Honda Civic WTCCは、前回の開幕戦フランスにおいて、シャシーの剛性を高めたことで、低速およびクイックなコーナーでの性能の向上が確認されました。そして第2戦スロバキアでは、さらに高速コーナーでの性能の向上を目指したセッティングに変更して挑みました。
(左から)ティアゴ・モンテイロ、ロブ・ハフ、堀内大資
ティアゴ・モンテイロ
予選では、ノルベルト・ミケリス(Honda Racing Team JAS)とロブ・ハフ(Castrol Honda World Touring Car Team)がQ3に進出。それぞれ予選4番手と5番手となりました。Q3進出がかなわなかったティアゴ・モンテイロ(Castrol Honda World Touring Car Team)は、7番手で予選を終えました。
ティアゴ・モンテイロ
ティアゴ・モンテイロ
Q2のトップ10台がリバースグリッドとなって行われるオープニングレースでは、モンテイロが4番手、ハフが6番手、ミケリスが7番手からのスタートとなりました。好スタートを切ったモンテイロとハフは、1コーナーで2番手と3番手にポジションアップ。一方のミケリスは8番手に後退しますが、6周目にボルボの1台を抜き7番手に浮上しました。さらにミケリスは、終盤の10周目にはシトロエンのイヴァン・ミュラーをパスし、6番手にポジションを上げました。
ロブ・ハフ
ロブ・ハフ(#12)、ノルベルト・ミケリス(#5)
一方、トップのメディ・ベナーニ(シトロエン)を追うモンテイロは、8周目にトップを奪取してそのままフィニッシュ。結果、モンテイロが優勝、ハフが3位、ミケリスが6位となり、スロバキアでも君が代を聴くことができました。
ロブ・ハフ(#12)、ノルベルト・ミケリス(#5)
続くメインレースでは、ミケリスが4番手、ハフが5番手、モンテイロが7番手からスタート。モンテイロがスタートを成功させ、1コーナーではモンテイロ、ハフ、ミケリスが、それぞれ4番手、5番手、6番手で走行し、先行するミュラーとヒューゴ・バレンテ(ラーダ)を、3〜4周目にかけてHonda勢が次々にパス。さらに前を走るニッキー・カツバーグ(ラーダ)、ホセ・マリア・ロペス(シトロエン)を追いますが、終盤の10周目にハフのマシンがパンクしたため、コースアウトして脱落。最終ラップでモンテイロがカツバーグを抜いて2番手に浮上するものの、ロペスには届かず2位でフィニッシュ。ミケリスは4番手まで浮上しますが、最終周にこちらもパンクし、残念ながら5位でレースを終えましました。しかし、レース後の車検でライバルが失格となったため、ミケリスは、最終的に4位となりました。
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() | 11 | 23'30.309 |
2 | 25 | M.ベナーニ | シトロエン | 11 | +2.526 |
3 | 12 | ロブ・ハフ | ![]() | 11 | +3.119 |
4 | 2 | G.タルクィーニ | ラーダ | 11 | +9.247 |
5 | 37 | J.ロペス | シトロエン | 11 | +9.453 |
6 | 5 | ノルベルト・ミケリス | ![]() | 11 | +10.085 |
16 | 55 | フェレンツ・フィクザ | ![]() | 8 | +3Laps |
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | J.ロペス | シトロエン | 12 | 25'44.212 |
2 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | ![]() | 12 | +0.700 |
3 | 10 | N.キャッツバーグ | ラーダ | 12 | +3.260 |
4 | 5 | ノルベルト・ミケリス | ![]() | 12 | +4.620 |
5 | 68 | Y.ミュラー | シトロエン | 12 | +4.737 |
6 | 25 | M.ベナーニ | シトロエン | 12 | +5.262 |
14 | 12 | ロブ・ハフ | ![]() | 10 | +2Laps |
DNS | 55 | フェレンツ・フィクザ | ![]() | 0 | - |
堀内大資|Civic WTCC開発プロジェクトリーダー
「前戦フランス大会に続いて、今大会でも勝利できたことは、Honda Civic WTCCが速さを増した証明だと思います。モンテイロ選手はメインレースでも2位となり、すばらしい活躍でした。今大会に向けてリア回りのアップデートを行いましたが、その効果がタイトコーナーでの安定性やスピードアップを通して確認できたので、今後は高速コーナーでの性能をより高めるつもりです。今シーズンのマシンは全体に剛性のアップを図り、戦闘力がかなり高くなっています。昨年の予選タイムとの比較でもそれは明らかで、今後セッテイングをより進めることによって、さらにタイムを詰められるはずです。シーズン序盤の2戦は好結果でスタートできましたので、これからも努力を続け、タイトル獲得を目指します」