NSXのオーナーのみなさまに、せっかくHondaが開催するのだから、普段は入れない場所での試乗を体験してもらおうといろいろと企画しました。モデルチェンジがあるたびに、栃木のテストコースで試乗していただいたり、あるときはオーバルコースも走っていただき、たくさんの成約につながったこともあります。
そのときから、いつかは鷹栖に行きたいねと、オーナーのみなさんと語り合っていたことを覚えています。
それで、何とかみなさんを鷹栖へお連れしたいとの想いで、調整を続けて3年かかりました。ようやく混んでいるテストを上原さんとともに調整し、日曜日ですから要員の確保も行いました。食事も北海道ですからおいしいものを用意したい。
そうした調整を行いおそらくは、最初で最後になるであろう鷹栖でのミーティングが実現したのです。
特別講師も、黒澤さん、清水さん、佐藤久実さんらをお連れして、47台のNSXと61名の方々が参加され、みなさんもう興奮状態でしたね。120%楽しんでいただけたようで、開催するまでに苦労はありましたが、本当によかったと思っています。
オーナーのみなさんから「鷹栖はよかったですよ、もう一度やってください」なんて伺うとうれしい限りです。
20周年のNSX fiestaにたくさんの方が参加していただけたことも、長年の取り組みがあったからだと思います。そのときどきで、ベストを尽くすことは重要ですね。ベストを尽くすこちらの姿勢が、お客様に伝わり、ファンになっていただけるとあらためて感じました。(稲田博保)
1999年にNSXは、全モデルのエンジンを先進の環境対応型に進化。また、MTの5-6速にもダブルコーンシンクロを採用したり、ATのシフトマネジメントの熟成、ABSやDBWの熟成など、しっかりとした時代進化を施している。
翌2000年には、平成12年排出ガス規制値の50%以下のレベルを達成したクルマだけに与えられる「優-低排出ガス車」の認定を受けた。Honda最大排気量のスーパースポーツでこの認定をいち早く受けた意味は大きい。この件に関し、世界はおそらく舌を巻かざるを得ないだろう。
そして、2001年。NSXは、10年間継承してきたエクステリアデザインをついに変革する。その目的は、エクステリアに新たな魅力をもたらすとともに、空力性能を向上させることだ。具体的には、フロントバンパーのサイド部を左右に広げ、前輪ホイール内に巻き込まれる空気の流れを減少させるなどドラッグを低減。ヘッドライトも固定式とすることで、ライト点灯時と消灯時の空力変化をなくしている。
あわせて、タイヤサイズを前後17インチとするとともに、軽量なアルミ鍛造ホイールを標準装備することで、コーナリング時の安定性、ハンドリングのよさを高めている。誕生後10年を経て、また新たなNSXの歴史が刻まれることになるのだ。