橋山
 
1990年、NSXの登場は、私にとっても大変刺激的なものでした。雑誌などで姿を見て、様々な情報を知るにつれ、興味は高まる一方。けれども当時医学生だった私にはまだまだ夢の存在。でも、いつかはきっと…という憧れを常に抱き、注目し続けていたクルマだったのです。以前乗っていたのもホンダ車で、兼ねてからお付き合いのあったディーラーの方にもその意思は常々お伝えしてありました。そして4年前、15,000km、ワンオーナーのNSXとの出会いに恵まれました。セブリングシルバー・メタリックのMT車。調子は良好。嬉しかったですね、予想外に早く、憧れのNSXを手に入れることができて…。
購入後、しばらくして雑誌で、リフレッシュプランのことを知ったのですが、その時点で考えていたのはタイヤ回りの交換。NSXのようなリアルスポーツカーは、やはりバランスの良い専用パーツがいいと聞いていたので、大径ホイールのオプション登場を待ち望んでいました。その後、期待通りに17インチホイールが設定され、アルミ鍛造ホイールと40・45タイヤに交換しました。希望通りに純正パーツでインチアップできて嬉しかったですね。見た目もぐっと精悍になりました。
その後、青山のウエルカムプラザでタイプRを間近にする機会がありました。試乗こそしませんでしたが、コクピットに座っただけでも感動もの。けれども、私の使用範囲内で考えるとタイプRでは少々手に余るところがありますし、手元には十分に満足できる愛車があります。手に入れたときから、もちろん現在でも、このクルマには長く乗り続けたいという意思がありましたから、いまあるNSXをより自分の好みに合わせて変えて雰囲気を盛り上げてみよう、それにはやはりホンダメイドで…と思い、2度目はインテリアのリフレッシュプランに取り組みました。
シルバーの外装色と赤の内装色という組み合わせは、外国のスポーツカーなどで見ていて気に入ってました。そこで赤でコーディネートしようということで出来上がったのが今の状態です。残念ながらステアリング・ホイールだけは黒のままですが…。タイプRのカーボンパネルにも惹かれたのですが、、今回は保留ということにしました。
橋山 車 結局、インテリアリフレッシュ、シートとドアライニングをオールレッドというオーダーにしました。昨年の10月に発注して、パーツの用意が整うまでに1カ月。クルマを持ち込んでから完成までに1カ月弱。本当は栃木工場のプレゼンテーションルームで実物を確認しながら検討すれば良かったんですが、なかなか時間が取れなくて足を運ぶことができず、写真で見ただけでしたので、実際の仕上がりはどんな風になるのかな…と期待とともに少々不安もありましたね。
だけど仕上がりを見て、本当に感激しました。まさに匠の世界とはこのことか…!!シートの張り替え、ステッチの刻みなど微に入り細にわたりすべてに、手掛けた方の情熱が伝わる仕上がりです。
そしてエンジンルーム、ドアステップにはリフレッシュ完成車を証明するプレートを付けるなど、オーナーの心をくすぐる配慮がなされていますね。もちろん、インテリアだけでなく基本的な部分も一通りチェックしてもらっています。 実践後は本当に新しいクルマに生まれ変わったようで、気分も新たにリフレッシュされて、毎日の通勤で快適に乗っています。

とことん惚れ込んで手に入れたからには、とことん乗り続けたい。NSXのアルミボディは30年の耐久性を持つということですし、それまでの間に必要になるであろう消耗部品の心配はまったくないし、エクステリアも、機能部もリフレッシュプランで磨きをかけることができる。これは、絶対便利で有意義な施策だと思います。もともと気に入っていたNSXが、リフレッシュでさらに自分好みになった。これはもうさらに手放せないですよ。
その後、リフレッシュプランとは別に、タイプR用のチタン削り出しシフトノブを取り付けてみました。チタンの触感と、よりクイックになった操作感が、とても気に入っています。
仕事が終わって、駐車場でNSXに乗り込み、車内の、まだぷんと新しい匂いのする空間に包まれると、張りつめていた緊張感が解けるのです。私自身がリフレッシュできるひとときです。
オーナーズ・ミーティングも興味はあるのですが、鈴鹿に行くとなると日帰りは難しい。仕事柄、急な予定が入ることもあるので、これまでなかなか実行できずにいました。でも今年からは、鈴鹿以外の比較的身近な場所でも行われるとのこと。機会があれば参加してみたいですね。

            

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NSX Press vol.17は1996年3月発行です。