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スポーツカーには、それを生み出す者の信念が宿ります。
NSX-Rは、Hondaの、走りに対する究極の目標を体現するクルマです。
単なる速さや、押し出しの強いパフォーマンスを求めるのではありません。
エンジンのパワーを上げたり、軽くすれば速くなる…そんな簡単な
ものではないのです。
人が操るスポーツカーとして、最高のコントロールクオリティをもって
圧倒的な速さを実現する。それがNSX-Rに課した目標です。
スポーツカーの速さには質がある。人が操るマシンとしての質です。
その問いは、ドライビングポジションやコクピットからの視界をどうするかという
設計の根幹にかかわるところからはじまっているのです。
NSXは、そうした志の高さでつくり上げたスポーツカーなのです。
今回のNSX-Rでは、マイナスリフトを実現しました。これも単にボディ下面を
フラットにしてマイナスリフトを達成したことを主張したいのではありません。
NSX-Rは、これによってパフォーマンスと走りの質を研ぎ澄まし、
スポーツカーとして、群を抜く速さと、走りの楽しさを実現したのです。
今回の開発に携わり、あらためてミドル・ウエイトで3リッタークラスという
われわれがあえて選択したカテゴリーの資質の高さを実感しました。
おそらく、それよりパワーの高さを主張するスポーツカーであっても
テクニックが要求されるサーキットにおいては、
新たなNSX-Rをかわし、前に出ることはできないだろうと思うからです。
開発責任者 上原 繁 |
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