Me and Honda, Career Hondaの人=原動力を伝える

Hondaの変革を支える──フルハイブリッド車のバッテリー開発に取り組むエンジニアの挑戦

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自動車の電動化が進む昨今、Hondaでも電気自動車(EV)やフルハイブリッド車(FHEV)の開発に力を注いでいます。車載バッテリーの開発に携わる松澤は、中途入社したからこそわかるHondaの魅力を日々感じながら働くエンジニアです。チームを牽引するポジションでどのように仕事を進めているのか松澤が語ります。

松澤 豊Yutaka Matsuzawa

四輪事業本部 ものづくりセンターパワーユニット開発統括部 パワーユニット開発二部 エネルギーソース開発課

2009年Hondaに中途入社し、ハイブリッド用バッテリーのセルとモジュールの開発を担当。2020年より車載バッテリー開発テーマのLPL(開発責任者)*を務める。

*Large Project Leaderの略

フルハイブリッド車のバッテリー開発を担い、Hondaの変革を支えるエンジニア

従来のガソリンを燃料としたエンジンを動力源とする自動車から、バッテリーを動力源とする電気自動車(以下EV)に転換する流れは、近年加速しています。

Hondaも2040年には世界での自動車販売のすべてをEV化すると宣言していますが、今までのガソリン車すべてを今すぐEVにできるわけではありません。そこでHondaでは、ガソリン車を段階的にフルハイブリッド車(以下FHEV)に置き換えていくこととしています。

四輪開発現場にあるエネルギーソース開発課に所属する松澤は、FHEV用のバッテリーセルとモジュールの開発を担当しているエンジニアです。

松澤 「日本を含め世界各国でこれからFHEVが増えていくため、現在のFHEVバッテリーの供給数では足りません。そこで、Hondaの求めるFHEVバッテリーを作りましょうというテーマのもと、新しいサプライヤーさんとともに開発をはじめました」

Hondaではお客様の好みや用途に合わせたさまざまなクルマがラインアップされていますが、今後FHEVが主流となります。そのため、どのクルマにも対応できるバッテリーを開発しなければなりません。

今後ますます加速する供給スピードに合わせてできるだけ早く市場へ投入するには、従来に比べて短期間でのバッテリー開発が求められます。

松澤 「EVは高容量型ですがFHEVは高出力型と言われていて、特にHondaのFHEVはバッテリーへの負荷が高いです。高性能かつ高耐久が求められ、さらに低コストを両立させるとなると、技術的には難易度が高いですね。

FHEVは、バッテリーだけを動力源とするのではなく、エンジンでも走行することができます。そのため、バッテリーはそれほど高容量が求められませんが、車両の動力性能を確保するための最低限の出力は必要です。

現在取引している複数のサプライヤーのバッテリーでFHEVのラインアップすべてをまかなうためには、どのバッテリーをどの車両に乗せても車両要求値を達成できるバッテリー性能が求められます」

現在のFHEV用バッテリーセルとモジュールの開発段階は、基本的な性能や仕様、材料を決めるフェーズにあります。2022年度からは、実際にバッテリーを車に搭載していくフェーズに移る予定です。性能を保証できる範囲をサプライヤーさんと作り込み、製品の取扱説明書のように細かい仕様を決めていくことになります。

スピード感のある開発のうえで重要なのは、部門の垣根を越えた横のつながり

松澤は2020年から、車載バッテリー開発テーマのLPLを務めています。LPLとは開発責任者のことで、研究テーマを率いるリーダーとして動く役割です。

松澤 「LPLを務めるのは初めての経験なので、とても大変です。私はもともと、性能系を中心に技術を見る立場でした。現在は契約や開発形態もこれまでとは違うケースがあるので、プロジェクト全体の流れから技術までを幅広く見なければなりません。今までよりも責任範囲が広がった分、苦労はありますね」

これまで技術メインで開発に携わっていた松澤ですが、LPLになってからはサプライヤーとの契約内容の方針決定なども自ら行っています。

松澤 「契約の種類もいくつかあるので、どの契約が最も適切なのかを考えなければなりません。また、『Hondaとしてはこうしたいけれど、サプライヤーさんはこうしたい』というお互いの意向を把握し、議論しながら落としどころを決めていく必要があります。細かい契約内容については専門の部署が動いてくれますが、私自身も契約について把握してとりまとめています」

契約に限らず、資材部門や調達部門などのさまざまな部署と情報共有や打ち合わせをして研究テーマを進めている松澤。LPLを務める前から、部門間のつながりを意識しながら最適化する仕事の進め方を大切にしていました。

松澤 「バッテリーは作って終わりではなく、製作部門でクルマに組んで輸送し、サービス部門などいろいろなところを渡っていくことになります。自分が関わった業務のなかでバッテリーに対する自部門と他部門の技術連携に無理や無駄があり、それが他部門で困りごとになっていることを知ったので技術連携の適正化をすることにしました。2015年から2〜3年ほど他部門との業務連携の適正化を推進したことで、部門の垣根を越えたつながりが生まれましたね。

プロジェクトを短期間で迅速に完了させるためには、少し先を見据えた開発をしなければなりません。そのなかで、早めに動いて進めていくためには横の連携が重要になります。自部門だけで解決が難しく、他部門にも協力してもらって素早く動いていく場面で、部門間の横の連携が役に立ちました」

部門間のつながりを強化することは、松澤が自らやりたいと提案し行動したものでした。

松澤 「Hondaは一人ひとりが高い技術力を持っていますが、それゆえに全体最適になっていないこともあります。最高なものと最高なものが足されたときに、必ずしも最高なものを生み出せるとは限りません。それぞれの技術を活かすためには、きちんと部門間で連携してwin-winになることをやらなくてはいけないと考えていたんです。

私と後輩、あとは他部門から2〜3人入ってもらい6人くらいのメンバーでワーキンググループを組み、部門間の連携を強めていったんです。今でもその当時のメンバーと技術の話をすることがあります。関係部門の方々にも助けてもらったので、つながりの大切さを感じましたね」

技術を継承していくことで生まれる、新たな挑戦とバリュー

松澤がHonda社員の技術力の高さを評価する一方で、横の連携をさらに深めたいという想いの背景にあるのは、前職での経験です。松澤はHondaに入社する前、蓄電デバイスの研究開発をする会社で材料の研究をしていました。

松澤 「私は、大学でキャパシタと呼ばれるデバイスの研究をしていたんです。キャパシタは急速に充放電できる蓄電装置で、アルカリ電池やリチウムイオン電池に比べて劣化しにくいという特徴があります。そして2000年頃、Hondaがキャパシタを燃料電池車に搭載したというニュースが話題になりました。

そこでHondaに興味を持ったんですが、今自分がHondaに入社しても大学レベルの知識では即戦力になれないと考えたんです。できれば量産も含めてもっとキャパシタについて学びたいと考え、一度キャパシタを取り扱うメーカーに入社しようと決めました」

高校生の頃に兄がHonda車に乗っていたことも、Hondaに好印象を持つきっかけとなっていた松澤。人の役に立つものづくりがしたいと考え、高校生の頃に文系から理系に専門を切り替えて学び直した経験があります。

松澤 「将来ものづくりや人助けをしたいと考えたとき、自分の興味のある職業がすべて理系だったんです。そのため高校1年生までは文系でしたが、途中で理系に切り替えました。目標に向かうとエネルギーが出てくるタイプなので、理系科目の参考書をたくさん解いて4カ月ほどで無事理系に切り替えられましたね」

結果的には、クルマへのキャパシタはあまり適用されず主流とはならなかったものの、Hondaへの憧れを抱き続けていたため、転職することにした松澤。他社を経験したからこそ、Hondaの強みを活かしながら、さらなる高みを目指していきたいと思っています。

松澤 「Hondaの素晴らしいところは、一人ひとりが技術者としてモチベーション高く業務を進めていくところ。一人ひとりが持つ力を最大化し、より高いバリューを出すために成果や検討結果を残すなど、しっかりと技術継承ができる仕組みを作れたらいいなと思います。

我々が先に検討して残したものを、あとの人に引き継ぐことができれば効率的です。それによって私たちが100%の力でやったところを次の人が70%くらいの力で取り組むことができるようになれば、残りの30%で新しい挑戦ができます。そのように挑戦を繰り返す環境をさらに整えて、各々の知見を増やしていきたいですね」

一つひとつ、着実に。連携しながら無駄なく仕事を進めて成果を出す

電動化の中心機能である車載バッテリー開発を担うエネルギーソース開発課では、短期間でやらなくてはいけないことが多く、効率的な仕事の進め方が求められると松澤は感じています。

松澤 「やらなければならないことが短期間に詰まっているので、後から問題が見つかって前の工程に戻ってしまうと時間がかかってしまい、スケジュールに遅れが出てしまいます。そのため、最初の段階でやるべきことを明確にしてゴールを定め、そこから逆算していつから何をやらなければならないかを、今までの経験を踏まえて考えるようにしていますね。

これまでクルマと直結する部品の開発に携わってきたことで、一つひとつを着実にクリアする経験は積み重ねてきたと思います」

他部署と連携を取りながら、無駄がないように開発を進める。それが求められるエネルギーソース開発課で一緒に働く仲間は、コミュニケーション力があり主体的に動ける人であってほしいと松澤は考えています。

松澤 「自部門とも他部門とも連携しなければならないので、コミュニケーション能力が必要です。自分だけ良ければいいと考えるのではなく、相手のことを配慮して関わることができる人と一緒に働きたいですね。

また、物事に対して指示待ちになるのではなく、『こうしていきたい』、『こう考えている』など自ら課題解決のため動こうという意思のある提案できる人が向いていると思います。前向きな意思を持っている人には周りも協力したくなりますし、考えるからこそ新しい解決策も浮かんできます。

Hondaの新卒採用のスローガンとして『どうなるかじゃない、どうするかだ』という言葉がありますが、学生の方と話すときもこれは伝えていますね。そして学生に伝える以上、自分も心がけています」

松澤は、自身が中途入社したからこそ他社と比較したHondaの良い面も改善点も見えており、そのうえでHondaが魅力的な会社だと感じています。

松澤 「私は実際に働くなかでは技術力、働く環境、共に働く仲間、福利厚生など多くのポジティブな面を実感しています。成果を厳しく求められますが、成長につながる環境で業務に携われるのはいいことだと思うので、気になる方にはぜひ飛び込んでいただきたいです。

バッテリー輸送適正化のワーキンググループを立ち上げた当初、プロジェクトの予算はゼロでした。しかし、海外でデータ確認をする必要性が発生したのです。そこで、横のつながりを活かして現地責任者へのプレゼンを行い納得してもらい、海外への出張費から滞在費まですべてを捻出することができ、成果に結びつけることができました。

このように、やる気があればいろいろとチャレンジさせてもらえますし、周りの人がチャレンジに対して協力的なところも含めて、Hondaは良い会社だと思います」

スピード感が求められる開発だからこそ、横のつながりを大切にしながら連携して仕事を進める。主体的に頑張っていれば、皆が協力してくれる。

松澤はそんなHondaで働くことに誇りを持ちながら、LPLとしてチームを引っ張っていきます。

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