Hondaの市販車は、レース参戦で得た知見やノウハウをフィードバックしていることをご存知でしょうか。創業者・本田宗一郎の「レースをしなけりゃクルマは良くならない」という言葉にあるように、モータースポーツ活動を通じて市販車へフィードバックする開発アプローチの考え方は、Honda創業以来続く挑戦であり、近年はガソリン車だけでなく、e:HEVもレースに参戦しています。
そもそも、Hondaのモータースポーツと言えば「TYPE R」を思い浮かべる人が多いかもしれません。TYPE Rはサーキットでのレース参戦も想定されたモデルである一方で、e:HEVは世界トップクラスの効率を目指して開発されたあくまでも市販車向けのパワートレーンです。だからこそe:HEVのレース参戦は、その走りにさらに磨きかけようとするHondaらしいチャレンジであると言えます。
e:HEV初のレース参戦は、FIT e:HEVによるJoy耐でした。FITのダイナミクス領域担当だった開発責任者は、サーキット用にセッティングを施してレースに挑むことは、クルマを開発する上での醍醐味であり大きな学びになると考えていました。実際に、サーキットで走る中で、バッテリーに貯めた電気をいかに効率よく速さにつなげていくかが、e:HEVのさらなる進化のカギだったのです。
このレース参戦によって、市販車の開発だけでは得られなかったノウハウを数多く獲得し、2022年には走りに磨きをかけたFIT e:HEV RSが登場しています。日々の研究はもちろん、サーキットへの挑戦も続けていくことで、これからもe:HEVの進化は続いていきます。














