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Honda Face Top > CASE15:(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター(栃木)低炭素開発推進プロジェクト EPISODE-3

Face (株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター(栃木)低炭素開発推進プロジェクト Face Top

エネルギーの「見える化」に取り組んだ後藤洋技術主任

エネルギーの「見える化」に取り組んだ
後藤洋技術主任

まず取り組んだのは、使用エネルギーの「見える化」です。

 「ひとつのアイデアを1シートにまとめて提出してもらう方式でアイデアを募りました。相当数集まったので『じゃあ始めましょう』と思ったら、問題がありました。その頃は、建物1棟でどのくらい電気を使っているかは分かりしたが、何階のどの施設でどれだけ電気を使ったか、そういった内訳が分からなかった。だから、このテストでこれだけ電力使用量を低減できます、この施設の電力使用をこれだけ抑えられます、といったアイデアを実行しても、その通りの成果が出たかどうか計測する手段が無かったんです」と、筒井主任研究員は苦笑いをしました。
 そこで低炭素開発推進プロジェクトのメンバーが取り組んだのが、燃料と電気、どちらも施設別、部署別に使用量を把握できるようにする、使用エネルギーの「見える化」でした。
 これを担当するのは、後藤技術主任です。
 「普段、燃費計測を得意としているエンジニアの人たちの知恵を借りて『見える化』を推進するのです。電気関係はスマートメーターを、燃料は流量計を、建物の各部屋ごと、または施設ごとに取り付けて消費量を測れるようにしていきます」

「ひとつひとつのアイデアの効果を『見える化』にします」

「ひとつひとつのアイデアの効果を
『見える化』にします」
 この「見える化」の一つとして、環境試験を行う建物が選ばれました。ここでは寒冷地から灼熱の砂漠まで室内の環境を変化させ、開発中のクルマをチェックしています。
 「これまでも、この建物に送っている電気の総量はわかっていました」
 「ただ、建物に入ってからの細分化された電気の送り先がわからなかった。今回、スマートメーターを設置することで、各テスト施設の時間帯ごとのデータが得られるようになりました。今年の9月までには、栃木研究所の大部分のエネルギー使用量を計測できるようにする予定です。せっかく開発部門で盛り上がっている『低炭素開発』の熱が冷めないうちに、各部署から挙げてもらった提案の効果を“見える”ようにしたいのです」(後藤技術主任)
 「将来的には、IDカードなどを活用すれば、現場の負担を最小限に車種別・チーム別・人別などのより詳細なデータを取得することができ、より効果的な対策が打てるようになる、というアイデアまで出ていますよ」(相澤主任研究員)

阿部良治研究員

阿部良治研究員

開発現場の意識が、目に見えて変わってきました。

 開発現場の様子を、阿部良治研究員はこのように話します。
 「意識が変わってきましたね。研究開発をやっていて、空調や大きな動力が動いていると、『なんで回ってるの?』『止めちゃいけないのかな?』と設備管理課へ聞きにいくようになった。『テストに支障がないなら、ちょっと止めましょう』という言葉が、普通に出てくるようになりました」
 このプロジェクトが特徴的なのは、CO2低減の方法が省エネにとどまらず、研究開発の『在りたい姿』にまで広げようとしていることです。
阿部研究員が続けます。
 「例えば、ある部品をアコードとシビックで使うとします。『まずはシビックでテストしました』ではなく、車格の大きく条件の厳しいアコードから試験しましょう、と。それによって、テスト回数を減らすことができる。また、シミュレーションを活用して試作品の数を減らす。テストコースを走らせる前にテスト台で解決できることはしてしまう。テストの順番を考え直すだけでも、CO2の排出量を減らせると思います」
 実はこの低炭素開発の運動はすでに功を奏していて、一昨年と比較すると月平均500トンのCO2排出量が減っています。ただ「誰がどの様にして、どれだけCO2を低減できたのか」が分析できない。“「見える化」”の作業が急がれます。
 最後に筒井主任研究員は、こう話してくれました。
 「以前、ある先輩から『Hondaが日本そして世界のモータリゼーションを引っ張っていくんだ。その一翼を担うのがお前たちだ。頼むぞ』と言われました。栃木研究所では『世界一の低炭素研究所』を目指して、すでに次のプロジェクトが動きはじめています。今後は『新しく環境軸を取り入れた研究開発』を追求する低炭素開発推進プロジェクトを、いわば『天命』と思って取り組んでいきますよ」