世界ツーリングカー選手権の第8戦アルゼンチンラウンドの決勝レースが、8月7日(日)に行われました。
昨年は南半球における夏の期間に開催されたため、気温が高く厳しいコンディションの中でのレースとなりましたが、今年は冬の期間での開催となり、全体的にタイムが向上しました。
ロブ・ハフ(#12)
ロブ・ハフ(右)
コース幅が広く、さまざまな走行ラインがあるため、練習走行においては空力のセットアップを探ることを含めた走り方の工夫が試されました。そんな今大会は、60kgのハンディウエイトを課せられることになりました。
予選では、ノルベルト・ミケリス(Honda Racing Team JAS)、ティアゴ・モンテイロ(Castrol Honda World Touring Car Team)、ロブ・ハフ(Castrol Honda World Touring Car Team)の3台がそろってQ1を突破しましたが、Q3にはミケリスしか進出できず。メインレースは、ミケリスが2番手から、ハフが6番手から、そしてモンテイロが8番手からのスタートとなりました。また、チーム戦のMAC3では、Honda Civic WTCCがトップとなりました。
ティアゴ・モンテイロ(#18)
ロブ・ハフ(左)、ティアゴ・モンテイロ(右)
Q2の10番手までがリバースグリッドでスタートするオープニングレースは、モンテイロが3番手、ハフが5番手、ミケリスが9番手からのスタートとなりました。スタート直後の1コーナーから2コーナーにかけて各車が入り乱れ、モンテイロが5番手、ハフが3番手、ミケリスが8番手と、モンテイロとハフの順位が入れ替わりました。6ラップ目にはハフ、モンテイロが上位を抜き、シトロエンのトム・チルトン、同じくイヴァン・ミュラーとトップ争いを繰り広げましたが、結果的に順位は変わらず、そのままフィニッシュとなりました。ミケリスは3つ順位を上げ、6位でフィニッシュしました。
続いて行われたメインレースは、ミケリスが2番手、ハフが6番手、モンテイロが8番手からのスタート。フロントローのミケリスがスタートで飛び出し、ポールポジションからスタートしたホセ・ロペス(シトロエン)を抑え、いきなりトップに躍り出ます。その後はミケリス、ロペス、ミュラーの順で激しいトップ争いが続きますが、6ラップ目にこの3台が絡み、ミケリスとミュラーがコースアウト。この混乱をうまく抜け出したロペスが、トップでフィニッシュしました。ハフは順位を上げ3位、モンテイロが4位、ミケリスは8位でレースを終えました。次戦ではいよいよ、日本のツインリンクもてぎへと戦いの舞台を移します。
ノルベルト・ミケリス(#5)
ノルベルト・ミケリス(#5)
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | T.チルトン | シトロエン | 13 | 23'08.487 |
2 | 12 | ロブ・ハフ | ![]() | 13 | +0.792 |
3 | 68 | Y.ミュラー | シトロエン | 13 | +1.384 |
4 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() | 13 | +2.471 |
5 | 37 | J.ロペス | シトロエン | 13 | +7.646 |
6 | 5 | ノルベルト・ミケリス | ![]() | 13 | +9.897 |
15 | 99 | ダニエル・ナギ | ![]() | 13 | +36.180 |
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | J.ロペス | シトロエン | 14 | 24'52.898 |
2 | 9 | T.コロネル | シボレー | 14 | +2.032 |
3 | 12 | ロブ・ハフ | ![]() | 14 | +2.583 |
4 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() | 14 | +3.956 |
5 | 68 | Y.ミュラー | シトロエン | 14 | +4.305 |
6 | 86 | E.グエリエリ | シボレー | 14 | +8.740 |
8 | 5 | ノルベルト・ミケリス | ![]() | 14 | +11.649 |
17 | 99 | ダニエル・ナギ | ![]() | 14 | +37.987 |
堀内大資|Civic WTCC開発プロジェクトリーダー
「アルゼンチンのコースは、ストレートと高速コーナーが多く、我々としては苦戦を想定しましたが、予選、決勝ともに上位で戦えたことは大きな成果でした。しかし、メインレースでトップのミケリス選手が後続と絡んでコースオフし、勝てるはずのレースを落としたことは非常に残念です。前戦ポルトガル大会のあと、スペインでテストを行い、マシンの熟成がさらに進みました。今回の結果はその証明であり、3人のワークスドライバーもがんばってくれました。予選でQ3に進み、メインレースでトップを走ったミケリス選手、両レースで表彰台を獲得したハフ選手、両レースとも4位という上位でポイントをかせいでくれたモンテイロ選手と、3人ともワークスドライバーらしい見事な活躍を披露してくれました。次戦はいよいよ日本でのレースとなり、3年ぶりに日本人ドライバーが、Honda Civic WTCCで参戦します。道上龍選手はテストで十分な走りをみせていましたので、いい戦いをしてくれると期待しています。Hondaにとってホームレースとなるツインリンクもてぎでの戦いに向け、マシンについては万全の準備を行い、最高の結果を得るべく全力を尽くしますので、応援をよろしくお願いします」