2019年2月25日(月)

2019年FIA世界ツーリングカー・カップ(WTCR) Honda CIVIC TCR 2チーム目の参戦チーム・ドライバーについて

2019年FIA世界ツーリングカー・カップ(WTCR) Honda CIVIC TCR 2チーム目の参戦チーム・ドライバーについて

・KCMGがCIVIC TCRの2台体制で参戦を決定
・フル参戦復帰を果たすティアゴ・モンテイロ選手と共に新たにハンガリー出身のアッティラ・タッシ選手がHondaドライバーとしてKCMGから参戦

Hondaは、2019年のFIA世界ツーリングカー・カップ(以下、WTCR)の体制について、先日発表したALL-INKL.COM Münnich Motorsportに続き、新たにKCMGがCIVIC TCRの2台体制で参戦することをお知らせします。

KCMGは、2007年にポール・イップ氏が香港を拠点として設立。2015年のル・マン24時間レースLMP2クラスでの優勝のほか、アジアを中心にフォーミュラやGTなどさまざまなカテゴリーで実績を残しているチームです。

2018年には、CIVIC TCRで「TCR Europe」に参戦し、チームタイトルを獲得。さらには、WTCRにもワイルドカードでハンガリーとドイツの2ラウンドに出場しました。

今季は、ハンガリーの飲料メーカーであるHELL EnergyとBroseが同チームをサポートし、ティアゴ・モンテイロ選手(ポルトガル、42歳)とアッティラ・タッシ選手(ハンガリー、19歳)の2台体制でシーズンを戦います。

モンテイロ選手は、ポルトガル人として唯一F1世界選手権の表彰台を経験したドライバーで、2007年よりFIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)に参戦し、11勝を含む44回の表彰台を獲得。2017年は、ドライバーズランキングで首位に立ちながらも、テスト中のクラッシュで頭部へ強い衝撃を受けたことにより残りシーズンを欠場することになりました。14か月のリハビリを経て、昨年のWTCR日本ラウンドで復帰し、今季は再びフル参戦に挑みます。また、モンテイロ選手は、WTCRの前進である2016年のTCRインターナショナルのマカオラウンドにCIVIC TCRを駆って出場しており、優勝を果たしています。

タッシ選手はハンガリーでレースキャリアをスタートし、2016年にはTCRインターナショナルに参戦し、5戦目にして初表彰台を獲得するなどの活躍を見せ、続く2017年はCIVIC TCRで戦いシーズンを総合2位で終えました。翌2018年にKCMGへ加入し、TCR Europeで2勝を挙げ、ランキング4位となりました。また、同チームからハンガロリンクで行われたWTCRにワイルドカード参戦を行っています。

WTCR参戦チームへのテクニカルサポートは、CIVIC TCRの開発と製造を行うJAS Motorsportが担当し、各ラウンドにおいて技術的なアドバイスやスペアパーツの供給を通じて、Hondaチームやドライバーのタイトル挑戦を支えていきます。

CIVIC TCRは、CIVIC TYPE Rをベースとしたレーシングカーで、現行FK8ベースの投入初年度となった2018年には世界各国のシリーズで5つのタイトルを獲得しました。

2019年のWTCRは、4月5日(金)にモロッコ・マラケシュの市街地コース(ムーレイ・アル・ハッサン・サーキット)で開幕。その後、欧州ラウンドと中国戦の後、10月27日(日)にはHondaのホームコースである鈴鹿でスーパーフォーミュラとの併催が予定されています。11月に行われる伝統のマカオギアレースの他、最終戦はマレーシア(セパン・サーキット:初開催)も計画されており、全10ラウンドが予定されています。

コメント

ティアゴ・モンテイロ選手
ティアゴ・モンテイロ 「KCMG、Hondaとともに今季フル参戦を再開できることにとてもわくわくしていますし、速く意志の強い若手であるアッティラとチームメートとして働けることも素晴らしいです。KCMGは、WTCRへ初のフル参戦となりますが、これまでさまざまなカテゴリーに参戦して好成績を残しており、ツーリングカーでも豊富な経験があるので、初戦から勝負できると思います。負傷からの回復は長い道のりでした。でも、HondaやWTCRをはじめ、モータースポーツファミリーのみんながこれ以上ないくらいのサポートをしてくれました。レースに出られないのにパドックにいるというのはつらかったですし、日本ラウンドで復帰したときにはとても感慨深い思いでした。厳しい旅でしたが、そのぶん強くなれたことは間違いありません。2017年に怪我で逃したタイトルをこの手につかむべく、今まで以上にモチベーションが高まっています」

アッティラ・タッシ選手
アッティラ・タッシ 「Honda Racingの一員として、KCMGとともにWTCRにフル参戦できることを光栄に思います。夢が叶ったような思いですし、19歳の私にチャンスを与えてくれたことに感謝しています。これまでのレースキャリアで、私は常に勝利や表彰台を争ってきました。しかし、WTCRは私が今まで参戦した中で最もレベルの高いレースであり、昨年ハンガロリンクでワイルドカード参戦して身をもって知りました。経験のないサーキットなど、学ぶべきこともたくさんありますから、今年は学習するための一年にせざるを得ないことは理解しています。ただ、私のような若手ドライバーにとって、すごくいいチームの環境なので、いい結果を残せる機会もあるはずですし、シーズンを通じて成長していけると思います」

ポール・イップ|KCMGチーム代表
「HondaとともにCIVIC TCRでWTCRフル参戦へとステップアップできたことを本当にうれしく思います。昨年初めてCIVIC TCRで戦いましたが、TCR Europeのチームタイトルを獲得できただけでなく、WTCRにも2度ワイルドカードで出場し、いい流れでここにたどり着きました。ティアゴは世界トップレベルの経験を持つツーリングカードライバーで、コンスタントに勝利を挙げています。また、アッティラは昨年一緒に戦って素晴らしい才能の持ち主であることは分かっていますので、我々にはWTCRのトップを目指すだけのポテンシャルがあると思います」

山本雅史|Hondaモータースポーツ部長
「2018年のWTCRシーズンをいい形で終え、今季こうした力強いラインアップを発表できることをうれしく思いますし、KCMGがALL-INKL.COM Münnich Motorsportに続いてCIVIC TCRを選び、世界選手権へと進出してくれたことに感謝しています。ポール・イップ氏はフォーミュラ、ツーリングカーでともに素晴らしい成果を残しており、WTCRにおいても、昨年TCR Europeでタイトルを勝ち取ったような活躍を期待しています。ティアゴ・モンテイロ選手は、世界でもトップレベルのツーリングカードライバーで、ケガからの回復を乗り越えて万全の状態で復帰する姿を見られてとてもうれしいです。アッティラ・タッシ選手も多くの才能と素晴らしいスピードを見せてくれているので、いいチームメートになると思います」

マッズ・フィッシャー|JAS Motorsport TCRプロジェクトリーダー
「ミラノにある我々の工房で組み上げたCIVIC TCRが、アジアで最も成功を収めたチームであるKCMGとともに、WTCRの舞台で戦うことをうれしく思います。ティアゴとアッティラは、ともに素晴らしいドライバーです。ティアゴは2012年からHondaのツーリングカープログラムに加わり、その発展に大いに貢献してくれました。一方、アッティラはCIVIC TCRに乗り始めた17歳から好結果を残し続け、2018年にはJAS Motorsportのテスト兼開発ドライバーに就任しました。現行モデルのCIVIC TCRは、すでに世界中で39勝を挙げ、5つのタイトルを獲得していますが、チームとドライバーがさらにこれを塗り替えてくれればと願っています」

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