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S660

きっと恥ずかしかったのだろう。
屋根をあけてやってきた。

花束はもう気づいてた。

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風を感じながら走る歓び

BEATは1991年に発売された世界初のミッドシップ・フルオープンモノコックボディの軽自動車です。デザイン開発は自ら手を挙げた平均28歳という若いメンバーで行われました。軽自動車カテゴリーで絶対的な速さはないがドライビングを楽しむためにはどうすればいいか、開発メンバーは多くのアイデアを検討しました。心地よいエンジンレスポンスとミッドシップのダイレクト感、ヒトとクルマが一体となれるハンドリング、低く据えられたしっかりと体をしっかりホールドするバケットシートが2つ。
そして開発メンバーがなにより大切にしたのは風と触れ合う感覚。オープン空間を風が気持ちよく流れるようにフロントウィンドウの傾斜角と曲率を検討し最適なバランスに。また包まれ感とすっきりとした広さとを感じられるインテリアでキャビンの開放的を演出しています。
すべては風を感じ、走りを楽しむためにBEATの小さなオープンボディに開発者たちのアイデアがぎゅっと詰め込まれています。

オープントップによる外界との一体感

S2000は95年の東京モーターショーに出品されたショーモデルSSM(スポーツカー・スタディー・モデル)のコンセプトを継承し、1999年に発売されました。発端は1人のデザイナーが自主研究で提案したスポーツカーでした。そのデザインがSSMへと進化し、量産のS2000へと繋がっていきました。
250馬力がもたらす運動性能もさることながら、開発チームが狙ったのはヒトとクルマの究極の一体感。ハンドリング、エンジンレスポンス、広い領域で味わえるドライビングプレジャーと併せて、走りを通じて外界と一つになれるというコンセプト。それを具現化するために、オープントップの採用は必然の選択でした。そしてもっとオープン走行を楽しんでもらうために、幌を開けて走る機会を増やすために、風洞実験や実車によるテスト走行によって最適なボディシェイプを追求。不快な風の巻き込みをおさえ、心地よい風の流れだけを楽しめるデザインを目指しました。
S2000は、オープントップによる外界との一体感を通じて、ドライバーに様々なことを語りかけてきます。

空と風を楽しむためのデザイン

S660のデザインについて、担当デザイナーの杉浦さんに想いを聞きました。

杉浦 良

2代目FIT、タイ向けのCITYなどコンパクトカーのエクステリアデザイン担当を経て、2011年東京モーターショー出展のEV-STER、その後のS660のエクステリアデザインのプロジェクトリーダー(以下PL)を担当。近年では2代目N-BOXのエクステリアデザインPLを担当。

夢はHondaでスポーツカーをデザインすることだった

Hondaとの出会いは、小学5年生のときにうちにファミリーカーとしてやってきたクイント インテグラです。一目見てそのかっこよさに正直しびれました(笑)。子供ながらにデザインから”若さ“のようなものを感じたのを覚えています。カーデザイナーになりたいと思ったのは幼稚園くらいのこと。テレビ番組でこういう職業があることを知り、絵を描くこともクルマも好きだったことから、大人になったらカーデザイナーになる、そしてスポーツカーのデザインをしたい、と思っていました。

S660のエクステリアデザインPLになったきっかけ

ところが入社して10年以上経ち仕事に打ちこむ日々が続くなかで、いつしかスポーツカーをデザインする夢は薄れていきました。今にして思えば、そのときの自分は、憧れだったカーデザイナーの職についたことで満足してしまっていた気がします。そんなある日のこと、直属の上司からコンパクトスポーツカー企画の存在を教えられ、そのデザインPLをやってみないか?と言われたときは、忘れかけていた夢を思い出した瞬間でもありました。

なぜ自分に声がかかったのかは未だにわかりません。しかしそのプロジェクトは、それまで経験したこともないほどの短期間でコンセプトモデルを完成させなければならず、そういった厳しい局面を乗り切れそうなタフさが買われたのかもしれません(笑)。

そしてこのコンセプトモデルは、2011年の東京モーターショーに出展する”EV-STER“へと進化。Hondaが久々に世に出したスポーツカーは、軽自動車に近いサイズやデザインが評判となり、後のS660へと発展していきました。

こだわりは数えきれず、一切妥協をしなかった

コンセプトモデル、ショーモデル、量産モデルと自分が一貫してデザインPLをできたことは、言い換えればコンセプトを具現化できたということ。周囲からはやりすぎとも言われました(笑)。例えばドアミラー、アウターハンドル、ステアリングなどはすべて専用設計。コストがかかるので通常の機種開発ではできない機構や構造も積極的に取り入れコンセプトを貫きました。

少しでもオープントップの爽快感を高めたいというこだわりから、ドライバーの視界を広げるためにフロントウィンドウ周りのパーツ類は極力コンパクトにデザインをしました。そのこだわりのひとつに、ドアミラーステーの薄さがあります。この薄さはミラー全体のデザインをシャープに引き立てているだけではありません。オープントップの開放感をより感じてもらうために、ドライバーの視界を遮らないギリギリの薄さまで追い込んでいます。またこの薄さは風にも関係しています。ステーを薄くすることで投影面積が小さく抑えられるため空力性能にも貢献しています。

一方、ロールバー中央のパワーリアウィンドウを開ければ、開放感を一層高め、またミッドシップらしいコックピット背後からのエンジン音も楽しめます。

S660とS2000の偶然

S660のフロントウィンドウ上端位置は、スタイリングは勿論のこと、視界や風の流れ、開放感のほか、安全性やロールトップの収納サイズに至るまで、様々な要件を考慮し決められています。
興味深いことに、このフロントウィンドウ上端とドライバー頭部の位置関係は、S2000のそれと偶然一致しました。我々がオープンカーに求める思想と感覚が、世代を超えても不変であることを感じたエピソードの一つです。

大切な人と、オープンカーでの思い出

随分前になりますが、妻と結婚前にオープンカーでドライブしたことがあります。兄から借りた小さなオープンカーでした。喜んでもらえると思ったのですが、彼女は「風で髪が乱れる」、「まわりの視線が恥ずかしい」という理由で幌を開けるのを嫌がられた記憶があります。市街地を抜けると少し慣れたのか、ガマンしてくれているのか、それ以上不満は言わなくなりました(笑)。
でも、そのときの思い出は、いまでも私たち二人を楽しませてくれます。

広い空を五感で感じる開放感。
風に触れながら走る非日常の感覚。
見慣れた景色も、S660で走ればきっと新鮮に見えるはず。
このクルマで忘れられない思い出ができたら、デザイナーとしてこの上ない喜びです。

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