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Honda Face Top > CASE15:(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター(栃木)低炭素開発推進プロジェクト EPISODE-2

Face (株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター(栃木)低炭素開発推進プロジェクト Face Top

相澤和人主任研究員
相澤和人主任研究員

エンジニアらしく、理にかなった開発方法、テストのやり方でCO2を低減する。

 栃木研究所が排出するCO2の総量を抑えるには、ある部門だけを改善すればいいのではなく、研究所全体で改善していく必要がある。そのためプロジェクトは、四輪R&Dセンター野中俊彦センター長を相談役に、筒井主任研究員がLPL(プロジェクト責任者)として全体を取り仕切る、本格的な体制となりました。
 これまで取り組んできた設備・施設関連の工夫・刷新に加え、研究・開発部門の業務プロセスや開発手法を見直す体質改革を図ってCO2排出量を低減するという、今までに無い試みがスタートしたのです。
 プロジェクトのLPL代行となった相澤和人主任研究員が説明します。
 「これまでのCO2排出量の推移をもとに、このまま手を打たないと今後どれだけ増えるのか、という予測を立てました。すると、栃木研究所の人員増強と歩調を合わせるようにCO2が増えていく。設備関連も増えているので、単純に効率が悪くなっていくというわけではないのですが、CO2排出の絶対量は右肩上がりです」
 難しいのは、社会的に求められる環境・安全基準がどんどん高くなっている中、研究開発の手綱を緩めるわけにはいかないこと。これまでと同様に研究開発を行いながらCO2排出量を下げていくのは至難の技に思われます。
 「国の施策として、事業所単位で年1パーセント、なおかつ2020年までには2009年比で10%下げなければならない。まずはこれをクリアするよう低減対策を打っていき、3年後に達成ラインに乗せるのが目標です。さらに2020年には、国の基準値である2009年比10%ダウンではなく、それ以上の低減を求めているHondaの内規をクリアしようと考えています」

栃木研究所におけるCO2排出量低減の基本的な考え方

栃木研究所におけるCO2排出量低減の基本的な考え方
 CO2排出量低減の目標ラインは決まりました。次にこの目標の達成を目指していくにあたって、筒井主任研究員が基本的な考え方を述べます。
 「まずは理念を設定しなきゃいけない。『低炭素な商品を低炭素で開発する』。その理念で従業員を啓発・共有して、現場から具体的な施策を出してもらいます。設備管理の面では、これまで以上に効率化を進めますが、研究開発部門でも、節約やムダを削るといったアプローチに偏ることなく、エンジニアらしく、理にかなった開発方法、テストのやり方を徹底していこうということです」

エンジニアたちに「低炭素開発」という方向性を示す

エンジニアたちに「低炭素開発」という方向性を示す

開発現場でも、『今のままではいけない』という意識がすごく強かったんです。

 これまで、どこか聖域扱いされてきた研究開発部門ですが、プロジェクト開始を機に現場でヒアリングしてみると、意外なことがわかりました。
 「開発の現場でも、『このままではいけない。今のやり方を変える必要がある』という意識がすごく強かったんです。それまでは、テストを重ねるほど安心なので、アレもコレも、念のため、とテスト項目が増えていました。もちろん、魅力が大きく安全で信頼性の高い製品を作り出すには入念なテストが必要です。しかし冷静に振り返ってみると、『もっと工夫してスムーズで質の高いやり方に変えていかないと、テストが増えていくばかりだ』と感じていたんです。だから、CO2排出量の低減すなわち『低炭素化』という切り口で開発方法をスムーズ化していくことに賛同してくれました
 栃木研究所の中では、さまざまなエンジニアが、一見、好き勝手に研究開発を進めています。しかし開発するクルマの方向性が決まると、ベクトルがひとつになり各人の動きが同じ方向に向かって進んでいきます。
 エンジニアたちのこの特性を知る筒井主任研究員は、彼らに新しい方向性を示すことで大きな動きが起こるのではないかと考えました。
 「私たちエンジニアは低炭素なクルマを作ることは得意なんですよ。燃費の向上ということは、ズッと昔からやってきましたから。そのための素地はできているわけです。だからここに『低炭素で開発する』という新しい方向性を示せば、エンジニアたちの力が一気にそこに結集するだろうと考えたのです」
 エンジニアの仲間に「低炭素開発」へ参加してもらおう。さっそく研究開発部門の各部署に対して、低炭素開発のアイデア募集という働きかけを行ったところ、たちまち大小500を超える提案が寄せられました。体質改善の想いは、現場でも強かったのです。
 ところが具体的にアイデアを実行する段になって、ひとつ問題が生じたのでした。