MENU

HONDA

検索
Honda Face Top > Case56:スマート水素ステーション開発プロジェクト EPISODE-1

Face スマート水素ステーション開発プロジェクト Face Top Face Top

スマート水素ステーション開発プロジェクト
「SMART MOBILITY CITY 2015」でHondaの「つくる・つかう・つながる」技術を紹介する三部敏宏執行役員

「SMART MOBILITY CITY 2015」でHondaの「つくる・つかう・つながる」技術を紹介する三部敏宏執行役員

「SMART MOBILITY CITY 2015」のHondaブース
「SMART MOBILITY CITY 2015」のHondaブース

「SMART MOBILITY CITY 2015」のHondaブース

Hondaは「つくる・つかう・つながる」でCO2排出ゼロの水素社会の実現を目指す

Hondaは「つくる・つかう・つながる」でCO2排出ゼロの水素社会の実現を目指す

Hondaが提案する水素の「つくる・つかう・つながる」。その起点となるのがスマート水素ステーションです。

 2015年の10月から11月にかけて開催された「東京モーターショー2015」。そのモーターショー内で、未来の都市や暮らしをつくる最新技術などを展示した「SMART MOBILITY CITY 2015」に、Hondaはエネルギーを「つくる・つかう・つながる」技術を出展。そして水素をつくるスマート水素ステーション(SHS)、水素をつかう燃料電池自動車(FCV) 「CLARITY FUEL CELL」、FCVにつないで電力を取り出せる外部給電器「Power Exporter 9000」について、それぞれの市販予定モデルを一堂に展示しました。

 大勢の取材陣が詰めかけたプレスカンファレンスで、Hondaの三部敏宏執行役員は「再生可能エネルギーを活用してCO2を排出せずにつくった水素を、走行時に水しか出さないFCVでつかい、さらにそのFCVから高品質な電気を供給することでコミュニティとつながる。HondaはCO2フリーの『つくる・つかう・つながる』社会を提案します」と力強く述べました。

 「つくる・つかう・つながる」社会の起点となるSHS。このSHSでは水を電気分解して水素を製造すると同時に昇圧を行うHondaの独自技術、高圧水電解システム「Power Creator」を採用することで、高効率の水素製造能力と10フィートコンテナほどの小型サイズを実現。水素の製造から貯蔵、充填までの主要部位をワンパッケージに集約しました。これにより、太陽光や風力、バイオマス発電などの再生可能エネルギーを使ったCO2排出ゼロの水素製造を容易にしています。
 一方、商用の水素ステーションが供給している水素は、大量の水素製造が求められることから、既存のエネルギーである天然ガスや石油などの化石燃料からつくられるものがほとんど。加えて、工場で製造した水素をステーションまで運搬するトラックもCO2を排出します。
 航続距離が長く、短時間で水素が充填でき、ガソリン車と変わらない使い勝手を実現していることから究極のクリーンカーと呼ばれるFCVであっても、こうして製造された水素を使う場合、完全にCO2排出ゼロで走行しているとは言えません。

 そこで他所から水素を運んでくるのではなく、地域にある再生可能エネルギーを使ってCO2フリーの水素を産み、地域で水素を消費する。エネルギーの地産地消を可能にし、FCVを真の意味で究極のクリーンカーにする装置。それがSHSなのです。

たった数人のメンバーで、CO2フリーの水素をつくるステーションの開発がスタート。

 ここまでで、皆様にはひとつの大きな疑問が生まれているかもしれません。
 「なぜモビリティメーカーであるHondaが水素ステーションをつくるのか?」

 その疑問にSHSの開発責任者、中沢孝治(なかざわこうじ=本田技術研究所 四輪R&Dセンター 主任研究員)は表情を緩めて答えます。
「おもしろいですよね。それはHondaのFCV開発の出発点が『フルクローズドサイクルビークル』という超究極のクリーンカーだったことに由来します。これはクルマに太陽光パネルを積み、車内で水の電気分解をして水素をつくりながら、空気中の酸素と反応させて燃料電池で発電しモーターで駆動させるクルマです。水を入れるだけで走るという夢のようなクルマです。まったく発想がHondaらしいというか、突拍子もない。でもそんなクルマがあったら絶対に皆に喜ばれるはずです」

 しかし、夢のクルマの走行に必要なエネルギーを当時試算すると、満足な量の水素を製造できるほどの太陽光パネルがクルマに載りません。そこで水素をつかう側のFCVと水素をつくる側、つまり再生可能エネルギーを活用した水素ステーションに分かれて開発が進んだのです。
 その水素ステーションの開発メンバーはたったの数人。中沢は振り返ります。
「モビリティづくりとは異なる、いわば亜流の開発ですからメンバーは少人数。それでも私は小さなチームならではのベンチャー企業のような意思疎通や開発のスピード感をおもしろく感じていました。そして何よりも、FCVが走る時代がやってきた時に、本当にクリーンで、本当に世の中のためになる水素がないといけない。FCVを売るHondaだからこそCO2フリーの水素をつくるべきだ。開発に携わる人間は高い志で取り組んでいました」

 1998年から基礎研究を始めた中沢らは、2002年に市販されているパーツを使って太陽光発電によるCO2フリーの水素ステーションを米国のHondaの研究所の敷地内に組み上げました。まずはステーションを形にしてシステム構成にどんな改良点が必要なのか、何を開発すべきか見極めようとしたのです。
 そこで見出された改良点が、製造した水素を昇圧するコンプレッサーの排除です。
 当時のFCVは35MPa(350気圧)の水素を燃料としていました。しかし、コンプレッサーはその稼働に電力を使ってしまうため、水素製造の効率が落ちる上に、騒音がありサイズも大きいとデメリットばかりでした。
「コンプレッサーを抱えたままでは絶対に商品にならない。コンプレッサーなしで水素を昇圧する技術を考えよう。その判断はシンプルでした」(中沢)

 こうして、水の電気分解と昇圧を同時に行う高圧水電解システム「Power Creator」の開発が始まったのです。

(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター 中沢孝治主任研究員

(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター
中沢孝治主任研究員

「Power Creator」により、コンプレッサーなしで水素を35MPaまで昇圧することが可能に

「Power Creator」により、コンプレッサーなしで水素を35MPaまで昇圧することが可能に

Hondaの独自技術「Power Creator」。高圧水電解スタックと、それを稼働させるシステムで構成

Hondaの独自技術「Power Creator」。高圧水電解スタックと、それを稼働させるシステムで構成

 

■ Hondaの歴代水素ステーション

2002 Honda初の水素ステーション。太陽光発電を利用し、市販のパーツで組み上げている。(設置場所:米国カリフォルニア州)

2002
Honda初の水素ステーション。
太陽光発電を利用し、市販のパーツで組み上げている。
(設置場所:米国カリフォルニア州)

2003 水電解スタックを自社開発。コンプレッサーを排除するための技術開発に着手。(設置場所:米国カリフォルニア州)

2003
水電解スタックを自社開発。
コンプレッサーを排除するための技術開発に着手。
(設置場所:米国カリフォルニア州)

2010 コンプレッサーを排除し、高圧水電解システム「Power Creator」を初搭載した水素ステーション。(設置場所:米国カリフォルニア州)

2010
コンプレッサーを排除し、高圧水電解システム「Power Creator」を初搭載した水素ステーション。
(設置場所:米国カリフォルニア州)

2012 日本初の太陽光発電を利用した水素ステーション。2010モデルと同様に「Power Creator」を搭載。(設置場所:埼玉県庁)

2012
日本初の太陽光発電を利用した水素ステーション。2010モデルと同様に「Power Creator」を搭載。
(設置場所:埼玉県庁)

2014 世界で初めて水素製造から貯蔵、充填までの主要部位をワンパッケージにしたスマート水素ステーション。(設置場所:さいたま市東部環境センター、北九州市エコタウンセンター)

2014
世界で初めて水素製造から貯蔵、充填までの主要部位をワンパッケージにしたスマート水素ステーション。
(設置場所:さいたま市東部環境センター、北九州市エコタウンセンター)

2016 実用化されたスマート水素ステーション。(設置場所:徳島県庁、宮城県保健環境センター、埼玉県庁、Honda青山本社ビル、Honda和光ビル(2016年4月28日現在))

2016
実用化されたスマート水素ステーション。
(設置場所:徳島県庁、宮城県保健環境センター、埼玉県庁、Honda青山本社ビル、Honda和光ビル(2016年4月27日現在))