Me and Honda, Career Hondaの人=原動力を伝える

ITでプロダクト開発を!努力と行動力で本当にやりたいことを掴んだ彼女の歴史

2021年11月、スマホアプリ「RoadMovies+」をリリースしたHonda。リリースの背景には、ITを活用して製品開発に携わりたいと奮闘した社員の尽力がありました。ソフトウェアエンジニアとして国内外で経験を積み、IT領域の専門性をもってHondaに貢献してきた青木が、これまでの苦労や葛藤とともに、今後チャレンジしたいことを語ります。

青木 真紀子Makiko Aoki

モビリティサービス事業本部 コネクテッド事業統括部 コネクテッド戦略企画開発部 開発課

2008年Hondaに中途入社し、ソフトウェアエンジニアとしてIT戦略の策定やビジネスモデルの構築、社内システム開発に携わる。2021年より現在の所属。RoadMovies+開発プロジェクトにおいて、企画と開発を担当している。

9年振りのアプリ復活に大きく貢献したソフトウェアエンジニア

Hondaは2021年11月、手軽にショートムービーを作れるスマホアプリ「RoadMovies+(ロードムービーズプラス)*」をリリースしました。2012年に提供したアプリをリニューアルしたもので、移動を思い出に変えて移動の楽しさを感じてほしいという想いから再びリリースすることになったのです。

*RoadMovies+は、短い動画撮影と簡単操作で映画のようなショートムービーが作成できるスマホ用アプリ。Hondaが2012年にリリースし、490万ダウンロードを記録したアプリ「RoadMovies(ロードムービーズ)」を9年ぶりに進化させたものとなる。

開発経験のないメンバーを率いてプロジェクトを進め、RoadMovies+のリリースにつなげたのは、コネクテッド戦略企画開発部開発課に所属する青木です。青木はプロジェクトマネジメントを担当するソフトウェアエンジニアとして、限られた期間でアプリをリリースする役割を与えられました。

青木 「私は2021年3月に現部署に異動してきたのですが、部署内には同年10月までにアプリを作るというスケジュールだけが存在していました(笑)。そこからプロジェクトに入り、タスク整理と開発経験のないメンバーへの指導をしながら開発につなげたんです。

別の開発プロジェクトも進めながら、さらに、部門共通のシステム開発環境を立ち上げる仕事も並行して行っていました。RoadMovies+開発プロジェクトと、同時に任された他の2つのプロジェクトとの両立が課題でしたね」

青木は2008年にHondaへ中途入社して以来、いくつものシステム開発プロジェクトに携わってきました。これまで積み重ねてきた経験を活かし、RoadMovies+開発プロジェクトでは開発だけでなく、事業企画も担当したのです。

青木 「開発を担うだけでなく、事業策定にも入り込み、ロードマップをつくっています。コネクテッド事業統括部は事業と開発、ITを一本化した部門なので、やりたいと思えば全部できるんですよね。RoadMovies+に関する来期の事業についても、私が意思を入れています」

前作のアプリをリリースした2012年とは、スマホの使われ方もシステムも大きく変化しています。そこで、青木はユーザーがアプリを利用したログの分析を行い、よりお客様に喜ばれるアプリに育てようとしています。

青木 「RoadMovies+は、モビリティを持っていないお客様とのタッチポイントをつくるという目的で開発しました。ある程度ユーザーが集まってから事業化を計画しているので、2023年頃まではアプリのファンを増やす期間と考えています。

追加する機能をデータドリブンで決定するために、ユーザーの利用ログ分析を進めているんです。分析仕様を自分で作りますが、わからないことがある場合には、同部署の分析チームに助けてもらっています」

企画やITを活用した製品開発に携わるため、Hondaへ

▲MBAのFinal Presentation後、講師と(左)/友人とセーリングに行った際の1枚(右)

▲MBAのFinal Presentation後、講師と(上)/友人とセーリングに行った際の1枚(下)

青木は豊富な海外経験を活かし、Hondaに転職してからも得意の英語を活用して働いています。

青木 「Hondaに入ってから、海外に対するグローバルなIT戦略を策定した経験があります。また、コネクテッド戦略企画開発部に異動してからも、ケニアのディーラーと仕事をしました。これまで力を入れて勉強してきた英語は活かせていますね」

青木はもともと海外志向が強く、大学時代から海外経験を積み重ねてきました。

青木 「私はこれまでに合計3回、留学をしています。まず、大学生時代にアイルランドに留学しました。次に海外留学制度のある会社に入社してソフトウェアエンジニアの仕事をしながら、短期でアメリカに留学をしたんです。その後、きちんと大学院で勉強したいと思い、MBA留学をしました」

海外で働きたいという想いが強かったことから、MBA留学中に会社を退職し、オーストラリアで2年間働いた青木。念願叶って海外で仕事をしましたが、徐々に「さらに先進的な現場で働きたい」という考えを強くしていったのです。

青木 「オーストラリアで働いていたとき、ソフトウェアエンジニアの自分にはプロジェクトの上流工程にはなかなか携われませんでした。また、システム開発をするのに納期を決めない文化があり、物足りなさを感じました。自分のスキルを発揮して職場で重宝はされるけれど、よりハードな環境の中で成長したいと感じるようになりました。

開発ペースが早く求められるレベルが高い現場で上流の企画をできるポジションで働きたいと考え、日本で転職先を探すことにしたんです。そして、自動車業界で最先端を走っているHondaで製品開発に関わりたいと思い、転職を決めました」

Hondaに転職してから、IT本部でシステム構築を担っていた青木。これまでの経験を活かして活躍していましたが、入社から13年経った頃、まだまだ自分のやりたいことを実現しきれていないのではと感じ、チャレンジ公募制度(社内異動公募制度)を利用することにしました。

青木 「IT本部は、事業部のニーズに応じたシステムを作る間接部門です。やりがいもありましたが、転職を志した時の目標だった製品作りに携われていないと、自分のキャリアを振り返ってみて気づきました。そこで、プロダクトを直接自分で作ることのできる部門にチャレンジしようと考えたんです。異動後、RoadMovies+開発プロジェクトにアサインされるに至りました」

IT分野のニーズが高まる時代の流れも味方して、青木は現在、自身のITスキルを活用して製品を作ることができています。

青木 「かつて自動車業界におけるITは間接部門の仕事で、事業のコアな部分に携わることはできませんでした。製品を作りたいと思っても、ITでは不可能だなと、自分でどこか割り切ってしまっていた部分もあるかもしれません。

しかし、近年ではITでクルマを作る世界に変わってきました。IT人材が重宝される時代になり、Hondaの製品作りに携わることができる機会が増えてきたのは嬉しいことですね」

自信が持てなかった時代を経て、周囲を巻き込む開発で認められる

ITを活用したクルマが当たり前になり、モビリティの常識が大きく変化してきた昨今。現在はやりたいことを実現できている青木ですが、Honda入社後は何年も苦しい時代が続いたと振り返ります。

青木 「周りのメンバーは優秀な方が多く、前職にいた時と比べて自分に自信を持てない日々が続きました。しかし、大企業では通用せずに辞めたと思われるのが嫌だったので、意地で働き続けていましたね。

人材の層が厚いからこそ、信頼を得て認められるまでに時間がかかりました」

また、Hondaで働きを認められるためには、仕事の進め方が大切だと青木は考えています。

青木 「たとえば、全社員がタブレット端末を持つという改革をすることになったとして、小規模な会社では1日でできるとすごいと言われます。一方、Hondaでは無理矢理1日で進めること自体を良しとはしません。

これまでの歴史や実行が難しい理由などを知るためさまざまな人から話を聞いて、企画書を作り、すり合わせをしながら実行に進みます。スピード感を持ちつつも、皆を巻き込みながら仕事を進めるから、Hondaが重視している皆でのモノづくりやコトづくりが実現できるんだと思います」

青木はRoadMovies+を社内外から認められるプロダクトにするため、仕事の進め方を工夫しました。

青木 「アプリをリリースしたのは2021年11月ですが、8月に社内向けに先行公開し、トライアルのユーザーを募ってログを収集して分析、ローンチまでに改善をしました。また、ユーザーアンケートも行い、『データ分析の結果からこのように改善し、事業化する価値があると考えるのでローンチさせて下さい』と社内に伝えた結果、皆が納得してくれたんです。周囲を巻き込んだ開発を進めたのが功を奏したのかもしれませんね」

RoadMovies+はApp Storeにレビューが届き、その返信を青木のチームが担当しているので、お客様の声がダイレクトに届きます。お客様向けの製品を開発したことを日々実感できているのもモチベ―ションにつながっています。

スキルを活かして海外でプロダクト開発がしたい

RoadMovies+の開発チームをマネジメントする青木が心がけているのは、自分自身が行動することです。

青木 「マネジメントをする立場の場合、自分が必ずしも手を動かさなくてもいいのですが、私はまず自分自身がやることが大切だと思っています。メンバーに全部任せるのではなく、自分の背中を見せることを大切にしています。

当部署で企画をし、リリースまで漕ぎつけたアプリは、RoadMovies+がはじめてです。だからこそいろいろな可能性を秘めていると思うので、データ分析をしながらどの軸でアプリを成長させていくかを楽しみながら考えています」

コネクテッドの部署で働くことで、青木は新しい知識とHondaで積んだ経験の両方を武器にできていると感じています。

青木 「当部署は中途採用の割合が多く、さまざまなバックグラウンドや専門性を持った方がたくさんいます。そのため、これまで培った知識に頼り、Hondaで積み上げてきた経験にこだわっていると置いていかれそうになることもあるので、常に気を引き締めなければと感じていますね」

学生時代から英語を学び、現在も学び続けることでTOEIC990点を取得した青木。グローバルビジネスだけにこだわりすぎないようにしつつも、いずれは自らのスキルを活かして海外市場で再度チャレンジしたいという想いを持っています。

青木 「“海外で働くこと”そのものを重視するのではなく、これから実現したいと考えているプロダクト開発や事業の場が海外になれば理想的だなと思っています。

スマホアプリ単体で利益を生むことは、日本国内だけではなかなか難しい部分があります。これまでの開発実績を活かして、今後はグローバルの事業や開発プロジェクトでより可能性を広げたいと考えています」

行動力を持って自身の能力を伸ばし、活かし、ソフトウェアエンジニアの道を歩んできた青木。

今後も新たなチャレンジを続けながら、ITを活用したプロダクト開発でHondaのコトづくりに貢献します。

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