 堀川めぐり」。現在45隻が運航するこの堀川めぐりに使用されているのは、低速域のトルクがあり、かつ静粛性に優れているHondaの4ストローク船外機「BF9.9」です。2017年、堀川めぐりの事業主体である松江市観光振興公社の依頼を受けたHondaは、実は船外機にとって苛酷な使用状況である堀川めぐりの専用モデルを開発して、ここに投入しました。

堀川めぐりに使用されるのは、Hondaの4ストローク船外機「BF9.9」

北堀橋付近の堀川を進む遊覧船。
北堀橋付近の堀川を進む遊覧船。
  • 松江市のシンボル、国宝松江城。

    松江市のシンボル、国宝松江城。

  • 堀川に掛かる橋をくぐる遊覧船。

    堀川に掛かる橋をくぐる遊覧船。

 松江藩の城下町として発展し、現在は山陰地方最大の人口20万人を擁する都市となった島根県松江市。そのシンボルである松江城は、愛知県の犬山城や長野県の松本城などと並んで国宝に指定された天守を持つ5城のうちの一つです。1611年の築城当時の姿が残る部分も多く、松江城とその周辺地区は、国土交通省・都市景観大賞審査委員会の選定による「都市景観100選」に選ばれています。
 公益財団法人である松江市観光振興公社が事業主体となって、松江城の掘割として整備された堀川を小船でめぐる「ぐるっと松江 堀川めぐり」が始まったのは、1997年7月のこと。約50分かけて松江城の内堀、外堀を周遊する遊覧船で、2016年11月には、乗船者累計600万人を達成。地域の観光にとって重要なコンテンツとなっています。
 この堀川めぐりに使われる遊覧船は専用設計で、全長約8メートル、幅約2メートル。最大12人の観光客を乗せることができる仕様になっています。そして遊覧船の動力に使用されているのは、Hondaの船外機「BF9.9」です。9.9馬力の222cc直列2気筒4ストロークエンジンを搭載するこの船外機は、現在45隻が稼動する堀川めぐりの遊覧船のほとんどに使用されています。
「20年前の開業当時は他社の船外機も使用していました。むしろ他社のほうが多かったぐらいです。しかし性能や信頼性、静粛性などの問題から徐々にHondaの船外機にシフトしていき、今に至っています」
 遊覧船の整備に携わる野崎柳治(のざきりゅうじ=公益財団法人 松江市観光振興公社堀川遊覧船管理事務所 整備士)氏は、そう語ります。

冬場、アイドリングが安定せずエンジンがストップするトラブルが発生。

公益財団法人 松江市観光振興公社堀川遊覧船管理事務所 整備士 野崎柳治 氏
公益財団法人 松江市観光振興公社堀川遊覧船管理事務所
整備士 野崎柳治 氏
堀川めぐりの遊覧船コース
堀川めぐりの遊覧船コース(詳しくは4ページの拡大図をご覧ください)
公益財団法人 松江市観光振興公社堀川遊覧船管理事務所 整備士 野津萃 氏
公益財団法人 松江市観光振興公社堀川遊覧船管理事務所
整備士 野津萃 氏

 遊覧船の整備に携わる野崎氏によると、堀川は、運航に際しての制約が多い河川とのこと。
「一般の海上運航などと違って水深が0.5から1.5メートル程度と浅く、橋梁下の低く狭い水路などもコースに含まれるため、時には乗船した観光客に腰をかがめてもらいながら、船に設置された屋根を下げて通過することもありますし、川の近くに民家が立ち並ぶ地域では、エンジン音による騒音被害を防止するため、ずっとスロットルを絞った状態での航行となります」
 操船する船頭さんに高い技量が求められるとともに、船外機にとっても低速でのトルクと静粛性の両方が求められる苛酷な使用環境だと言えます。

 そんな中、堀川めぐり遊覧船の船外機に、ある問題が発生するようになりました。冬の気温の低い朝、エンジン始動直後にアイドリングが安定せず、エンジンがストップしてしまうのです。
「原因をさぐるうちに、トラブルのあった船では、船外機のキャブレターのパイロットスクリュー(アイドリングから低回転域での燃料供給量を調整するネジ)にカーボンが付着していることがわかりました。長年使用するうちに徐々に付着したと思われますが、部品を洗浄して組み直すとトラブルは解消するので、発生したら部品を洗浄するということを繰り返して対応していました」(野崎氏)
 しかし、同様の症状が複数の船外機で発生する状況を放置するわけにもいかず、野崎氏と、同じく整備士の野津萃(のづあつし=公益財団法人 松江市観光振興公社堀川遊覧船管理事務所 整備士)氏は、根本的な原因究明にあたりました。そして、ある仮説にたどり着きます。
「一般的な船外機の使用状況であれば、スロットルを開いてエンジンの回転数を上げた段階で吹き飛んでしまうカーボンが、常に低速での航行が求められる堀川めぐりでは、キャブレター内にたまって燃料通路を塞いでしまうのだと考えました」(野津氏)
 とはいえ厳密な検証を行うこともできなかったため、トラブル発生時にその都度対応していました。しかし限られた人数、限られた時間の中で突発的に発生するトラブル対応の負担は決して小さいものではありませんでした。

 この当時、船外機については、まだ複数のメーカーのモデルを使用していました。
「そんな中で、仕入先の販売店などを通じて、エンジンストップの問題の解決を相談したところ、販売店だけでなくメーカーのサービス部門、さらには開発部門まで連携して真摯に対応してくれたのがHondaでした」(野津氏)