Round10マレーシア
2019年12月15日(日)
Sepang International Circuit
FIAワールド・ツーリングカー・カップの最終戦がマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。Honda CIVIC TCRを駆る、ALL-INKL.COM Münnich Motorsportのエステバン・グエリエリは、接触によるコースアウトで、タイトル獲得のチャンスを失うこととなりました。
今大会は、日曜日に3つのレースを行う日程でした。レース1を10番手からスタートしたグエリエリは、湿った路面の中、粘り強い走りをみせて4位に。
悪天候の中行われたレース2では、セーフティーカーが投入されますが、投入前に11秒のリードを作っていたグエリエリはこのレースで勝利。この時点で、ポイントランキング首位のノルベルト・ミケリス(ヒュンダイ)との点差は10となっていました。
シーズン最後のレースとなるレース3、グエリエリはミケリスとのホイールトゥホイールの争いを制して、2コーナーでリードを奪います。そのままの順位であれば2ポイント差でチャンピオン獲得となるところでしたが、ミケル・アズコナ(クプラ)に追突され、コースアウトしてしまいます(アズコナにはレース後30秒加算のタイムペナルティー)。ラジエーターに草が付着し、オーバーヒートに悩まされたグエリエリのマシンは2回のピットストップを強いられ、22位でチェッカーを受けました。
この結果、グエリエリは自己最高位となる、ドライバーズランキング2位となりました。
ネストール・ジロラミ(ALL-INKL.COM Münnich Motorsport)は、レース1でウエットタイヤでスタートしたもののコンディションと合わず、3番手スタートから22位に終わってしまいます。フルウエットとなったレース2では、アズコナと接触したものの、4位でフィニッシュ。レース3は5位となり、ランキング6位のアズコナと1ポイント差の7位でシーズンを終えました。また、ALL-INKL.COM Münnich Motorsportはシーズン7勝を挙げ、チームランキング3位となりました。
KCMGからワイルドカード参戦したジョアオ・パオロ・デ・オリベイラは、デビュー戦ですばらしいパフォーマンスをみせました。第1レースで13番グリッドからスタート。湿った路面の中、スリックタイヤで走るというギャンブルに出て、見事的中。5位でフィニッシュしました。
また、オリベイラはレース1でファステストラップを記録。レース2とレース3ではグエリエリがファステストラップをたたき出し、この日の3レースすべてでHonda CIVIC TCRがファステストラップを獲得しました。しかし、オリベイラはレース2、オープニングラップでグラベルにつかまって赤旗の原因となり、リスタートを果たしたものの18位に。レース3ではチェッカーを受けることができませんでした。
ティアゴ・モンテイロ(KCMG)は、レース1でニッキー・キャッツバーグ(ヒュンダイ)に接触され、ステアリングアームを曲げてしまいリタイア。レース2では12位、レース3で16番手スタートから粘り強く走り、6位でフィニッシュしました。
チームメートのアッティラ・タッシは不運に見舞われました。レース2で、タッシはウエットタイヤを選択し、第1コーナーで12番手から3番手に浮上。しかし、ガブリエーレ・タルクィーニ(ヒュンダイ)に追突され、後退を余儀なくされました。さらにギアボックスに問題を抱えたタッシはレース3には出走できずに大会を終えました。
エステバン・グエリエリ(4位/優勝/22位)
「一年間、本当に楽しむことができました。今日は1つの接触で結果が決まってしまいましたが、これも人生です。チャンピオンを争い、ランキング2位になれたことはうれしいです。レース3で、アズコナが後ろから接触して草地に乗った結果、ラジエーターが草まみれになってしまい、ピットインしなければなりませんでした。それはそれとして、今日は最後のラップまでドライビングを楽しむことができました。チームは今年、すばらしい仕事をしていて、チャンピオンを争いをすることができました。今日はなにも考えられません。失望していますが、僕らがやってきた仕事は誇りに思っています」
ネストール・ジロラミ(22位/4位/5位)
「僕らにとっては複雑な日でしたが、今年の結果は誇りに思っています。僕自身としても3勝を挙げ、チームランキングで3位になれたことは非常に力強い結果だと思っています。レース1とレース2で、大きなチャンスを得ましたが、天候を読みきることができませんでした。レース1はウエットタイヤを選んだものの、選択を誤り、タイヤがの寿命が終わってしまいました。レース2を4位でフィニッシュできたことはすばらしいと思いますし、レース3もHonda勢最上位の5位で終えられたことをうれしく思っています。エステバンの接触については不満を持っています。アズコナの動きは理解しがたいですし、チャンピオン争いからも脱落してしまいました。WTCRの舞台で、このようなドライビングはするべきでないと思いました」
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(5位/18位/リタイア)
「全体的に好調なレースだったと思います。TCRでの夢のようなスタートです。レース1で、タイヤ戦略に賭け、スリックを選んだところ、5位になれました。イバン・ミュラーを後ろに従えたまま、エステバンの順位を守ることは難しかったです。しかし、それがうまくいきましたし、ファステストラップも獲得できました。レース2では、オープニングラップから順位を上げて11番手まで来たところ、最終コーナーでスピンしてしまいました。26番手まで落ちてしまいましたが、18位で終わることができました。レース3では非常に慎重にスタートを切りましたが、ダニエル・ハグロフ(クプラ)と接触し、サスペンションを壊してしまいました。それが無ければ、ポイント圏内で走りきることができたはずです」
ティアゴ・モンテイロ(リタイア/12位/6位)
「難しいコンディションでしたが、しっかりポイントを獲得して一年を終えられたので、正しい方向に物事を進めた結果だと思っています。ウエットコンディションの中、Honda CIVIC TCRはドライビングしやすかったですし、3レースすべてでファステストラップを取れたことからも分かるように、バランスもいいものでした。レース1でキャッツバーグと激しく接触してしまい、ステアリングアームが曲がってしまいました。雨が激しくなれば有利な展開に持ち込めると思い、コースにとどまりましたが、最終的にはリタイアとなりました。レース2は非常に濡れた路面の上で12位、レース3では7位になれたので、いいパフォーマンスを発揮できたと思います」
アッティラ・タッシ(13位/28位/DNS)
「いい展開にできなかったことは残念です。レース2ではウエットタイヤでスタートし、3番手まで上がったところで、タルクィーニに接触されてしまいました。サスペンションを壊してしまい、ピットに戻らなくてはなりませんでした。赤旗中断の後、26番手からレースを再開しましたが、接触がなければトップに立てたかもしれません。そこから16番手まで戻りましたが、ギアボックスの問題でストップしてしまい、レース3もスタートを切ることができませんでした。レース1で21番手スタートから、13位までポジションを上げられただけに、今日はもっと多くの可能性があったレースだったと思います。」
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | N.ミケリス | ヒュンダイ | 10 | 26'02.896 |
2 | 21 | A.パニス | クプラ | 10 | +2.446 |
3 | 1 | G.タルクィーニ | ヒュンダイ | 10 | +10.009 |
4 | 86 | エステバン・グエリエリ | ![]() |
10 | +10.878 |
5 | 38 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | ![]() |
10 | +11.287 |
6 | 100 | Y.ミュラー | Lynk & Co | 10 | +12.125 |
13 | 9 | アッティラ・タッシ | ![]() |
10 | +40.633 |
22 | 29 | ネストール・ジロラミ | ![]() |
10 | +1'10.078 |
29 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() |
6 | +4Laps |
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 86 | エステバン・グエリエリ | ![]() |
11 | 1:28'45.146 |
2 | 96 | M.アズコナ | クプラ | 11 | +1.023 |
3 | 14 | J.クリストファーソン | フォルクスワーゲン | 11 | +1.368 |
4 | 29 | ネストール・ジロラミ | ![]() |
11 | +2.198 |
5 | 31 | K.チェッコン | アルファロメオ | 11 | +2.313 |
6 | 100 | Y.ミュラー | Lynk & Co | 11 | +2.500 |
12 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() |
11 | +8.821 |
18 | 38 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | ![]() |
11 | +14.408 |
28 | 9 | アッティラ・タッシ | ![]() |
8 | +3Laps |
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 14 | J.クリストファーソン | フォルクスワーゲン | 14 | 39'02.972 |
2 | 31 | K.チェッコン | アルファロメオ | 14 | +2.182 |
3 | 22 | F.バービッシュ | アウディ | 14 | +4.296 |
4 | 5 | N.ミケリス | ヒュンダイ | 14 | +9.297 |
5 | 29 | ネストール・ジロラミ | ![]() |
14 | +13.150 |
6 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() |
14 | +14.737 |
22 | 86 | エステバン・グエリエリ | ![]() |
14 | +59.437 |
24 | 38 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | ![]() |
10 | +4Laps |
順位 | No. | ドライバー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 5 | N.ミケリス | ヒュンダイ | 372 |
2 | 86 | エステバン・グエリエリ | ![]() |
349 |
3 | 100 | Y.ミュラー | Lynk & Co | 331 |
4 | 11 | T.ビョーク | Lynk & Co | 297 |
5 | 14 | J.クリストファーソン | フォルクスワーゲン | 243 |
6 | 96 | M.アズコナ | クプラ | 226 |
7 | 29 | ネストール・ジロラミ | ![]() |
225 |
20 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() |
109 |
24 | 9 | アッティラ・タッシ | ![]() |
56 |
順位 | チーム | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | Cyan Racing Lynk & Co | Lynk & Co | 628 |
2 | BRC Hyundai N Squadra Corse | ヒュンダイ | 594 |
3 | ALL-INKL.COM Münnich Motorsport | ![]() |
574 |
4 | Sébastien Loeb Racing Volkswagen | フォルクスワーゲン | 354 |
5 | Cyan Performance Lynk & Co | Lynk & Co | 344 |
6 | BRC Hyundai N LUKOIL Racing Team | ヒュンダイ | 310 |
13 | KCMG | ![]() |
165 |