Sprit of Honda Design 2013 HondaDesignは「人間中心」その原点と今を見る

第43回 東京モーターショー 2013に出展した 新旧のHonda製品やコンセプトモデル。それらのデザインを対比させて見ながら 「人間中心」でつくり上げられる最新のHonda Designに込めた想いを紹介します。

Honda Designの原点と今を見る

二輪:スーパーカブ C100(1958年 発売)/Dunk
四輪:SROPTS 360(1962年 発表)/Honda S660 CONCEPT
汎用:耕うん機 F90(1966年発売)/小型耕うん機サ・ラ・ダ CG FFV300(2013年)

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二輪レーサー RC142とRCV1000R

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スーパーカブ C100とDunk

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  • スーパーカブは、まったく前例のないところからHondaが独自に生み出したパーソナルコミューターのマスターピースのひとつである。誕生以来50年以上、ほとんどカタチを変えることなく、地球上で一番多くの人たちに愛用され続けている唯一無二のエンジン付きの乗り物といえる。人ひとりが移動するために必要な要素を備えたシンプルなカタチの中に、驚くほど考え抜かれた人にとっての使い勝手のよさが詰め込まれている。
    ※撮影モデル: スーパーカブ C100 1960年式

  • Dunkは、マスターピースであるスーパーカブに込められた本田宗一郎の想いをそのままに、今の社会や時代の要請に応えたHonda パーソナルコミューターの新しいカタチの提案である。ヘッドライトやウインカーと一体となったフルカバードデザインをはじめ、全体としてスマートフォンのような雰囲気を演出し、現代のコミューターとしての親しみやすさを追求した。

  • 男女を問わずまたがりやすいバイクにしたいとの想いをカタチにするために50年以上前のスーパーカブが生み出したHonda独自のフレーム形状は、技術の進化によって、さらに乗り降りしやすいフラットフロアへと進化した。
    昨今は荷物をキャリアに括り付けず背負うスタイルを好むのに合わせ、Dunkではあえてキャリアを標準装備とせず、シートをリアエンドまで伸ばし、より快適な乗りやすさを優先している。

  • 「人」が気軽に乗れるようメカニズムを覆い隠し、雨風から乗る人を守るために創りだされたスーパーカブのフロントカバーは、今ではフルカバーへと進化している。そしてそのフルカバーは、シート下に広々としたラゲッジスペースを内包。
    スーパーカブが跨がりやすさのためにシート下へと移動させた燃料タンクスペースはフロア下へ移動し、ますますラゲッジスペースを拡大した。そしてハンドル下のスペースには、スマートフォンを充電できるソケットを備えた物入れをも設置している。

  • 今ではウインカーの装備は常識となっているが、スーパーカブは、当時法規上必要なかったにも関わらず乗る人の安全のためにウインカーランプを標準装備した。
    夜間走行の安全性を高めるテールランプを見比べると、かつての6Vフィラメント電球は、LEDに姿を変え、被視認性を飛躍的に高めているのがわかる。
    Dunkでは、制動時に光量を増すかつてのブレーキランプの光り方に加えて、テールランプとは別にもうひとつのブレーキランプが光る構成にしている。

  • メーターは、走行中に必要な情報をシンプルに表示する機能が求められる。速度を直感的に把握しやすいアナログな指針表示はそのままだが、メカニズムは、かつての前輪の回転数をギアとワイヤーで伝えて速度と距離として表示するものから、現在はセンサーとモーターを介して速度計の針を動かす電子的な機構に。そしてオドメーターは、走行距離だけでなく時計や燃料計も加えた液晶表示となっている。
    ※Dunkのメーターの画像はデモンストレーション動作途中の画像です

SPORTS 360とHonda S660 CONCEPT

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  • Hondaが発売した初の乗用車はS500というスポーツカーだった。その原形となったのが写真右のSPORTS 360(Sシリーズ生誕50年を記念し本田技術研究所が復刻)である。1962年10月の「第9回全国自動車ショー」にSPORTS 360が登場してから50年もの時を経て、Honda S660 CONCEPTがSPORTS 360とともに「第43回東京モーターショー」に登場した。共通して言えるのは、両車ともコンパクトなピュアオープンスポーツであることだ。

  • 「スポーツカーはかくあるべし」という想いを込め、当時の軽自動車クラスのなかでも飛びぬけた性能をめざして開発されたSPORTS 360。リアのオーバーハングを切り詰め、タイヤが四隅に配置され、しかもタイヤが大きく見えるスタンスのいいエクステリアデザインである。スペアタイヤを収納し、きちんとトランクスペースを確保した上でこのスタンスを実現するために、チェーンドライブという独自の駆動機構を生み出しデフの位置を前進させた。Honda S660 CONCEPTはミッドシップ・リアドライブであるがそのデザイン思想を継承し、四隅にタイヤを配したエクステリアとしている。スタンスの良さを追求し走りを予感させる新たなHonda Designである。

  • 「スポーツカーはかくあるべし」という想いを込め、当時の軽自動車クラスのなかでも飛びぬけた性能をめざして開発されたSPORTS 360。リアのオーバーハングを切り詰め、タイヤが四隅に配置され、しかもタイヤが大きく見えるスタンスのいいエクステリアデザインである。スペアタイヤを収納し、きちんとトランクスペースを確保した上でこのスタンスを実現するために、チェーンドライブという独自の駆動機構を生み出しデフの位置を前進させた。Honda S660 CONCEPTはミッドシップ・リアドライブであるがそのデザイン思想を継承し、四隅にタイヤを配したエクステリアとしている。スタンスの良さを追求し走りを予感させる新たなHonda Designである。

  • 無駄を排したボディワーク。よりコンパクトに、低く、空力的にも造形を研ぎ澄ます。後方のSPORTS 360はまさに無駄を削ぎ落としたタイトなボディ。Honda S660 CONCEPTは、フロントフェンダーからはじまるアッパーボディの抑揚に対し、絞り込まれたドア部分から張り出すリアフェンダー、ボンネット~ウインドシールド~リアセクションへと続くワンモーションフォルムなど、次世代スポーツを感じさせるデザイン要素に満ちている。フロント、リアとも真一文字に貫くLEDライトも印象的だ。

  • Honda Designの不変の思想、それは「人間中心」である。フロントエンジン・リアドライブとミッドエンジン・リアドライブと駆動方式の違いはあるが、両車ともドライバーを中心にデザインが考えられている。人を理想の位置に置き、快適な居住スペースを取り、使いやすい操作系を配置しながら、メカスペースをミニマムとし、さらに十分なユーティリティスペースも確保している。コンパクトボディでこれを実現するのは困難をきわめる。SPORTS 360とT360を生み出して以来Hondaは、この「人間中心」の開発に連綿と取り組み続け、シビック、アコード、プレリュード、NSX、フィット、N BOXなど数々の革新の四輪デザインを生み出しHonda S660 CONCEPTへと至っている。

  • 余計な加飾を施さない、シンプルなデザインでドライバーを中心に据えたコクピット。リアルウッドの細身のステアリングホイールは、しっかりした楕円小径のものへと姿を変え、精密機械のようなアナログ指針のメーターは、ドライバーへの的確な情報伝達を可能にする液晶表示の先進的なデザインへと進化した。いずれも、走りへの高揚感を高めるテイストに満ちたコクピットデザインである。Honda S660 CONCEPTは、ドライビングに集中できるようメーターや操作系などを最適に配置。大型のレブインジケーターも配置している。ここから見るとヘッドレスト後方のエアロバルジが存在感を主張し、クルマ全体でドライバーとの一体感を演出している。

耕うん機F90とサ・ラ・ダ CG FFV300

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  • 土を耕す道具のデザイン。耕うん機を見慣れている人は少ないだろうが、両機ともきわめて特殊なデザインである。機能だけを追求すれば、この2機は生まれてこなかったに違いない。世界に類のない空冷Vツイン 479ccディーゼルエンジンを搭載した1966年生まれの業務用F90と、気軽に使えるカセットガス燃料の空冷4ストローク単気筒OHV 57.3ccエンジンを搭載した2013年生まれの家庭用サ・ラ・ダCG FFV300。両機とも使いやすさだけでなく、所有することの喜びを徹底的に追求したデザインである。
    ※撮影モデル: 耕うん機 F90 1967年式

  • 2灯のヘッドライトにフロントグリル。まるでロボットを思わせるような造形は、この時代にあってデザイン的に抜きん出た存在だった。後方に人が乗ることができるトレーラーを装備した姿も壮観で、"耕耘機のロールスロイス"と言われた。ワックスでピカピカにして使う人がいたほど、所有する人が誇りを持てるデザインを実現したF90。何よりかっこいい耕耘機にしようというのが発端だった。移動スピードが速いことでもファンを獲得した。大型ライトを2灯にしたのは、夜間作業を可能にするため。

  • 2灯のヘッドライトにフロントグリル。まるでロボットを思わせるような造形は、この時代にあってデザイン的に抜きん出た存在だった。後方に人が乗ることができるトレーラーを装備した姿も壮観で、"耕耘機のロールスロイス"と言われた。ワックスでピカピカにして使う人がいたほど、所有する人が誇りを持てるデザインを実現したF90。何よりかっこいい耕耘機にしようというのが発端だった。移動スピードが速いことでもファンを獲得した。大型ライトを2灯にしたのは、夜間作業を可能にするため。

  • サ・ラ・ダCGは、ガーデニングや家庭菜園での使用を想定したモデルで、一般家庭用として普及しているカセットガスを燃料とし扱いやすさを追求した画期的な耕うん機である。「農機具=赤」とイメージを持つ人が少なくないなか、「作業機から誰もが簡単に扱えるガーデニングツールへ」というコンセプトのもとに、親しみやすい、ナチュラルな白を採用した。樹脂を使ったやわらかい造形、正面から見ると耕うん爪カバーがクルマのボンネットを思わせる。グラフィックもシンプルにHondaだけにとどめている。

  • F90はスチール製。しかもボディ全体にわたってかなり手の混んだ造形を実現している。サイドビューはまるでサメのように見える。ちょうど先端の銀色の部分の半円を描く突起が目のように見えないだろうか。優美な曲線に包まれた迫力あるスタイルと、力強いロータリー性能で好評だった。

  • F90とサ・ラ・ダCGとも、どの位置でも握りやすいループハンドルを採用。両機ともハンドル形状がよく似ており、こうして並べると40年以上も隔たりのある製品に見えない。またサ・ラ・ダCGは、エンジンを機体中央にレイアウトし、かつ低重心で取り回しの良さ、優れた直進性にも寄与させている。耕うん爪が前方にあるため足元も安心。あくまでも扱う人をまっすぐに見つめたデザインである。

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