世界ツーリングカー選手権(WTCC)の第7戦中国大会は、新設の中国・ニンボー・インターナショナル・スピードパークで決勝レースが行われました。予選日からの雨は上がることなく、決勝日も朝から時折り激しさを増す、厳しいコンディションのもとでオープニングレースが行われました。
リバースグリッドで行われるオープニングレースは、セーフティカーの先導によってスタートが切られました。Castrol Honda World Touring Car Teamは、ガブリエーレ・タルクィーニが6番手、ノルベルト・ミケリスが9番手からのスタート。Honda Racing Team J.A.S.の道上龍は予選11番手でしたが、その後にエンジン交換を行ったことでペナルティーを科せられ、最後尾16番手からのスタートとなりました。
セーフティカーの先導は4周にわたり、それからレースが始まりましたが、コンディションがさらに悪化。スピンやコースアウトするマシンが出て、7周目にはミケリスが5番手、タルクィーニが6番手、道上が10番手にポジションを上げました。その後、再びセーフティカーが導入されました。コンディションは回復することなくレースが再開され、3台のHonda Civic WTCCは懸命にコース上での走行を続けました。15周のレースが終了し、ミケリスが4位、タルクィーニが5位、道上が9位となり、3台がポイント圏内で無事にレースを終えました。
その後に行われたメインレースでは、さらにコンディションは悪化。セーフティカー先導のもと、4周を走行した時点でレース中止の決定が下されました。なお、セーフティカーの先導で走行した3周によって、メインレースは成立したと決定され、予選の順位がそのままメインレースの順位となり、ハーフポイントが与えられることになりました。
コンストラクターズランキングでは、今回の結果でHondaは640.5ポイントとなり、トップをキープしています。第8戦日本大会は、10月28日(土)~29日(日)にツインリンクもてぎで開催されます。
ノルベルト・ミケリス(4位/2位)
「ティアゴ(モンテイロ)がレースに出られないことはとても残念でしたが、私としてはポイントを重ね、ランキングトップと2点差まで迫れたので成功した週末となりました。今日のコンディションはとても難しいものでしたが、もう少し上位を狙えたかもしれません」
ガブリエーレ・タルクィーニ(5位/5位)
「非常に難しいこのコンディションにおいては、自分のパフォーマンスにとても満足しています。オープニングレースではミケリス選手を前に行かせ、チームに貢献できました。モンテイロ選手とミケリス選手がタイトル獲得に向かって、日本戦でも好結果を得られることを願っています」
道上龍(9位/11位)
「メインレースではセーフティカー走行中にスピンするマシンもいて、本当に危ない状況でしたので、中止は仕方がない判断だと思います。オープニングレースも、日本のGT(SUPER GT)などであれば、とても実施できない状況でした。自分もコースにとどまっているのが精一杯でしたが、なんとか無事に走りきれて、ポイントを獲得するところまでポジションを上げられたのは、よかったと思います。交換したエンジンは加速がよく、とても調子がいい感じでしたので、次の日本戦は期待できると思います。今年のもてぎでのレースは昨年のスポット参戦とは違い、レギュラードライバーとして臨みますので、今シーズンのこれまでの積み重ねや経験を活かし、昨年とは違った姿をお見せできると思います。そして、少しでもいい結果を出せるようがんばりますので、応援よろしくお願いします」
古川隆一|Honda Civic WTCC開発プロジェクトリーダー
「メインレースは、雨がひどくなり、結局中止となってしまいました。フロントローからスタートするミケリス選手の優勝を期待していただけに残念でしたが、あまりにコンディションが悪く、仕方がありません。オープニングレースも雨の中、2度もセーフティカーが導入されるコンディションでしたが、Honda Civic WTCCの3台はそれぞれポジションを上げてフィニッシュし、ポイントを得られました。シリーズランキングが接戦ですから、この積み重ねは重要だと思います。今回、走行はすべてウエットコンディションでしたが、後半戦に向けて行ってきたマシンのアップデートの効果は、車体、エンジンともに確認できました。次の日本戦に向けては、エンジンをさらにパワーアップし、目標である圧倒的な速さをお見せしたいと考えています。我々Honda、そして道上選手にとってのホームレースであるツインリンクもてぎでのレースには、すべてを出し尽くして全力で戦うつもりですので、ぜひ応援をよろしくお願いします
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 86 | E.グエリエリ | シボレー | 15 | 33'29.509 |
2 | 68 | Y.アーチャー | ラーダ | 15 | +2.893 |
3 | 63 | N.キャッツバーグ | ボルボ | 15 | +11.671 |
4 | 5 | ノルベルト・ミケリス | ![]() | 15 | +17.409 |
5 | 2 | ガブリエーレ・タルクィーニ | ![]() | 15 | +17.840 |
6 | 27 | J.フィリッピ | シトロエン | 15 | +23.760 |
8 | 99 | ダニエル・ナギ | ![]() | 15 | +24.946 |
9 | 34 | 道上龍 | ![]() | 15 | +26.334 |
11 | 66 | ツォルト・デビッド・ザーボ | ![]() | 15 | +39.340 |
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 61 | N.ジロラミ | ボルボ | 2 | 04'59.154 |
2 | 5 | ノルベルト・ミケリス | ![]() | 2 | +0.851 |
3 | 62 | T.ビョーク | ボルボ | 2 | +2.537 |
4 | 2 | ガブリエーレ・タルクィーニ | ![]() | 2 | +3.347 |
5 | 3 | T.チルトン | シトロエン | 2 | +4.562 |
6 | 86 | E.グエリエリ | シボレー | 2 | +6.691 |
9 | 34 | 道上龍 | ![]() | 2 | +11.250 |
13 | 99 | ダニエル・ナギ | ![]() | 2 | +17.666 |
15 | 66 | ツォルト・デビッド・ザーボ | ![]() | 2 | +19.793 |
順位 | No. | ドライバー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 62 | T.ビョーク | ボルボ | 200.5 | |
2 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() | 200 | |
3 | 5 | ノルベルト・ミケリス | ![]() |
198.5 | |
4 | 63 | N.キャッツバーグ | ボルボ | 177.5 | |
5 | 25 | M.ベナーニ | シトロエン | 164 | |
6 | 3 | T.チルトン | シトロエン | 153.5 | |
13 | 2 | ガブリエーレ・タルクィーニ | ![]() |
19 | |
15 | 34 | 道上龍 | ![]() |
5 | |
16 | 99 | ダニエル・ナギ | ![]() | 5 | |
17 | 8 | オーレリアン・パニス | ![]() | 2 | |
20 | 66 | ツォルト・デビッド・ザーボ | ![]() | 0 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ![]() |
640.5 |
2 | ボルボ | 635.5 |