第9ラウンドまでの結果を受け、60kgのハンディウエイトを課せられたHonda Civic WTCCは、予選でノルベルト・ミケリス(Honda Racing Team JAS)が9番手、ティアゴ・モンテイロ(Castrol Honda World Touring Car Team)が14番手、ロブ・ハフ(Castrol Honda World Touring Car Team)が15番手となりました。また、MAC3では優勝を果たし、決勝を迎えました。
ノルベルト・ミケリス(#5)
ノルベルト・ミケリス(#5)
オープニングレース時の天候は晴れ。気温が30℃まで上がる日差しの強い一日となりました。予選の走りは、前後のウイングのバランスによる高速度域でのドラッグがよくないと考え、ウイングを調整して決勝に臨むことになりました。セクターによってはアンダーステアとなって不利になりますが、ストレートの多い上海インターナショナル・サーキットでは、ドラッグを減らす方が有利との判断でした。
Q2の上位10台がリバースグリッドとなるオープニングレースにおいて、ミケリスが2番グリッド、モンテイロが14番グリッド、ハフが15番グリッドからのスタートとなりました。ミケリスはスタートでトップに躍り出ることに成功し、序盤にセーフティカーが導入されたあと、2番手以下に3秒近くの差をつけてトップをキープしていました。ところが、終盤に入ると2〜4番手のマシンが絡み、4番手だったボルボのテッド・ビョークに追い上げられ、最終ラップのストレートエンドでビョークがミケリスに追突。なんとか耐えたミケリスでしたが、突然パワーを失うトラブルに見舞われ、ヘアピンでトップが入れ替わりそのままチェッカー。惜しくも優勝を逃しました。
優勝はビョーク、2位がミケリス、3位がイヴァン・ミュラー(シトロエン)。ハフは9位、モンテイロは10位となりました。
ロブ・ハフ(#12)、ティアゴ・モンテイロ(#18)
ティアゴ・モンテイロ(#18)
続いて行われたメインレースでは、ミケリスが9番グリッド、モンテイロが13番グリッド、ハフが14番グリッドからのスタートとなりました。Honda勢は、こちらでも序盤はいいペースで走り、それぞれポジションを上げていったものの、終盤になるとペースを維持するのが精一杯になり、モンテイロは8位、ミケリスは11位、ハフは13位でレースを終えました。
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 62 | T.ビョーク | ボルボ | 16 | 31'58.340 |
2 | 5 | ノルベルト・ミケリス | ![]() | 16 | +0.361 |
3 | 68 | Y.ミュラー | シトロエン | 16 | +0.528 |
4 | 37 | J.ロペス | シトロエン | 16 | +2.215 |
5 | 10 | N.キャッツバーグ | ラーダ | 16 | +2.315 |
6 | 7 | H.ヴァレンテ | ラーダ | 16 | +6.290 |
9 | 12 | ロブ・ハフ | ![]() | 16 | +13.494 |
10 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() | 16 | +16.586 |
14 | 55 | フェレンツ・フィクザ | ![]() | 16 | +26.583 |
15 | 99 | ダニエル・ナギ | ![]() | 16 | +32.857 |
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | J.ロペス | シトロエン | 15 | 28'18.258 |
2 | 68 | Y.ミュラー | シトロエン | 15 | +11.037 |
3 | 25 | M.ベナーニ | シトロエン | 15 | +12.742 |
4 | 10 | N.キャッツバーグ | ラーダ | 15 | +13.205 |
5 | 2 | G.タルクィーニ | ラーダ | 15 | +15.715 |
6 | 61 | F.エクブロム | ボルボ | 15 | +18.176 |
8 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() | 15 | +23.878 |
11 | 5 | ノルベルト・ミケリス | ![]() | 15 | +30.202 |
13 | 12 | ロブ・ハフ | ![]() | 15 | +36.452 |
16 | 55 | フェレンツ・フィクザ | ![]() | 15 | +57.430 |
18 | 99 | ダニエル・ナギ | ![]() | 15 | +58.880 |
堀内大資|Civic WTCC開発プロジェクトリーダー
「今回は予選で思うようなタイムが出せなかったことが、敗因でした。いろいろ分析した結果、車高の前後バランスが高速コースに合っておらず、スピードが伸びなかったことが分かりました。レースではそこを調整して臨みましたが、スピードは上がったものの、アンダーステアなどの症状が出たために、全体として思ったより速くはなりませんでした。オープニングレースで勝利を狙う作戦でしたが、スタートでトップに立ったミケリス選手が、最終ラップ、勝利を目前にストレートエンドでかわされ、優勝を逃す残念な結果に終わりました。次に予定されていたタイでの大会は中止となり、次戦はカタールでのシーズン最終戦となります。有終の美を飾れるようにHonda Civic WTCC勢は全力を尽くしますので、最後まで応援をよろしくお願いします」