2015-2017 [意識醸成期]

女性活躍拡大

多様性の取り組みを
女性から進める理由

Hondaはグローバルに事業展開をしていますが、女性の活躍を見てみると日本は大きく遅れをとっています。人口の半数いる女性にいかに活躍してもらうかが、企業にとっての最重要課題です。日本Hondaは、「女性活躍拡大」を重点課題におき、2015年からの10年間で「性別に関わらず、誰もが等しくキャリアを描ける世界」の実現を目指し取り組んでいます。

数ありきでは進めない

このひとつの指標として女性管理職の数を挙げ、2014年に対し2020年に3倍、2025年に9倍と社内外に公表しました。しかしながら、数ありきで進めるわけではなく、最終的なゴールでもありません。全社で同じ意志を共有していくためにも明確な管理項目・目標値が必要という考え方から設定していますが、実現したいことは、性別に関わらずキャリアを描ける世界であり、活躍する女性の数を増やすことです。

3つの柱で推進

女性活躍拡大には継続性が重要であり、「誰もが等しくキャリアを描ける世界」を実現するためのロードマップを描き2015年1月に多様性推進室を設置し取り組んできました。

01. 意識・風土改革

  • 経営からの発信
  • 階層別研修・イベント
  • 社外活動への参画
  • 多様性推進の取り組みサイト立ち上げ

今回の取り組みにおいて2017年までの最初の3年間を意識醸成期として重要な時期と捉えています。その意識醸成期の鍵を握るのはマネジメント層の意識改革です。取り組み当初は女性管理職の目標数のみが先行したことから、各事業所で開催した講演会やセミナーを通し、マネジメント・女性の双方に女性活躍拡大の目的・意義を直接説明しました。それによりマネジメント・女性共に理解が深まり、風土改革に向け意識醸成は着実に進行しています。
また多様性推進の取り組みを継続的に見える化するために社内イントラ内に専門サイトを立ち上げました。

02. キャリア形成支援

  • キャリア計画書策定と
    キャリア面談の実施
  • 育児期のキャリア
    支援プログラム

女性従業員への「個に焦点を当てた育成の加速」として長期的かつ、具体的な育成計画を反映した上司による「キャリア計画書」を2015年より導入しました。
「キャリア計画書」とは自律的なキャリア形成を希望する女性に対する支援ツールであり、期初面談にて上司が女性従業員に意向確認し、作成します。作成された女性従業員に対し、キャリアアドバイザーからの個別面談を実施し、上司と共に一人ひとりへのキャリア形成支援を進めてきました。面談は個々のキャリア意識を把握した上でカウンセリングを通し、自律的なキャリア形成に向けた気づきの場を提供しています。これまで2年間で延べ1,200名に面談を実施しています。
また、育児期のキャリア支援プログラムを導入し、ライフイベント時のキャリア形成を支援しています。

03. 制度・環境整備

新規
  • 半日有休
  • 在宅勤務
  • 育児費用補助
  • 企業内託児所
拡充
  • 短時間勤務
  • 一時保育の拡大

仕事と育児・介護の両立による就業継続のみならず、従業員ニーズの多様化に対応し一人ひとりが望むライフスタイルとキャリアとの両立を可能とする制度・環境面の整備を進めています。
企業内託児所を2017年4月に栃木地区(ホンダエンジニアリング隣接地)、2018年4月に和光・朝霞地区(和光ビル敷地内)に設置。他の地区については、保育への支援ニーズや周辺の保育環境の整備状況などの実態を踏まえ、今後も継続検討していきます。

女性採用の強化

Hondaでは男女の区別なく採用活動をしてきましたが、2016年4月の「女性活躍推進法」の行動計画において、「新卒採用者に占める女性割合を2020年までに20%以上とする」ことを目標とし社内外に公表しました。
現在は、特に理系女性に重点をおいて様々な活動を推進しています。

女性活躍拡大の取り組みから見えた
全従業員に関わる課題

風土・働き方の改革

競争力の源泉となる「人」が活き活きとやりがいを持って働けるよう、風土・働き方の改革に取り組んでいきます。決して時間短縮やコスト削減が目的ではありません。時間に対する意識の高い働き方へと転換し、創出した余裕をコミュニケーションの充実や自己成長につなげ、仕事の質や生産性をあげていくことが目的です。残業が悪ではなく、必要な残業はする、一方で惰性での残業はしないという「メリハリのある働き方」をすることを理想として進めていきたいと考えています。多様な人材が活躍できる風土と働き方を実現するために取り組んでいきます。

Honda Diversity Forum

Hondaにおける人材多様性の進化の実現に向けて、社内における交流をはかり、HondaにおけるDiversity & Inclusionの理解を深めることを狙いとした社内イベント『Honda Diversity Forum』を開催しています。
2015年に女性活躍拡大に着手し、女性比率はまだ十分に高いわけではないことから、2016年に女性管理職を対象にスタートし、2017年には女性主任/研究員層を対象に規模を拡大して開催しました。『Honda Diversity Forum 2017』については女性主任層のモチベーションアップとネットワーク形成を目的として、ジェンダーへの取り組みの強化期間の総仕上げと位置づけ開催しました。
まずは女性活躍拡大をテーマとして女性対象としましたが、今後は更なる人材多様性進化・拡大に向け、取り組むテーマに即して参加対象を拡げて開催していきます。

女性管理職対象 ダイバーシティフォーラム
Honda Diversity Forum 2017
(女性主任/研究員層対象 ダイバーシティフォーラム)