車検が行われるジャコバン・プロムナードに隣接するルマンの中世都市は、欧州の人々にとって有名な観光地。7〜8月のバケーション時期には、原宿の竹下通り並に混雑するという。中世都市はローマ人征服時代のもので、ロワールの支流サルト川に沿って築かれる城壁に守られるように、15世紀の木柱の壁を持った家や、ルネッサンスの石造りの館がひしめいている。城壁はローマ時代の遺跡のなかでヨーロッパ最古のもの。近代的な建物と混在しない中世都市は9ヘクタールもあり、残存する古都のなかで最も広いとされる。散策の中心は聖ジュリアン大聖堂。欧州最古のステンドグラスが荘厳な美しさを称えている巨大な教会である。昔ながらのステンドグラスが残っているのは、こことドイツのアウスブルグだけという。その他にも見所が多く、聖堂内を見るだけで1時間はかかる。中世都市の散策に関しては、ミシュラン・グリーンガイド「ロワールの城」(日本語版)にくわしく解説されている。 |
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中世都市は、かつて荒れていた。しかし、現市長が'77年に当選し改修を徹底。その結果価値が上がり、売買が盛んに行われ、かなり裕福な人がここに住むことになった。中世都市のほとんどは住居なのである。市長はまた、高価な建物を買い上げ、小さな部屋に分割し低所得者も住めるように配慮した。公営住宅も多い。景観維持のために電柱は1本もない。
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ミシュラン・グリーンガイドで聖ジュリアン大聖堂のすぐ近くにある歴史民族博物館を訪ねてほしい。ルマン人のかつての部屋の様子が再現されており、食器や置物などの陶器、 絵画、古い広告看板まで陳列されている。中世都市の無料パンフレットもある。 |
宙づりの家。かつて反対側に建物があったらしいが、取り壊されて何故かこのような状態になっている。 |