世界ツーリングカー選手権の第7戦ポルトガルラウンドの舞台は、ポルトより約100km内陸のヴィラ・レアルという古い街での市街地コース。この市街地コースは、1930年代に始まり、1960年代はF3も行われたという歴史あるコースです。前半は登りのワインディングコーナーが続き、後半は高速コーナーとストレートのダウンヒル。昨年のコースに対して、スタート直後にシケインが新設され、また、部分的に舗装が改修され、多少綺麗な路面となりました。なお、今回Honda勢は、サスペンションのセッティングを見直し、戦いに挑みました。
ティアゴ・モンテイロ
ティアゴ・モンテイロ
Q2の10番手までがリバースグリッドでスタートするオープニングレースは、13ラップの戦い。ロブ・ハフ(Castrol Honda World Touring Car Team)が7番手、ノルベルト・ミケリス(Honda Racing Team JAS)が8番手、ティアゴ・モンテイロ(Castrol Honda World Touring Car Team)が10番手からのスタートとなりました。
ティアゴ・モンテイロ(中央)、ノルベルト・ミケリス(右)
表彰式
パスすることが難しい今回のコースで、レースはほぼスタート順のポジションを保ち展開。11ラップ目において、ハフが先行するテッド・ビョーク(ボルボ)のを抜いて6位フィニッシュ。ミケリスが8位、モンテイロ10位でした。
ロブ・ハフ(左)、ノルベルト・ミケリス(右)
ロブ・ハフ(#12)、ノルベルト・ミケリス(#5)
14ラップで争われたメインレースは、地元出身のモンテイロがポールポジション(PP)から、ミケリスが3番手、ハフが4番手からと、Honda勢はミスが絶対に許されない好ポジションからスタートしました。
レースは予想通りスタートポジションを守って進み、PPスタートのモンテイロが2位のミューラーに0.8秒差をつけて優勝。ミケリスが3位、ハフが4位となりました。
ノルベルト・ミケリス
ノルベルト・ミケリス(手前)
今回のポルトガルラウンドをもって、ヨーロッパラウンドが終了。次のレースは8月7日(日)、南米アルゼンチンのテルマス・デ・リオ・オンドで行われます。
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | T.コロネル | シボレー | 13 | 26'11.089 |
2 | 3 | T.チルトン | シトロエン | 13 | +0.597 |
3 | 10 | N.キャッツバーグ | ラーダ | 13 | +2.626 |
4 | 25 | M.ベナーニ | シトロエン | 13 | +3.145 |
5 | 37 | J.ロペス | シトロエン | 13 | +3.626 |
6 | 12 | ロブ・ハフ | ![]() | 13 | +4.332 |
8 | 5 | ノルベルト・ミケリス | ![]() | 13 | +5.452 |
10 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() | 13 | +8.054 |
14 | 55 | フェレンツ・フィクザ | ![]() | 13 | +30.555 |
17 | 99 | ダニエル・ナギ | ![]() | 13 | +1'07.844 |
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() | 14 | 27'53.321 |
2 | 68 | Y.ミュラー | シトロエン | 14 | +0.821 |
3 | 5 | ノルベルト・ミケリス | ![]() | 14 | +2.181 |
4 | 12 | ロブ・ハフ | ![]() | 14 | +3.402 |
5 | 37 | J.ロペス | シトロエン | 14 | +16.164 |
6 | 62 | T.ビョーク | ボルボ | 14 | +17.374 |
15 | 55 | フェレンツ・フィクザ | ![]() | 14 | +47.654 |
17 | 99 | ダニエル・ナギ | ![]() | 3 | +11Laps |
ドライバー
順位 | No. | ドライバー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
- | 1 | 37 | J.ロペス | シトロエン | 244 |
▲ | 2 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() | 143 |
- | 3 | 10 | N.キャッツバーグ | ラーダ | 139 |
▼ | 4 | 25 | M.ベナーニ | シトロエン | 134 |
- | 5 | 68 | Y.ミュラー | シトロエン | 133 |
- | 6 | 5 | ノルベルト・ミケリス | ![]() | 127 |
▲ | 7 | 12 | ロブ・ハフ | ![]() | 125 |
▼ | 18 | 55 | フェレンツ・フィクザ | ![]() | 2 |
- | 22 | 99 | ダニエル・ナギ | ![]() | 0 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | シトロエン | 633 |
- | 2 | ![]() |
459 |
- | 3 | ラーダ | 379 |
- | 4 | ポールスター | 185 |
堀内大資|Civic WTCC開発プロジェクトリーダー
「母国でのレースで、モンテイロ選手がポールポジションから優勝を果たしました。我々はもちろん、地元のヒーローを応援する大勢のファンの皆さんにとっても最高の結果となり、とてもうれしく思っています。ヴィラ・レアルは、一般公道を使ったとてもリスクの高い難コースですが、Hondaのワークスドライバー3人は予選から好調で、レースでもとてもすばらしい戦いを披露してくれました。モンテイロ選手の活躍に加え、予選で3台がそろってQ3に進出できたこと、オープニングレースを無事に乗りきり、メインレースで1、3、4位という結果を残したことなど、ドライバーとチーム全員の努力の成果だと思います。マシンとしては、これまでと大きく変わっていませんが、サスペンションのセットアップがうまく決まり、グリップレベルが向上したことが、好結果につながった一因と考えています。これでヨーロッパラウンドは終わり、シーズン前半戦をいい状態で締めくくれました。開幕から3カ月で7大会14レースという非常に過密なスケジュールでしたが、それを乗りきり、マシンのレベルアップ、ドライバーのスキルの高さは十分に確認できました。7月にはテストを予定していて、後半戦に向けてさらなる速さを得る努力を続け、タイトル奪取に向けて全力を尽くします。そして、レベルアップしたHonda Civic WTCCを、9月の日本ラウンドで皆さんにお見せしたいと思うので、引き続き応援をよろしくお願いします」