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デザイナーズ・トーク-Honda製品のデザインに込められたこだわり

CBR250R

めざしたのは「速さ」より「楽しさ」 スーパースポーツの造形と走りの魅力を一人でも多くの方に CBR250Rのデザインは、これまで強大なエンジンパワーを手なずけられるライダーの特権であった「スーパースポーツ」の造形がもたらすよろこびを、一人でも多くのライダーに味わっていただくために生まれた。 CBR1000RRやCBR600RRのような限界域での性能よりも「楽しさ」を追求してかたちづくったカウルや、バリエーション豊かなカラーリングなどの背景にある想いをデザイナーが語る。 本田技術研究所 二輪R&Dセンター 飯田 王海

まるでバイクと一体になったかのように、意のままに操り、やがてバイクの存在さえ忘れて走りに没頭してしまう。バイクにとって基本中の基本と言える機能──「走る」ことの性能を突き詰めたのが、Hondaのスポーツバイクのフラッグシップ、CBR1000RRに代表される、「スーパースポーツ」と呼ばれるジャンルのバイク。

それをさらに先鋭化させて、「誰よりも速く走る」ということに特化させた位置にいるのが、レーシングマシン、ということになります。
風を切るためのカウルも、少し前下がりになるプロポーションも、全部「バイクでスポーツする」ときにどれだけ安定して走れるか、正確に挙動をコントロールできるかどうかを考えてデザインされています。

サーキットなどで本格的なスポーツ走行が楽しめる、スーパースポーツのCBR1000RR

世界最高峰の二輪ロードレース、MotoGPで活躍するレーシングマシン、RC212V

スーパースポーツならではの造形の魅力

……とはいえ、そういった本来の「目的」をさておいたとしても、風を切り裂いて走るさま、内に秘めた、弾けるようなパワーを予感させる造形は、ネイキッドやスクーターとはひと味異なる、獲物を狙う獣のような野性味や、アグレッシブな魅力があるような気がしませんか。
それを操るライダーの姿も然り、です。
背中を軽く丸めた前傾姿勢を取って、低く、やや遠目の位置に取り付けられたセパレートハンドルを軽く握り、バイクと一体になって颯爽と走る──。
たとえ信号待ちなどで止まっているときであっても、乗る人の姿にある種の凛とした緊張感が感じられるようでもあります。
そんな世界観に共感するライダーにとって、スーパースポーツは「走りを楽しむ」という他に、絶好の自己表現のアイテムにもなっていたかもしれません。

これまで、その楽しみは、パフォーマンスを極限まで追求したスーパースポーツを操る人だけの特権でした。
しかし、いかに走りを愛するライダーでも、常にサーキットを全開で攻めるような走りをしているわけではありませんし、「有り余るほどのハイパワーなエンジンを手なずける」「シートが高く、ハンドルが低いライディングポジションに慣れる」といった独特のハードルがあったのも事実です。 HondaはCBRシリーズの造形が持つアグレッシブな魅力、スーパースポーツを乗りこなすことのよろこびを、もっと気軽に楽しんでもらいたいと考えました。すでにそれを知る人はもちろんのこと、これまで味わったことのない人にも……。
高性能ではあるけれど、そのぶん高価になるアルミフレームやマルチシリンダーのエンジンに代わって、必要にして十分な剛性を持った鉄フレームと、誰もがポテンシャルを活かしきって走ることのできるDOHCシングルエンジンを搭載したCBR250Rは、そんな志のもと開発が進められてきました。

世界中のあらゆるライダーをときめかせるデザインとは?

デザインを進めるにあたって、世界中のR&Dセンターでスケッチを描きました。そうすることによって、世界中の老若男女、あらゆるライダーにスーパースポーツの楽しさを感じてもらえる造形のヒントがあるのではないかと考えたのです。

スポーツバイク発祥の地でもあるヨーロッパでは、サーキットのイメージを前面に押し出した、ピュアな「これぞスーパースポーツ」といったスケッチができあがりました。狭い峠道などでは大排気量のモデルよりも軽快に走ることのできるCBR250Rのハードウェアを活かしたデザインだと言えるでしょう。

一方、これまでバイクといえばコミューターが中心であったアジアからの提案は、斬新さと、ある種の非日常性を持った、高級ツーリングスポーツを思わせるもの。こちらはスポーツバイクを持つこと、操ることへの憧れとよろこびが感じられるスケッチです。
国によってスタイリングは様々ではありましたが、絶対的なパフォーマンスの追求だけではない、「乗る人が格好良く見える」「持つことを誇れる」といった「スーパースポーツの楽しさ」を表現したスケッチは、実際のデザインを進め、バイクの性格を決めていく段階で、とても重要なものになりました。

世界各国のデザイナーたちが描いた、CBR250Rのイメージスケッチ

毎日でも走りを楽しみたくなるデザインをめざして

デザインのポイントは、スーパースポーツのデザインの大前提である「バイクでスポーツすることの楽しさ」を、誰もが直感的に感じられるようにすること。そして、様々な表情を見せ、いつまでも見飽きず、プライドを持って所有できる造形にするということです。
レーシングマシンのような、極端なクラウチングスタイルは、絶対的なコーナリング性能を向上させるには効果的ではあるものの、ライダーには腰を大きくかがめた乗車姿勢を強いることにもつながります。このCBR250Rでは、ライダーの上半身が前傾する、ネイキッドとは異なるスポーティなポジションとし、「積極的にバイクを支配するよろこび」と、バイクを操るライダーの姿を外から見たときの格好良さを追求。コンマ一秒を削り取るようなストイックさではなく、 欧米の大柄なライダーも、アジアの小柄なライダーも、あくまでも快適にスポーツライディングを楽しめる寸法を導き出して、かたちにしました。

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