NSX press 2003 vol.29
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MSX fiesta 2002 Report 新たな感動につつまれたfiesta2002
 

オーナーと仲間の年に一度の祭典、NSX fiestaは今回新しいスタンスで開催された。
NSXが参戦する全日本GT選手権の決勝開催日から第1日目をスタート。
最終戦となるGTレース観戦をプログラムに含め、
レーススタート前に大勢の観客が見守るなかパレードランが行われたのだ。
2日目は月曜となり、スケジュールの調整に苦慮された方も多かったと思われるが
過去最高の約350名のオーナーの方々が会場となった鈴鹿サーキットに集まり
大いに盛り上がった。

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「ボディが赤の方はこちら、白の方はあちらに駐車してください」
fiesta第1日目の集合時間、続々と到着されたオーナーのNSXをスタッフがボディカラー別に誘導し駐車させていた。今回幕開けのプログラムとなるパレードランを、色別のグループに分けて行おうという新たな趣向だ。
「あの白と黒のツートンのNSXはどこに並ぶのかな…」と、参加者の皆さんは早くもこの新たな試みを楽しんでいた。
「何より楽しみなのは、何万という観衆が見守るなかをHondaのフラッグシップスポーツでパレードすることです。やはり誇らしいですよね。サーキットはHondaの鈴鹿ですし、GTレースで活躍している同じNSXで、GTファンが見守るなかを走れるわけですから。我々のパレードがレースのいい応援になって盛り上がってくれればいいんですけど」
やはり、いつもとひと味違うパレードランに参加オーナーの期待は大きく膨らんでいた。開会式を終え、fiesta参加者がピット上のレース観戦スペースに移ると、ピットレーンは黒山の人だかり。GTレース恒例のピットウォークが行われているのだ。パレード開始の12時が迫り、ハラハラして見守っていると、手慣れたスタッフがピットウォーク参加者の誘導をはじめ、誘導し終ると同時にNSXがグランドスタンド前にあらわれた。スタンドの観衆がハッとして見守り、見学参加の「わくわくコース」の方やGTレースのクルーが手を振るなか、みごとに色分けされた200台を超えるNSXが通り過ぎてゆく。2周目にはグランドスタンド前で花火が上がりスタンドはさらに驚きに包まれた。
感動のパレードランを終えた参加者は、ピット上の観戦席に集まり昼食。食事がはじまると、ダミーグリッド上に並べるためにGTマシンが迫力のエキゾーストノートを轟かせ走り出す。たまらない臨場感のなか、昼食をとり、語り合い、コースを見守る。普段はジャーナリストが使用するプレスルームを一部NSXサロンとして開放したり、スタンドでの観戦希望者のための専用シートも用意されていた。
決勝スタート後は、ポールポジションのスープラを序盤でNSX勢がかわし、終始リードを続けた。途中GTレースらしい激しいバトルが披露される見どころの多い展開となった。そして、いよいよチェッカー。
2002年の締めくくりのGT選手権は、何とNSXが1-2フィニッシュ。優勝が松田次生/ラルフ・ファーマン選手がドライブするMobil 1 NSX。2位が土屋圭市・金石勝智選手のARTA NSX。Mobil 1 NSXのふたりは、わずか1点差でドライバーズチャンピオンを逃したものの、Hondaのお膝元である鈴鹿の最終戦で気持ちよく1-2フィニッシュを決めたことに参加者は感動していた。一方、レースにあまり興味がない方にも楽しんでいただけるよう、レースと並行し、ベルノ車の試乗会や交通教育センターで2輪に体験試乗できるHondaらしいプログラムも用意されていた。
レース観戦や試乗会のあとは、ひと休みしてからお楽しみのディナーパーティ。年に一度開催されるfiestaは、全国のオーナーや仲間が集まり旧交を温め合い、新たな仲間との出会いを楽しむためにあるといってもいい。そのふれあいのよろこびがディナーパーティで最高潮に達するのだ。
過去最高の参加者を数えた今回は、いつも参加されている方に加え、新たな参加者が実に多かった。NSXを楽しむ人の輪は、どんどん広がっているように思える。
乾杯を終えた会場は、司会者のマイクの声が届かないほどの賑やかさにつつまれた。そしてこのディナーパーティも新しい趣向が目白押し。レースを終えたばかりのNSXのGTドライバーや監督もゲストとして参加。そのゲストを代表して、優勝したMobil 1 NSXの中嶋 悟監督がよろこびのご挨拶。そして、アトラクションとして、ビデオゲームで鈴木亜久里監督と土屋圭市選手が参加者のお子様二人とレースバトル! サービス精神いっぱいのお二人は、レース前から激しい舌戦を披露し会場の笑いを誘っていた。
優勝は参加者。満面の笑顔である。2位は鈴木監督。土屋選手はどうにか小さな参戦者には抜かれずに済み3位。「ゲームなんかキライだ!」と、土屋選手は、まじめに悔しがっていた。
それから新しいアトラクションがもうひとつ登場。Hondaの技術者が開発した排気ガスの出ない電動トライアルバイクで、デモンストレーションが行われた。室内でデモをすることが夢だったと語ったのは、ハンドルを握り素晴らしい演技を見せてくれた小林直樹氏。見守る参加者のまさに目の前で披露された、“ウイリー”や“ジャックナイフ”などの見事なパフォーマンスに、会場は大拍手の渦につつまれた。
そして、恒例のプレゼント大会のあとは、パーティの締めくくりとして、NSXで20万キロを走行された参加者、大井宏夫さんを表彰。表彰のスピーチの場で大井さんは、ステージに仲間を呼び寄せ、うれしさを分かち合う感動的なシーンが展開された。
NSXというスポーツカーが中心となり、それを楽しむ人々が集う。そして、胸を打つ感動が生まれる…。Hondaにとってもオーナーにとっても実に素晴らしいことだと思う。
新しさにつつまれたディナーパーティで盛り上がった参加者は、「まだまだ」という勢いで2次会の会場へと向った。話しても尽きぬNSX談義で果てしなく盛り上がるのだろう。
翌日はいつものようにドライビングプログラムが展開され、参加者は大いに楽しんだ。南コースでのテクニカル走行、鈴鹿フルコースを使ったスポーツ走行。そして、交通教育センターの広大なスペースを使ったジムカーナトライアルなど…。そしてフェアウェルランチののち、閉会式を行い解散となった。
回を追うごとに、ゆっくりと会場の雰囲気を楽しみ、他のNSXを目の保養にして、仲間との語らいを楽しむという参加者が増えてきているように思う。まさにNSXワールドの熱烈なファンである。装いを新たにした今回のfiestaに、参加者はとても満足しているように見えた。来年は、いかなる感動が待っているのだろうか。今から楽しみだ。
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