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SuperCub 60th Anniversary

designers meeting

スーパーカブは2018年で生誕60周年。そのお祝いとしてつくられたアニバーサリーモデルは、1960年代のアメリカで一大ブームを巻き起こした「スーパーカブCA100」がモチーフになっています。開発に携わったバイクデザイナー5人の対話を通じ、アニバーサリーモデルに込めたHondaの想いをお届けします。

ナイセスト・ピープル・キャンペーンについての詳細は、nicest people campaignをご覧ください。

#01 新しい世界観を表現するカラーリング

60thアニバーサリーモデルはレトロモダンなカラーリングが印象的です。ビジネス用途でなく普段乗りたくなるデザインに感じられます。デザインされる中で意識した点をお聞かせください。

伊藤キーワードは“原点回帰”です。しかし1958年発売の初代モデルをモチーフにした記念モデルは過去にやりましたし、当時のダークブルーは現在も継承されて発売されています。そこで今回記念モデルのデザインを担当した私と藤嶽さんは、デザイン開発室の中でもカブ好きの意見を聞こうと鴫原さん、鈴木さん、濱田さんはじめ多くの人たちに声をかけ、アニバーサリーにふさわしい“カブのありたい姿”を議論しました。そこから、グローバル展開の原点としてアメリカ進出の際に初めて販売した「スーパーカブCA100」をイメージした新しい記念モデルをモチーフにすると決め、レッドとアイボリーのカラーコンビネーションで新しい世界観を導き出していきました。

藤嶽「スーパーカブCA100」は「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」によって、アメリカ人の暮らしに浸透していきました。ネガティブな印象が強かったバイクのイメージを払拭し、生活を楽しく便利にする乗り物としての地位を確立していきました。親しみやすさこそ、カブ本来のコンセプト。力を抜いた雰囲気があって、楽しさに満ち溢れたナイセスト・カブにしようと、カラーリングイメージには特にこだわりましたね。

鴫原伊藤さんと藤嶽さんが立案した「ナイセスト・ピープルCA100カラー」のコンセプトを聞き、“原点回帰”といえど、昔のカラーを再現した“レトロ”ではない方がいいだろうなと感じました。単に復刻するのでは、新しいユーザーに受け入れられないはず。日常に溶け込むさりげなさのある、新しい時代の“レトロ”を表現するべきだと考えたんです。

伊藤 守
スタイリングデザイナー

2017年モデルスーパーカブシリーズ および2018年スーパーカブ60thアニバーサリーモデルのデザインプロジェクトリーダーを務める。企画段階から量産まで、コミューターを中心にデザイン開発モデルを担当。国内・アジア・ブラジルなど多機種に及ぶ。
Forza250/Active/Dream110/Biz Cub/SH mode/CB Shine/Honet160など。

濱田“レトロ”になるとそれは飾りであって、実用品ではなくなります。アニバーサリーモデルであっても普段使いとして乗って、それぞれのライフスタイルの中で楽しんでもらいたいです。当時の「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」のもつコンセプトや意味に今でも共感できるし、今回の基本カラーが赤白系ベースで進められることにも同感できました。おそらくご年配の方々には復刻カラーが響くのかもしれませんが、視点の異なる若い方には昔のままでは価値が伝わらないとも思いました。

鈴木カブに対しては、新聞配達などの仕事のイメージを抱く人も多くいらっしゃると思いますが、ユーザーの中には、カスタムしてすごくクールに乗っている方もいます。巷にも、もちろんデザイン室にも、かわいい、かっこいい、現代的なカブのニーズの兆しがあり、バイクに興味のない人も振り向いてくれるような、思わず乗りたいって思ってもらえるような特別なカラーリングのアニバーサリーモデルを考えようとなったんです。

藤嶽 かなえ
スタイリングデザイナー

2017年モデルスーパーカブシリーズおよび2018年スーパーカブ60thアニバーサリーモデルのデザインを担当。今までに、主にライトモーターサイクルやコミューターのカラーリング提案とデザイン開発プロジェクトリーダーを務める。CRF250M.L.230L.150L/POP110/CG160/CB125など。

藤嶽「スーパーカブCA100」は赤×グレーでしたが、アニバーサリーモデルはマグナレッドと呼ぶ奥行きある赤と、ヴィンテージ感あるアイボリーが基調になっています。当時の姿そのままを当てはめても、いまの時代にはマッチしない。「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」のイラストを現代的に解釈し、「みんなに優しくてフレンドリーなスーパーカブ」というメッセージが伝わるカラーコンビネーションを考えていきました。

伊藤仕様は、2017年に発売した「スーパーカブ50/110」がベースです。サイドカバーには60周年記念エンブレム、メーターにはクロームメッキリング、フロントカバーにはクロームメッキエンブレムを設定。あくまで記念モデルとしての、さりげないプレミアム感をもたせました。

藤嶽キーも、ボディに使われている60周年記念エンブレムが施されたスペシャルなつくりです。小さな面積にANNIVERSARYなどのさらに小さい文字を入れるのは技術的に非常に大変でした(笑)。その甲斐あって、エンブレムの細かなデザインまでしっかり再現しています。

#02 カブが一緒なら、現代のライフスタイルはもっと楽しくなる

「アニバーサリーモデル」ですから、きらびやかな車体を想像していました。

鴫原確かに何十周年記念モデルというと、豪華にしたり、派手にしたりすることもあるんです。ピカピカなバイクも、アニバーサリーモデルとしては面白いかもしれません。だけど今回は「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」が提案した価値観を、レッドとアイボリーの新しいカラーコンビネーションとともに、お客様と改めて共有したかった。いろんな方々に楽しんでいただけるカブにしたかったんです。力を入れない感じ、日常に溶け込むさりげなさ。そここそが、新しさだと感じます。

鈴木スペシャル感が前面に出たバイクって、もったいなくて乗るのは気が引けます(笑)。バイクが主張するのではなく、あくまで自分のスタイルを表現するための道具がバイクなんです。

鴫原 崇
スタイリングデザイナー

新世代CBシリーズ/CB1000R デザインを担当。現在 コミューターモデル デザインプロジェクトリーダーとして開発に携わっている。2017年モデルスーパーカブシリーズのグッズ展開企画、60thアニバーサリーモデルプロジェクトには、カブ好きなワイガヤメンバーとして参画。

濱田コレクションとして眺めるだけのようなバイクを買うお客様は限られている。普段使いできるカラーとデザインであることは、ユーザー視点で捉えると重要なことなんです。

伊藤ナイセストのコンセプトにこだわったこのアニバーサリーモデルは、グッズ展開も視野にいれてデザインしています。ただ単に日常の足として楽しむのではなく、カブグッズで“楽しさを拡大させたい”という思いがありました。記念モデルとして主張しすぎることなく、自分のライフスタイルに溶け込むカブを提案したいという考えをカタチにしています。このグッズ展開については、藤嶽さんが中心となってリアキャリアに取り付けるソフトバックやナイセストTシャツなどのグッズ提案もやってきました。

濱田 季依
スタイリングデジタルモデラー

GOLDWING,ATV,CBR スタイリングデータを担当。その他レーサーの空力解析に携わる。60thアニバーサリーモデルプロジェクトには、カブ好きなワイガヤメンバーとして参画。

藤嶽カブの楽しいイメージを広く伝えるには、実用性とともに、ワクワク感の表現としてグッズもうまく使って、車体の魅力をより引き立てるアクセントにしたいと思っています。自分が本当に欲しいものを考えて、更に濱田さんとか鴫原さんのカブ好きにも“こんなの付けたらカッコいいんじゃない?”みたいなラフな会話からイメージの共有をはかってきました。たとえばアイテムの中には、リアキャリアに装着できるカブ専用のソフトバッグがあるんです。私はカブで買い物に行ったりしていますが、カブはリアキャリアにボックスケースを載せれば荷物が積めて便利なんですけど、女性の観点からするとケースは許せない。ね、濱田さん?(笑)

濱田はい(笑)。私はリトルカブに乗っていたんですけど、たとえ便利であったとしても既存のケースを付けることには正直抵抗がありました……。でも今回のアニバーサリーモデルの世界観を体現したソフトバッグがあれば、すぐに購入しちゃいます。バイクから降りても使えるバッグはとても良いと思います。そのほかにも付随するアイテムがたくさんあると、楽しみが広がりますよね。

鈴木検討段階のさまざまなグッズ案がデザイン室の壁一面に貼ってあるのを見たとき、ものすごくワクワクさせられました。

藤嶽できるだけファミリーで使えるグッズにしたいんです。たとえば、ナイセスト・ピープルの子ども用の可愛いTシャツがあれば、幼い頃からカブのことを知ってもらえて、大きくなったらカブに乗りたいって思ってくれるかもしれない。より多くの方々にカブの魅力を知ってもらいたいんですよ。

伊藤みなさんによりカブを愛していただけるように、「カブがあれば暮らしがもっと楽しくなる」といったトータルイメージでのライフスタイル提案をこれからもやっていく予定です。

鈴木 翔太
スタイリングデジタルモデラー

EV-Cubのスタイリングデータを担当。クロスオーバーモデルXR190L担当を機に、現在、北米オフロードモデルのスタイリングデータを担当。60thアニバーサリーモデルプロジェクトには、カブに興味をもつワイヤガメンバーとして参画。

#03 ”自分らしさ”を表現できる日常の相棒

伊藤また昔話になってしまいますがCA100がアメリカに渡って大成功を収め、そのCA100をベースに様々な派生モデルがつくられました。学生向けのスチューデントカブとかオフロードも走れるハンターカブなど、知らない人も多いと思いますが、そうやってアメリカ人の生活や趣味にまでカブは浸透していきました。

藤嶽当時のアメリカでやったことを今の日本でもやりたい。カブをもっと多くの人の生活や趣味に使ってもらいたい。そのためには自分たちがお客様視点で、自分たちが欲しいカブを思い描きました。

鈴木僕が欲しいと思ったのは、若い子向けのストリートや街中で自分を引き立ててくれるカブ。今のトレンドを取り入れて、落ち着いたカラーで足回りやエンジンパーツはブラックで締める。ベースをシンプルにしておけば、あとはステッカーとかで自分好みにアレンジしてもらえる。カブは仕事のバイクというイメージはありますが、オシャレのアイテムとしてのポテンシャルは高いと思います。

濱田以前私は真っ赤なリトルカブを買いました。14インチの小さなタイヤで可愛くって服にも合うし、カブに乗ることでそれまで以上に生活や趣味が楽しくなりました。カブに最初に乗ったときに感じた“自分の可能性が、世界が広がる”気持ち。そんな感覚を同年代の女の子にも感じてもらいたい。そんなカブが欲しいです。

鴫原私は自分のスタイルにぴったり合うカブを今ちょうど探しています。いままでツーリングは大型バイクで楽しんでいたんですけど、もう少しゆっくりしたスピードで景色を眺めてみたくなったんです。峠を越え、次の街に着いた時、走ってきた街並みや森の中が新鮮に映るのかなって。カブだからこそ感じられる、新しい世界があると思うんです。ライフスタイルを充実させる相棒として、カブはふさわしいんじゃないかなと。

伊藤60thアニバーサリーモデルを生み出すために、カブのもつ魅力や可能性なども含めて多くのアイデア展開をしました。

藤嶽採用されたのは一案ですが、他の多くのアイデアをボツにするのは惜しいです。ホンダ社内にはカブファンが多くいますのでみんなを味方にして次の新しいカブを提案し続けます(笑)

みなさんのような熱狂的なカブファンがチームとして集えて、デザイナーであり同時にお客様の視点にも立ち、自らも欲しいと思えるアニバーサリーモデルのためのアイデアを紡ぎ合えたなんて、素晴らしいプロジェクトですね。カブへの深い愛が、みなさんからひしひしと伝わってきます。

伊藤やはりホンダ社員にとって、思い入れは強いですよ。会社の未来に繋がるブランド商品であると信じています。

藤嶽60thアニバーサリーモデルは、カブの新しい世界観をつくりだし、カブの歴史の1ページを彩る車両に仕上がったと、スタッフのみんなが自負しています。車両のみならずライフスタイルまでの提案は今回が初めての試みですし。

鴫原「等身大のものを楽しむ」という、現代の価値観に合っていると思うんです。バイクに乗ったことがない方にも、カブで気持ちいい風を感じていただきたいですね。すごく自由な気持ちになれるので。

鈴木カブでバイクを知ってもらうのはいいですよね。みんなでツーリングとかも行きたいなぁ。

濱田ホンダの社員全員でツーリングに行けたら面白そうですね。カブの大行進みたいな感じで(笑)。

伊藤アニバーサリーイヤーとして、さまざまな展開を仕掛けていく予定です。カブファンの方も、これからファンになっていただく方も、ぜひ楽しみにしていてください。

※ 掲載している「NICEST PEOPLE」のイラストは、1963 年当時のアメリカでの広告を再現したものです。
バイクを運転する際は、正しい乗車方法で、運転に適した装備、服装で運転してください。

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