愛犬の毛が逆立っている、触れると「パチッ」と痛みを感じたという経験はありませんか。実は、犬の方が人よりも静電気を帯電しやすいという性質があるのです。発生した静電気はアレルギーや毛玉ができる原因となるので注意が必要です。今回は犬に起こる静電気の対策法をご紹介します!
静電気とは、物体に電気が帯電している状態のことを言います。静電気を帯電したままの状態で、金属などの電気を通しやすい物質に触れることで一気に放電されます。この時に静電気特有のするどい痛みが生じます。
特に乾燥する冬場は静電気が発生しやすい時期です。毛で覆われている犬は、化学繊維を使用している洋服、カーペット、ソファなどの布製品と体が擦れる事で静電気が発生します。しかも、毛が乾燥しているためなかなか放電できません。
静電気は放電時に痛みを感じるだけではなく、アレルギーや毛玉の原因になるので、愛犬を室内で飼っている場合や長毛の犬種の場合は注意が必要です。それではなぜ静電気がアレルギーや毛玉の原因となるのか、詳しく見ていきましょう。
静電気自体がアレルギーの原因になることはありませんが、体に帯電した静電気がほこりや花粉、ダニの死骸などのハウスダストといった原因物質を引き寄せることでアレルギーの原因になります。
静電気で毛が立つと、立った毛同士が絡み毛玉ができやすくなります。毛玉ができてしまうとブラッシングの時にブラシにひっかかり痛みを感じたり、毛玉に汚れが溜まったりと皮膚疾患の原因に繋がります。足元の毛が長い犬種や脚が短い犬種は、毛が地面のハウスダストを引き寄せやすいため、特に注意してください。
飼い主さんが触った時に静電気が放電されると、「パチッ」とした痛みを感じます。たとえ飼い主さんが優しく触れたとしても、愛犬が叩かれたと勘違いをしてしまう可能性があります。何もしていないのに叩かれたと思い、飼い主さんに対して不信感を抱いたり、触られることを嫌がったりする場合もあります。
静電気対策に特別な専用グッズなどは必要ありません。愛犬の生活環境の見直し、ブラッシングや愛犬に触る時の一工夫で静電気の発生を抑えることができます。
夏場に静電気が発生しにくいのは、湿度が高いためです。水分は電気を通しやすいため、空気中の水分量が多いと帯電することなく自然に放電されます。反対に、冬場は空気が乾燥し、電気の逃げ場がないため体に帯電します。
帯電させないために加湿器などを使い、室内の湿度を40~60%に保つことが効果的です。愛犬のお留守番中に加湿器をつけたままにするのは不安という場合には、愛犬のいる部屋に洗濯物や濡れたタオルを干すなどし、湿度が下がりすぎないように工夫をしましょう。
静電気が生じると毛玉ができやすく、アレルギーの原因物質を引き寄せやすいということを先ほど説明しましたが、その対策としてこまめなブラッシングは大切です。
しかし、乾燥している愛犬の毛を更に摩擦することは逆効果となります。そのために用意をするのは水とスプレーボトルです。専用のスプレー液などではなく水道水で大丈夫です。
静電気は、異なる素材の物が擦れることで発生します。そのため愛犬の毛(動物の毛)と化学繊維が擦れる際に静電気が発生し、室内においてはカーペット、ソファ、ベッド、愛犬の着ている服などが原因となることが多いでしょう。
もし、室内でも服を着させている場合や愛犬が布製品に体を擦りつけることが大好きな場合は注意しましょう。静電気を発生させないためには、コットン、麻、ウール、シルクなどの天然繊維で作られたものがおすすめです。
ただ、室内の布製品を全て天然繊維に変えるということは大変ですので、乾燥しやすい冬場だけでも見直してみると良いでしょう。
愛犬だけでなく、飼い主さんの手もしっかりと保湿しましょう。乾燥した手で愛犬をなでたり、抱きあげたりすることで静電気が発生します。
保湿乳液やハンドクリームなどを使えば手軽に保湿できます。ただし、付けすぎてしまうと愛犬の体にも付着しますので、使用量には注意しましょう。また、においの強いハンドクリームは、嗅覚の優れている犬にとって刺激が強いため、無香料の物や天然オイルなどを選ぶと良いでしょう。
愛犬と快適に冬を過ごすために、静電気の対策をしましょう。湿度、愛犬の生活環境にある布製品、ブラッシング時の一工夫などちょっとした対策で、あの「パチッ」という不快なショックから解放されます。静電気対策をすることで余計なストレスを減らし、人と犬が安心して触れ合えるようにしてはいかがでしょうか。
文・監修:PECO
※このコンテンツは、2022年11月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。