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Honda Face Top > CASE39:本田技研工業(株)Hondaスマートホームシステム プロジェクト EPISODE-4

Face 本田技研工業(株)Hondaスマートホームシステム プロジェクト Face Top

各分野で「新しい暮らしの創造」を目指す3社が、HSHSを軸に手を組んだ。

Hondaは住宅や家電製品を作っていません。他企業の製品とつながり、協力しなければ、新しい暮らしを創造することはできません。そこでHondaは各分野のトップ企業と手を組み、HSHSは異業種3社の合同プロジェクトとして新たなスタートを切りました。

本田技研工業(株) 四輪事業本部 事業企画統括部 
スマートコミュニティ企画室 前田直洋 主幹

本田技研工業(株) 四輪事業本部 事業企画統括部
スマートコミュニティ企画室 前田直洋 主幹

C棟に先駆けて3社が思い描く「新しい暮らし」を具現化した、2013年東京モーターショーの合同展示ブース

C棟に先駆けて3社が思い描く「新しい暮らし」を具現化した、2013年東京モーターショーの合同展示ブース

新しい暮らしの創造には異業種の力が不可欠。各界トップが手を組んだ合同プロジェクトです。

 新しい暮らしの創造とCO2ゼロの実現。この目標を達成するには、もうひとつ、どうしても取り入れなければならない要素がありました。それは他企業との合同プロジェクト化です。Hondaは住宅や家電製品を作っていませんから、Honda製品だけでは暮らしが成り立たない。他企業の製品とつながり、協力しなければ、新しい暮らしを創造することはできないと考えていました。
 そしてC棟の構想が動き始めたころ、同じような思いを抱いていた積水ハウス株式会社、株式会社東芝との合同プロジェクト化が決定。HSHSは3社で推進していくことが決まりました。
 この合同プロジェクト化を推進したのは、山地と同じスマートコミュニティ企画室の前田直洋主幹です。
 「3社協業のお披露目は、C棟が具体化する前、昨年の東京モーターショーでした。お客様の暮らしという視点で3社の技術、製品がシームレスに存在している合同展示ブースを出展したんです。文化も習慣も違う異業種3社が1つのブースを作り上げるのは、それまでのモーターショーでも例の無かったこと。なかなか刺激的な経験になりました」(前田)
 この3社協業により、C棟には各社の最新技術、製品が投入され、Honda単独では成しえなかった新しい住宅が完成しました。

積水ハウス株式会社 環境推進部 温暖化防止研究所 清水務 課長

積水ハウス株式会社 環境推進部 温暖化防止研究所
清水務 課長
MC-βを駐車したガレージから段差の無い扉を越えれば、そのままキッチンに入れる構造。

C棟の壁を覆う壁面緑化。その真ん中は赤い植物がハートマークを描く。積水ハウスのスタッフは3カ月間秘密にしておいたのだとか

C棟の壁を覆う壁面緑化。その真ん中は赤い植物がハートマークを描く。積水ハウスのスタッフは3カ月間秘密にしておいたのだとか

一生涯、安心、安全な暮らしづくり。それが積水ハウスの理想です。

 積水ハウス(株)がC棟に投入した技術について、同社、温暖化防止研究所の清水務課長は次のように語ります。
 「モビリティを最大限に活用する家として、たとえばガレージの床と家の床を同じ高さでフラットにつないでいます。これで車いすやベビーカーでも、車庫から屋内へ段差を気にせず行き来できるわけですが、住宅としてこの構造は異例です。住宅の基礎を下げなければいけないので、だいぶ大掛かりな工事が必要になるんです。他のハウスメーカーさんが見学に来ると、まずその写真を撮っていますよ(笑)」
 その他、断熱性を上げて快適性と省エネ効果を高めるため、3枚のガラスの間に「真空層」と「アルゴンガス層」を持ち、さらに特殊金属膜コーティングされたトリプルガラスを採用。また、住む人の暮らしの安心のため、呼吸数や心拍数を監視して体の不調を予測し、アドバイスする「見守り」システムなどがC棟に導入されました。
 しかし、積水ハウス(株)の導入した技術・製品の中でHondaと(株)東芝のスタッフを最も驚かせたのは、住宅の壁を覆う「壁面緑化」の草花だったと言います。
 「壁面緑化自体は珍しいものではありません。でも積水ハウスさんは、そこにある工夫を凝らしていました。緑の草花の中に、赤い草花をハートの形に浮かび上がらせたんです。C棟が完成して3カ月ほど経ってから浮かび上がってきたので、知らなかった我々はびっくりしたというわけです」(前田)
 この仕掛けは、積水ハウス(株)でなければ思いつかなかった発想でした。
 「家に住む方々のためというより、お隣や周辺地域の方々のための仕掛けです。無機質な壁より緑の草花で覆われた壁のほうが、ご近所の方々が近くを通るとき気持ちがいい。ある時ハートマークが浮かび上がれば、そこにサプライズとコミュニケーションが生まれ、人々がつながるきっかけにもなるでしょう」(清水課長)
 お客様だけでなく、その周りにいる人々にまで心を配る商品づくり。それが家づくりにとどまらず、新しい街づくりにつながっていく。これは、Hondaや東芝のスタッフにとって目から鱗の発想でした。
 「我々は、自社をメーカーだとは思っていません。人々の暮らしに必要なものを選び、組み合わせて提供するコーディネーターのような存在だと思っています。だからこそ、お客様の暮らしをより良くしていくものをとことん突き詰める考え方が、身にしみついているんです」(清水課長)

株式会社東芝 コミュニティ・ソリューション社 枝広俊昭 主務

株式会社東芝 コミュニティ・ソリューション社 枝広俊昭 主務

C棟屋上には、Hondaが設置したソーラーパネルと並んで東芝のソーラーパネルが設置されている。

C棟屋上には、Hondaが設置したソーラーパネルと並んで東芝のソーラーパネルが設置されている。

Hondaと東芝が一緒に目指すのは、家電とモビリティがシームレスに融合した暮らしです。

 一方、(株)東芝も太陽光発電システムや家庭用蓄電池、エアコンや照明、冷蔵庫など様々な製品を設置しています。しかし今回の最大の特徴は、同社の最新のエネルギーマネジメント技術が投入されている点です。
 1階の親世帯はHondaのSeMMが、電気など家のエネルギーを制御するホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)としてエネルギーを管理し、2・3階の子世帯は東芝のHEMSがエネルギーを管理して、2軒を別々の家として構成しています。さらにその2軒をつないでエネルギーの「おすそ分け」実験を行うために、 2軒の間でエネルギーを最適化するμCEMS(マイクロセムス)という制御システムを新たに開発しました。
 「東芝は、もともと数千軒の家や、ビルなどのコミュニティレベルのエネルギー制御システム(CEMS)を開発し、その実証実験を『横浜スマートシティプロジェクト』で行ってきま した。しかし大規模でなければメリットが出ないようでは、システムとして柔軟性があるとは言えません。そこで複数の家の管理に特化したコンパクトなシステムとして、 μCEMSをHondaと共同開発してこのC棟に投入しました」(枝広主務)
 (株)東芝は、2000年ごろからネットワーク家電の開発を皮切りにHEMS開発を手掛けてきました。家電やクルマの間で情報通信を行う「ECHONET Lite(エコネットライト、下記参照)」規格の構築も同社が先頭を切って推進してきました。
 「モビリティの電動化が進んでいけば、家電とクルマの情報通信が本格化していきます。まずはEVが蓄電池の代わりを果たすようなり、HEMSによるエネルギー最適制御が必須となるでしょう。次に燃料電池自動車が入ってくれば、家庭のエネルギーも次の段階へとステップアップしていく。そうやって大きく変化していく社会の中で、自社だけでは見つけられない新たな考え方を得られる機会として、Hondaとのコラボレーションは大変有意義だと考えています」(枝広主務)

今まで無かった「つながり」が、新しい暮らし、新しい街づくりにつながります。

  異業種企業の協力を得て、新たな暮らしの創造とCO2ゼロにチャレンジするHSHSプロジェクト。各界のトップ企業が相互に刺激し合うことで、きっと今まで無かった価値を生み出すことができるに違いありません。そんなHSHSの進むべき方向について、最後に山地はこう語って締めくくりました。
 「キーワードは『つながる』ということです。暮らしとクルマがつながる。暮らしと暮らしがつながる。異業種同士がつながる。そんな今まで無かったつながりが、最終的には新しい暮らし、新しい街づくりにつながっていく。我々はそんな未来を実現するために、今後もHSHSプロジェクトを推進していきます」