モータースポーツ > 世界ツーリングカー選手権 > WTCC 開発プロジェクトリーダーレポート > 新レギュレーションで挑む、2014年シーズン ―ダブルタイトル獲得を目指して―


今シーズンから、マシンのレギュレーションに大きな変更があります。エンジンに関しては、1.6リッター直列4気筒直噴ターボというパッケージ自体に大きな変更はないのですが、エアリストリクター径の拡大(現行33mmから36mmへ)というレギュレーション変更によって、パワーが大幅にアップします。また、エンジンの重量に関する細かな規定が撤廃されることにより、一部のパーツを新設計で作り直し、昨年のエンジンに比べて、かなりの軽量化が実現できています。
一方で、車体については大きく変わります。タイヤが太くなり、エアロ系のパーツが組み込まれ、見た目もこれまでとはずいぶん違うものになっています。
14年シーズンは、マシンが大きく変わることもあり、参加台数は今のところ22台です。マシンの性能は上がり、力の入ったチームがほとんどですので、厳しい戦いが予想されます。そして全部のチームが、新しいマシンでのゼロからのスタートですから、我々にとってもやりがいのあるシーズンになるでしょう。
今シーズンも引き続き、ワークスチーム「カストロール・ホンダ・ワールド・ツーリングカー・チーム(Castrol Honda World Touring Car Team)」から、ガブリエーレ・タルクィーニとティアゴ・モンテイロが参戦します。
さらに、プライベートチームにおいては、昨シーズンに続き、ハンガリーの「ゼングー・モータースポーツ(Zengő・Motorsport)」のノルベルト・ミケリスと、新たに、「プロチーム・レーシング(Proteam Racing)」から、メディ・ベナーニが加わります。
ワークスチームと合わせて3チーム4台体制で、ドライバーとマニュファクチャラーのダブルタイトル獲得を目指してがんばります。
2014年 WTCC エンジン・マシンレギュレーションの主な変更点
| 2013年 | 2014年 |
|---|---|
| リストリクター径 | |
| φ33mm | φ36mm |
| エンジン単体最低重量 | |
| 82kg | 81kg |
| 主要パーツ最低重量規定 | |
| 各部詳細に規定 | 一部(ブロック、ヘッドなど)撤廃 |
| 重心高 | |
| クランクセンターから110mm | 変更なし |
| ターボ過給圧 | |
| 2.5bar | 変更なし |
| 最高回転数 | |
| 8500回転 | 変更なし |
| 2013年 | 2014年 |
|---|---|
| 車体総重量 | |
| 1150kg | 1100kg |
| 最低地上高 | |
| 80mm | 60mm |
| タイヤサイズ(総幅/外径/ホイール) | |
| 240/610/17 | 250/660/18 |
| サスペンション | |
| ベース車と同形式 | 前後マクファーソンストラット式 |
| 大型エアロパーツ装着 | |
| ほぼベース車に準ずる | フロントバンパー、リアウイング、フェンダーなど装着可 |
| アンダーフロア | |
| ベース車に準ずる | フラットボトム |
ガブリエーレ・タルクィーニ
ティアゴ・モンテイロ
ノルベルト・ミケリス
メディ・ベナーニ