前日のクラッシュにより大破したロブ・ハフ(Castrol Honda World Touring Car Team)のマシンは、ほぼ徹夜でのチームによる修理で間に合い、早朝のフリープラクティスには、Honda Civic WTCCが3台そろって走行しました。しかし、残念ながらハフのマシンは、終了間際のトライでコースアウトし、左フロントを破損。再び修理を強いられました。
予選は、昨年に比べて気温が高かったものの、昨年と同等の争いとなり、ノルベルト・ミケリス(Honda Racing Team JAS)が4番手、ハフが8番手、ティアゴ・モンテイロ(Castrol Honda World Touring Car Team)が10番手に終わりました。
ノルベルト・ミケリス
ノルベルト・ミケリス(#5)
MAC3(Manufacturers Against the Clock)は、シトロエンとの一騎打ちとなりました。Honda勢は3台そろってスタートを決め、シトロエンに1.5秒の差をつけて勝利。25Kmの長いコースにおいて、完ぺきな戦いでこれを制しました。
予選の上位10台がリバースグリッドでスタートするオープニングレースで、モンテイロがポールポジション、ミケリスが6番手、エンジン交換をしたハフが16番手からのスタートとなりました。モンテイロは好スタートを決め、トップで最終ラップのセクター3までレースをリードしましたが、タイヤがバーストしたことでコースアウト。そこに2番手を走行していたイヴァン・ミュラー(シトロエン)が絡み、惜しくもリタイヤとなりました。結果、ミケリスが3位、ハフは4位となりました。モンテイロは、病院に搬送され、続くメインレースは欠場となりました。
ロブ・ハフ
ティアゴ・モンテイロ(#18)
オープニングレースでタイヤバーストが複数発生したことで、メインレースのノルドシュライフ(北コース)での実施が検討されましたが、空気圧を1.8bar以上にすることで、そのまま実施されることに。ミケリスが2番グリッド、ハフが5番グリッドからのスタートとなりました。ミケリスは好スタートでトップに立ちましたが、ホセ・ロペス(シトロエン)に抜き返されて2位。ハフが4位でレースを終えました。
順位 | No. | ドライバー | マシン | タイム/差 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | J.ロペス | シトロエン | 26'36.640 | |
2 | 3 | T.チルトン | シトロエン | +0.526 | |
3 | 5 | ノルベルト・ミケリス | ![]() |
+6.653 | |
4 | 12 | ロブ・ハフ | ![]() |
+7.971 | |
5 | 25 | M.ベナーニ | シトロエン | +10.126 | 6 | 7 | H.ヴァレンテ | ラーダ | +12.568 |
13 | 55 | フェレンツ・フィクザ | ![]() |
+38.331 | |
DNC | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() |
+2Laps |
順位 | No. | ドライバー | マシン | タイム/差 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | J.ロペス | シトロエン | 26'29.665 | |
2 | 5 | ノルベルト・ミケリス | ![]() |
+0.435 | |
3 | 3 | T.チルトン | シトロエン | +0.915 | |
4 | 12 | ロブ・ハフ | ![]() |
+1.908 | |
5 | 25 | M.ベナーニ | シトロエン | +2.431 | 6 | 10 | N.キャッツバーグ | ラーダ | +4.905 |
13 | 55 | フェレンツ・フィクザ | ![]() |
+33.913 |
堀内大資|Civic WTCC開発プロジェクトリーダー
「レース1では、モンテイロ選手がタイヤのトラブルによって目前の勝利を逃してしまい、とても残念でした。激しいクラッシュを喫しましたが、モンテイロ選手が無事でなによりです。ハフ選手は、フリー走行でのクラッシュでエンジン交換を余儀なくされ、レース1では最後尾からのスタートとなりましたが、レースではすばらしい追い上げで、最後は4位となる健闘をみせてくれました。また、ミケリス選手は両レースで表彰台を獲得しています。加えてMAC3(Manufacturers Against the Clock)で勝つことができ、3人のドライバーのパフォーマンスは満足できるものでした。 今回、ニュルブルクリンクという特殊なサーキットに合わせ、エンジンの吸気系をチューニング。パワーアップを図っています。その効果は確認できたのですが、勝利という目標には届かず、残念な結果に終わりました。 今大会では、我々のマシンがレギュレーションに違反しているとされ、ハンガリー、モロッコの2戦のリザルトから除外という厳しい裁定が出ましたが、我々としては全く納得できないことです。違反とされたフロアパネルについては、ホモロゲーション上、重量の具体的な規定はなく、ハンガリーでの車検でも違反とはされていません。どこが違反なのかというきちんとした説明がないまま、一方的に裁定が下されたことに抗議し、我々はFIAに上訴しています。この争いとは関係なく、今後もさらにHonda Civic WTCCのパフォーマンスアップを図り、チャンピオンシップ獲得に向けて努力を続けます」