美しき街ルマンへ

マン市はパリの南西約200kmの所に位置している。サーキットがあることから“不便な所”と思われるかもしれない。しかし、'89年にTGVが開通してから非常に身近な都市となった。パリのモンパルナス駅からTGVアトランティックに乗り、最初の停車駅。わずか52分で着く。ルマンの駅は思った以上に大きく、近代的である。それも当然で、ルノーの組立工場、フィリップスの携帯電話を一手に生産する工場を筆頭に多くの生産工場を擁す人口14万の産業都市なのだ。近代的な建物も点在するが、淡いベージュの煉瓦色と空の青、木々の緑に満たされた実に美しい街並みを湛えている。地元の人も優しく、治安の良さは欧州で随一だという。湿度も低く、思わず住んでみたくなるような心地よい街である。

イメージ ンネルを幾つもくぐり、パリの喧噪を抜けると地球すべてが畑になったのではないかと思えるほど、広大な緑の絨毯のなかをTGVは静かに疾走する。フランスが農業国であることを実感できる。


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