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2017.06.30update

本田技研工業(株) パワープロダクツ事業本部 細江船外機工場

創業者の「水を汚さない」信念から生まれたHonda船外機。その信念を受け継ぎ、貫き続ける人々が支える “細江船外機工場”

細江船外機工場は、2001年に設立されたHonda船外機のグローバル・マザー工場。自然豊かな浜名湖畔に位置し、湖に直結したマリーナを備える同工場は、「水を汚さない」の信念から生まれたHonda4ストローク船外機に相応しい工場であるために、徹底的に「浜名湖の水を、環境を汚さない」にこだわって誕生しました。以来十数年、その信念を受け継ぎ、貫き続ける人々の想いによって、細江船外機工場は今も進化を続けています。

本田技研工業(株) パワープロダクツ事業本部 細江船外機工場 本田技研工業(株) パワープロダクツ事業本部 細江船外機工場

細江船外機工場は、2001年に設立されたHonda船外機のグローバル・マザー工場。自然豊かな浜名湖畔に位置し、湖に直結したマリーナを備える同工場は、「水を汚さない」の信念から生まれたHonda4ストローク船外機に相応しい工場であるために、徹底的に「浜名湖の水を、環境を汚さない」にこだわって誕生しました。以来十数年、その信念を受け継ぎ、貫き続ける人々の想いによって、細江船外機工場は今も進化を続けています。

Honda船外機のマザー工場、それが船外機総合生産基地 “細江船外機工場”。

  • 浜名湖に面した自然豊かな浜名湖自然県立公園内にある細江船外機工場。

    浜名湖に面した自然豊かな浜名湖自然県立公園内にある細江船外機工場。

  • 工場内には、浜名湖に直接出られるマリーナを備える。

    工場内には、浜名湖に直接出られるマリーナを備える。

茅野安男 技術主任
本田技研工業(株) パワープロダクツ事業本部
細江船外機工場 管理課 管理グループリーダー
茅野安男 技術主任

 静岡県西部に位置し、淡水と海水が交じり合う汽水湖として有名な浜名湖。その北部湖畔、都田川河口に隣接するのがHondaの細江船外機工場です。
 同工場は、Hondaがグローバルに供給する船外機のうち、中国工場で生産する小型単気筒モデルを除く9カテゴリー22モデルを生産する、船外機のマザー工場とも言うべき存在。そんな細江船外機工場の生い立ちについて、管理課の茅野安男(かやのやすお=本田技研工業(株) パワープロダクツ事業本部 細江船外機工場 管理課 管理グループリーダー 技術主任)はこう語ります。
「以前は浜松市中区の浜松工場で船外機を生産していたのですが、1998年に、その船外機の総合テスト場を浜名湖畔に作ったのが始まりです。その後、2001年に船外機の開発と生産、検査、出荷まですべてを集約した拠点を目指して同じ場所に工場を建設し、生産を移管しました。それがこの細江船外機工場です」

 現在、年間最大9万台を超える生産能力を有する細江船外機工場は、その敷地内に浜名湖に直接出られるマリーナを備え、開発業務の一部から生産、テストまでを行える船外機総合生産基地としてHondaのマリン事業を支えています。

1964年、水を汚さないという本田宗一郎の信念から生まれたHondaの船外機。

1964年、発売当時の「GB30」のポスター。水辺で働く人々の姿を取り上げ、「ナイセストピープル ホンダに乗る」のコピーで環境に配慮する姿勢をPRした。
1964年、発売当時の「GB30」のポスター。水辺で働く人々の姿を取り上げ、「ナイセストピープル ホンダに乗る」のコピーで環境に配慮する姿勢をPRした。
Honda船外機のエポックメイキングモデル。左から、世界で初めてボーデン湖規制ステージ1をクリアしたBF8B、PGM-FIを採用し、4ストローク船外機としては世界初の130馬力を実現したBF130、独自技術BLASTとリーンバーン制御により低燃費と力強い加速を両立したBF90.
Honda船外機のエポックメイキングモデル。左から、世界で初めてボーデン湖規制ステージ1をクリアしたBF8B、PGM-FIを採用し、4ストローク船外機としては世界初の130馬力を実現したBF130、独自技術BLASTとリーンバーン制御により低燃費と力強い加速を両立したBF90.

 Hondaが初めて船外機を発売したのは1964年のこと。働く人々の重労働を軽減し、暮らしを豊かにする「道具」を世の中に提供していきたい。そう願ってHondaを創業した本田宗一郎は、二輪車、汎用エンジン、耕うん機に続く第4のカテゴリーとして船外機に参入し、「GB30」というモデルを発売しました。

 この「GB30」は、当時の船外機としては非常識とも言える特徴を持っていました。それは、他社船外機のほとんどが、構造がシンプルで軽くてパワーが出る2ストロークエンジンを搭載していたのに対し、 「GB30」は、敢えて不利と言われた4ストロークエンジンを搭載していたことです。ガソリンに潤滑油を混ぜて燃焼させる2ストロークエンジンでは、水中に放出する排気ガスにどうしてもオイルが混入してしまい、これが海や川を汚す原因になってしまう。そのことを嫌った本田宗一郎は、「水上を走るもの、水を汚すべからず」を信念に掲げて、4ストロークエンジンの船外機「GB30」を開発したのです。
 このとき誕生した「GB30」は、後の環境性能という概念をエンジンにもたらした四輪車でのチャレンジ、 4ストロークエンジンで2ストロークエンジンを超えようとした二輪車でのチャレンジのさきがけと言えるかもしれません。

 当時は冒険とも言える試みでしたが、時代を経るにつれて水質汚濁は世界的な問題となっていきます。1993年から欧州で施行された「ボーデン湖規制」や、1998年にスタートした米国の「マリーン規制」などのマリンエンジン環境規制にもいち早く対応したHonda4ストローク船外機は市場で高く評価され、やがて他の船外機メーカーも4ストローク化を進めていくことに。1964年当時、異端だったHondaの4ストローク船外機は、環境問題に取り組む世界の主流となっていったのです。

1990年代の末、浜名湖畔に船外機工場を建設する計画が持ち上がる。

小倉隆介 主幹
本田技研工業(株)パワープロダクツ事業本部
品質保証部 市品・商検課
小倉隆介 主幹
  • 小倉による、浜名湖での船外機テストの再現航行。

    小倉による、浜名湖での船外機テストの再現航行。

  • あらゆる使用状況を想定して、苛酷な製品テストが行われる。

    あらゆる使用状況を想定して、苛酷な製品テストが行われる。

 そんなHondaの船外機は、当初、浜松市中区の工場(現、トランスミッション製造部)で生産され、浜名湖でテストが行われていました。
「工場に近いという理由以外に、浜名湖が持つ特徴もテストに適しているんです。浜名湖は汽水湖で海水に複数の河川が流入しているので、エリアによって塩分濃度が異なります。海や川を想定したさまざまな水質でテストできる恵まれた環境が揃っているんです」
 現在、船外機のテストを担当する小倉隆介(おぐらりゅうすけ=本田技研工業(株) パワープロダクツ事業本部 品質保証部 市品・商検課 主幹)は、浜名湖でのテストが定着した理由をこう語ります。そして1990年代の末、浜名湖畔の総合テスト場を拡張して細江船外機工場を建設する計画が持ち上がったときの様子を、当時のスタッフからこう聞かされたと言います。
「スタッフたちは皆、不安を覚えたそうです。淡水と海水の豊富な栄養分が混じり合う浜名湖は、生物の種類では国内一と言われ、国内トップクラスの豊かな漁場です。そんな環境に万が一影響を与えるようなことがあれば取り返しがつかない。そう考えたんです」(小倉)  しかし最終的に、彼らは浜名湖畔への工場建設こそHonda船外機の未来に必要なことだと考えるようになります。
「浜名湖の豊かな自然と共存共栄する工場、そんな工場こそHonda船外機の工場に相応しい。そんな理想の工場をぜひ実現したい。そう考えるようになったそうです」(小倉)