CHAPTER 8

1本の線を入れる心意気

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磯野 汎用のデザイン室に入って知ったのは、形、色、ラベル、とすべてやらなきゃいけないことです。デザイナーには「形を決めるのがすごい得意」だとか「カラーリングなら任せてほしい」とかあるじゃないですか。由良さんはそういった向き不向きで、これまでに苦労されたことはありますか?
由良 それはもう、苦労ばっかりです(笑)。僕は、基本的なメインフォルムを決めるところにこだわります。でも、ディテールには気力と体力が付いていけなくて、ぞんざいになる。ましてや、最後のカラーリングとメカニックは「もう任せた」という感じ。僕は絵を描くところより、やっぱりクレイ

モデルの顔ができていくところを見ているのが、好きですね。
磯野 高校生だった由良さんの原点ですからね。僕は開発業務をしていると、どうしてもグラフィックが不得手なので頭打ちになるところが悩みです。
由良 ただ、造形は要ですから。特に粘土は大事ですよ。僕は今のCADでしか面をつくらない人、粘土を触ってこなかった人との会話が成り立たないときがあるんですね。もう、怒りたくなるぐらい「面 に対するこだわりがなくて、数字をポンと入れて出てきた形が最高だと思う節がある。