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2014年2月27日(木)

Honda Civic WTCC バルセロナ テストレポート(2月11日〜14日)

世界ツーリングカー選手権(WTCC)に参戦するカストロール・ホンダ・ワールド・ツーリングカー・チーム(Castrol Honda World Touring Car Team)は、2014年シーズンに向けたウインターテストを行い、ニューマシンの熟成を進めています。WTCCは、2014年よりレギュレーションが変わり、マシンはパフォーマンスも外観も、大きく変わります。1.6Lターボエンジンについてもレギュレーションが変更となり、Hondaは今シーズンに向けて新たなエンジンを投入します。

2014年仕様のCivic WTCCは、1月中旬にイタリアでシェイクダウンをしたあと、1月下旬にスペインのアラゴン、2月中旬にスペインのバルセロナでテストを行いました。

2回目のウインターテストとなるバルセロナでのテストは、2月11日より4日間の日程で実施されました。新規格となる2014年仕様の基本性能を確認するためのテストプログラムが中心で、ワイドかつ大径化されたタイヤと、トーションビームからストラット方式に一新されたリアサスペンションのセッティング、さらにはコーナリング性能の確認、及びワイド化されたボディー、大型化されたリアスポイラーなど新たな空力パーツの確認とテストを行っています。

エンジンについては、レギュレーション変更によって、リストリクターがφ33mmからφ36mmへ大型化され、より多くの空気がシリンダー内に流入するようになった結果、馬力も大幅にパワーアップ。これに伴い、新たなマッピングや制御系の確認などがテストメニューの中心となっています。

ドライバーはガブリエーレ・タルクィーニ選手とティアゴ・モンテイロ選手で、前半3日間をタルクィーニ選手が担当しました。

テストでは、車体に初期トラブルが発生しましたが、新型車の本格的実走テストとしては当然のことで、トラブルを早い時期に潰していくためにも有意義なものでした。そして、サスペンションなど各部のセッティングにもトライできるほどプログラムを進めることができました。エンジン側はパワーアップとドライバビリティーの向上も確認でき、こちらも成果の大きなテストを行うことができました。4日間でトータル236周、約1100kmを走行し、初期段階のテストとしては順調にプログラムをこなしています。


堀内大資|Honda Civic WTCC開発プロジェクトリーダーのコメント
「アラゴンで行った最初のテストでは、クルマの基本性能を確認し、各部の改善項目が洗い出されました。その後、2週間を経てオイルタンク、リヤウイング、サスペンションなど新たな対策を施したパーツを組み込み、バルセロナのテストに持ち込んでいます。

バルセロナのテストは、それら対策部品の確認に加え、初回と同様に基本性能の確認が中心でした。対策部品はさらなる改善が必要なものもあり、それらは次回のテストまでの課題となりました。エンジンについては、『信頼性の確認は実走テストでのデータと結果が、ダイナモでのテストより重要』という昨年の経験をふまえ、アラゴン、バルセロナと使って2000km以上走ったエンジンを日本に送り返し、すべて分解してチェックします。エンジンにトラブルはなく、パワー、ドライバビリティーともに向上が確認されました。今後、昨シーズンの反省点でもある加速性能の向上など、さらなるポテンシャルアップを目指します。

次回テストの直後にホモロゲーションの査察がありますので、マシンスペックの決め込みは今回と次のテストが勝負となります。これまで2回のテストでは、初期のテストらしく壊れたり、漏れたりしましたが、新しいCivic WTCCがだんだん一人前となり、全力で走ったり曲がったりできるようになる姿は頼もしく見えました。初期トラブルの対策が進み、テスト後半にはマシンのチューニングやセッティングが始められる段階になってきたことも、チーム全体のポテンシャルが上がっていることの表れだと思います。

レギュレーションの変更によって今年のWTCCマシンはかなり速くなり、レースも激しさを増すと思われます。我々のCivic WTCCも、さらに性能を向上させ、より戦闘力の高いマシンに仕上げたいと思います」