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120%の良品をお客様に届ける!――完成車検査に携わる社員の原動力

Honda鈴鹿製作所の完成車保証部完成車品質モジュールに所属する久永 継義は、入社以来完成車検査に携わっています。工場の生産ラインの最終工程である完成車検査は、確かな品質の製品をお客様にお届けするための最後の砦のような存在です。大きな責任を背負いながら日々の業務に向き合う久永がHondaへの転職を決意した経緯、そして現在の仕事の醍醐味を語ります。

久永 継義Hideaki Hisanaga

四輪事業本部 生産統括部 鈴鹿製作所 完成車保証部完成車品質モジュール

2019年中途入社。入社以来、鈴鹿製作所 完成車品質モジュールで完成車検査を担当する。完成検査には全数検査*1と抽出検査*2があり久永は抽出検査で排ガス検査に携わり、量産抜き取りと新機種の排ガス検査を実施している。


*1全数検査:対象となる製品をすべてもれなく検査すること
*2抽出検査:対象となる製品すべてから一部を抜き取って検査すること

文系から技術系への転換

Honda鈴鹿製作所では、車体のプレス加工から完成車の組み立てまでの工程を一貫して行っています。数々の工程を通って完成した自動車は、品質に問題がないかどうか出荷前に念入りに検査されます。車の出荷のための最後の砦である完成車検査と呼ばれる工程を担っているのが、完成車品質モジュールなのです。

久永は、完成車品質モジュールのなかでも抽出検査ユニットに所属しています。

久永 「私は2019年12月に中途で入社して以来、排ガス検査を担当しています。主な業務は、量産抜き取りからの排ガス検査や、燃費が基準を満たしているかの検査などですね。加えて、新開発における車両のデータ取得などもしています」

現在は技術者として働く久永ですが、大学時代は文系の学問を学んでいました。在学中に将来について考えた時、父の影響で昔から車に興味があったことを思い出し、卒業後は自動車に携わりながら技術者として自分自身の腕を磨くことができる会社に就職することにしたのです。

前職では技術者として、派遣先のメーカーでエンジンの分解や組み立てといった開発関連の業務をしたり、排気系量産部品の性能評価、新規開発部品の評価をしたりしていました。

久永 「入社前に本を読んで知識をつけていましたが、本で部品として載っていたものでも仕事のなかで実物を見ると、見え方が違いましたね。就職してから知らないことがたくさん出てきたので、先輩に聞きながら知識を身に付けていきました。

まったく知らない世界でイチから知識を吸収し、自分のものにしていくことはとても楽しかったです。学んだことが業務のなかで結果に繋がった時は達成感を味わうことが出来ました。すぐに結果に表れない場合は、その理由を考えて試行錯誤していましたが、今振り返るとその過程も充実していましたね」

面談を通じて感じたHondaの風土に惹かれて入社

仕事に新鮮さや面白さを感じながら働いていた久永ですが、3年ほど勤めた頃に新たなフィールドでチャレンジをしてみたいと感じ、転職を考えるようになりました。

久永は、ちょうど検査業務に携わる人材を募集していたHondaへの転職を志して入社することになりました。久永が転職先にHondaを選んだのは、「120%の良品」を世界へ送り出すという会社の姿勢に魅力を感じたからです。

久永 「検査をすると、どうしても試験結果にばらつきが出てしまうんですよね。その際にどこの値を取るかは非常に難しい点で、前職の業務のなかでも悩んでいました。

そんな折に、Hondaのホームページやインターネット上の記事で「120%の良品を目指せ」という言葉を目にし、Hondaの品質に対する考え方に惹かれ、中途採用に応募しました。

面接では社員とのディスカッションを通じて、『Hondaにはダメなものはダメと言える雰囲気がある』と感じ、その風土が120%を目指すところに繋がるんだと思いました。

また、私が応募した完成車品質モジュールは完成車検査の全工程に携わることができる部署だったんです。わからない箇所があれば直接聞くこともできますし、きちんと目的意識と責任感を持って仕事ができそうだと感じ、転職を決めました」

自ら手を挙げて挑戦した経験を振り返る

鈴鹿製作所の完成車保証部完成車品質モジュールに中途入社で配属されたのは、久永がはじめてでした。そのため周りの社員も最初は指導に戸惑ったようでしたが、丁寧に教えてもらうことができ、久永はどんどん仕事に関わる知識を吸収していったのです。

久永 「私はHondaに入社するまでエンジン単体の試験評価をしていたので、車になった状態での評価はしてこなかったんです。車全体としての評価となると、知らないことはたくさんありました。そのため苦労しましたが、先輩に聞けば優しく教えてもらえたのでついていくことができました」

久永が入社前にイメージしていたとおり、Hondaでは一人ひとりが当事者意識を持って仕事をしていました。

久永 「検査結果が出た際に、ダメなものは弾くし、おかしなデータが出ればみんなでその理由を追求しています。入社してから特に感じたHondaの魅力は、技術面よりもむしろ仕事や品質に対する誠実な姿勢でした。

完成車検査は、車がきちんと出荷できる状態になっているか資格を持った検査員が厳しく確認するものです。国の代行として法を遵守することに加え、工場の最終品質部門として品質保証を担うため責任は重いですが、その分やりがいもありますね」

Hondaに入社してから最も大変だった仕事として、久永はラボコリ(Labo correlation)の経験を振り返ります。ラボコリは「国内四輪車排出ガス試験室クロスチェック」という正式名称で、Hondaの排出ガス試験室の管理規定に基づいて実施する試験のことです。1台の車で日本にあるHondaの試験室を回りながら試験を行い、排ガスや燃費の検査性能に試験室ごとの差がないかどうかのチェックを行います。久永は、鈴鹿製作所完成車品質モジュールのラボコリを担当することになったのです。

ラボコリを実施する際、久永は検査員歴半年程度でわからないこともたくさんありました。しかし、この経験を通じて新たに覚えられること、学べることがあるはずだと思い、自ら手を挙げてラボコリに携わることになったのです。

久永 「1台の車を同じ試験室で複数回検査するという進め方は、普段の量産車の検査とは異なるものでした。また、乗る人によって検査結果に差も出てくるので、ラボコリでは乗る人を固定します。通常業務との違いが多かったので、とても印象に残っていますね。

担当したラボコリから、新たな測定内容が追加されたこともあり、関係者と測定の条件の擦り合わせをしたり、普段使用することがない計測機器を使用したりしたため勉強になることが多かったです。

印象に残っているのは、想定と異なる結果が出た時に、鈴鹿製作所内の別部門である製品技術課に相談したりして、自分の目で現場を確認し、測定条件との違いを探したことです。その結果、試験設定が異なっていたことが判明し、再度試験を行い、無事に試験を完了することができました。

ラボコリの業務は、一般的にはベテランの方や経験のある方が行う業務ですが、Hondaでは経験の浅い自分でも『チャレンジしたい』と手を挙げればやらせてもらえました。失敗もしましたが、先輩方にフォローしてもらいながら進められました」

ラボコリへの挑戦を通して自身の知識や経験の不足を痛感した久永は、それまで以上に知識の習得に注力するようになりました。

久永 「気づきや失敗した経験を通じて、もっと検査機器について詳しくならなければいけないと思いましたね。当時は決められた作業はできても、まだ機器に使われている感じが強かったのです。ラボコリは通常業務と違う作業なので、慣れていくことはもちろん、自分なりの工夫をしていかないと難しいと感じました。

それから機器をよく触り、改良できるものは新しく作ったこともあります。今も検査機器を完全に使いこなせているとは言えませんが、以前よりは使えるようになってきましたね」

「当たり前のことを当たり前に」仕事自体を楽しむ

完成車品質モジュールの仕事の魅力は、完成車検査の全工程に関わることができることです。エンジン単体や一部のパーツではなく組み上げた車全体を評価するため、車に関わる全工程を知らなければいけません。そんな完成車品質モジュールの仕事で求められるのは、「当たり前のことを当たり前にできる」ことだと久永は考えています。

久永 「絶対に手抜きができない仕事なので、間違っていることを間違っていると言える、真面目に真摯にやる、決められた作業を手順どおりに行うといった当たり前のことができる人に向いていると思います。成果が目に見えるわけではないので、精神力も必要ですね」

精神力が必要な仕事では、モチベーション維持が重要です。しかし、久永は仕事自体を楽しんでいるので、モチベーション維持を心がけなくても苦にならず仕事ができているといいます。

久永 「車という商品が形になるところを見られることは完成車検査に携わる醍醐味だと感じているので、いつもモチベーションを保ちながら仕事をすることができています」

一方で、完成車の検査をするという性質上、久永の部署はお客様から直接評価をされる機会はなかなかありません。工場から不具合のある製品を市場へ流出しなければ良い仕事をしたことになります。不具合のある製品を市場へ出さないことによってお客様に価値提供できていると感じる一方、久永はもう少し部署の活動が日の目を見るようになればいいと考えています。

久永 「責任の重さや業務のハードさの割に、スポットライトが当たりにくい部署だと感じています。研究職や営業と違って成果が目に見えるわけではないので、もっと完成車品質モジュールの仕事を知ってもらう機会を作りたいですね。今後入社する方や同じHondaで働く仲間に向けて、情報発信をしていければと思います」

現在は特に燃費や排ガスに関する知識を身につけようとしている久永ですが、今後の目標としては、完成車品質モジュール全体を見られるようになりたいと考えています。

久永 「ゆくゆくは、完成車品質モジュール全体に携わることを目標にしていますね。

そのためにも、まずは抽出検査においてまだ経験していない諸元測定*の検査員になり、その後、全数検査を覚えていきたいと考えています。それは、排ガス検査が、これから電動化の流れによってなくなっていく仕事であると考えているからです。
Hondaでは、『2050年にHondaの関わる全ての製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラルの実現』を目指しており、2040年には先進国全体でのEV、FCVの販売比率をグローバルで100%にすることを目標として掲げています。
変化に対応していくためにも、排ガス測定という一つの分野に拘らず、より広い領域で活躍できるようになりたいと考えています」

*カタログ等に記載される性能諸元(騒音)・寸法諸元(寸法・重量)の項目に対して量産車を抜き取り、測定し検査する。

Hondaがお客様に確かな品質の製品をお届けできるかどうかは、最終確認を担う完成車品質モジュールにかかっていると言っても過言ではありません。大きな責任を背負いながら、久永をはじめとするメンバーたちは、日々技術の向上を図り、実直にそして真摯に自分たちの仕事と向き合い続けています。

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