
一般的に、クルマは2万5千点を超えるパーツで構成されており、どれかひとつでも欠かすことはできません。ですから入庫してきたNSXは、まず各部を調べてどんなパーツが必要なのかを洗い出し、パーツの在庫が存在しなかった場合は、本社の部品事業本部を通じて、新たに製造してもらう必要があります。とかく、我々は『これがいつまでに必要だから、早く、早く!』というふうになりがち。でも、我々の都合だけをまくしたてても状況は変わりません。
そこで昨年、本社で部品の供給に携わる林さんと会い、お互いの顔を見ながらしっかり語り合いました。我々が何をしたいのか、それぞれの現場の間にある問題点は何なのか…。この時代にアナログもいいところですが(笑)、やはり顔を見ながら意見を交わさないと、通じるものも通じないんです。おかげで今は、部品供給にかかる時間を短縮する手だてを見いだすことができました。部品供給を含めると、本当にたくさんの人間が関わるからこそ、コミュニケーションが必要なんです。昨年から取り組んできた体制強化で、その大切さをあらためて実感しましたね。 |
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必要だが、在庫のないパーツ。いわゆる「バックオーダー」状態のパーツを手配する際、鈴鹿サービスセンターの伊藤さんとのやりとりは、当初書類が主だったんです。そうすると、『それじゃ間に合わない!』と電話がかかってきて、『ものすごくせっかちな人だな!』とさえ思っていたものです(笑)。鈴鹿と和光では、ずいぶんと距離があるため、どうしても書類や電話でのやりとりにならざるを得ないのですが、それではお互いの考え方を理解するのには限界があります。そんな中、2007年にリフレッシュプランの体制が強化されることになり、鈴鹿ではどんなことをしているのか、どんな考えのもとに行われているのか…。伊藤さんとしっかりと膝をつき合わせて話す機会を設けました。そうすると、我々が取り組むべきことも明らかになってきました。過去のデータを元に、頻繁に使われるパーツを多めにストックしたり、図面を見ながら代用できる部品を探したり…。それから、各パーツメーカーさんに、金型をいつでもプレスできる状態で保管していただくためのお願いもして、協力関係をさらに深めました。パーツの安定供給は、リフレッシュプランの要。パーツメーカーさんの力も借りながら、NSXがこれからも走り続けるためのサポートに全力を尽くしたいと思います。 |