モトクロス世界選手権第11戦ヨーロッパGPが、イタリアのマントバで開催されました。トリプルヘッダーの3戦目(日曜/水曜/日曜)を迎えましたが、フリープラクティス、タイムドプラクティス、レース1、レース2というワンデーフォーマットもすっかり定着してきたようです。
Team HRCの作戦としては今回も変わらず、パッシングの困難なマントバでの鍵は、オープニングラップからレースの主導権を握ることでした。スタートに成功するための第一段階として、ティム・ガイザー(Team HRC)とミッチェル・エバンス(Team HRC)は、積極的なタイムアタックを敢行。午前中に行われた計時予選では、ガイザーが1分48秒915を記録し2番手、エバンスは1分50秒315で12番手につけました。
レース1のスタートでは、ガイザーが4番手、エバンスが5番手につけましたが、前方で起きた追突事故により2番手、3番手に上がりました。オープニングラップのリーダーは、ディラン・ウォルシュ(JM Honda Racing)で、序盤はHonda CRFが1-2-3を独占しました。ガイザーは何度目かのトライで5周目、ウォルシュをかわしてトップに躍り出ます。エバンスはホルヘ・プラド(KTM)にパスされましたが、ウォルシュを抜いて3番手に返り咲きました。中盤は上位8台が6秒以内となる接近戦。その集団の中から上がってきたグレン・コルデンホフ(ガスガス)が、エバンス、プラドを抜いてトップのガイザーをも脅かしましたが、ガイザーが逃げきり今季8勝目のレースウイン。エバンスはアントニオ・カイローリ(KTM)の猛攻をしのいで、4位フィニッシュを果たしました。
MX2クラスのレース2が始まる前に雨が降りましたが、路面にはあまり影響ありませんでした。MXGPのレース2では、ホールショットこそプラドに譲ったものの、ガイザーがすぐさまトップに浮上。エバンスは16番手と出遅れました。ガイザーは2番手に入れ替わったカイローリに3秒差をつけていましたが、4周目に単独転倒で2番手に後退。ガイザーは終盤までカイローリを1~2秒差で追いかけましたが、逆転には至らず2位でフィニッシュ。エバンスは中盤に2台を抜き、8位でチェッカーを受けました。この結果、オーバーオールではガイザーが今季初優勝(1位/2位)、エバンスが5位(4位/8位)。シリーズランキングでは、首位のガイザーがポイントを上積みし11点差としています。
ティム・ガイザー(1位/2位 総合1位)
「ポディウムの最上段に戻ってくることができたので、とても素晴らしい最高の気分です。今シーズンは何勝も挙げていますが、オーバーオールウインとなるとこれが初めてのことなんです。悪い思い出もあるこのマントバで、総合優勝を達成できたことがうれしくてなりません。レース内容には満足しています。レース1では終盤にかけて少し腕アガリを起こしたため、思っていたよりも追い付かれましたが、それでも勝ちに変わりはないのでOKです。レース2でも好スタートを決めることができたし、すかさずトップに立てたのですが、残念ながら中盤の転倒で2番手に逆戻り。再度リードを奪おうと必死に攻めたのですが、結果的には2位でオーバーオールウイナーとなりました。私をサポートし続けてくれるTeam HRCのスタッフ全員に対し、心からの感謝の意を表したいと思います。次戦スペインGPが待ち遠しくてたまりません」
ミッチェル・エバンス(4位/8位 総合5位)
「今日はうれしさと悔しさが半々……という日でした。レース1では好スタートに加え、いくつかパッシングも上手く決まったので、レースのほとんどの間3番手を走っていました。結果的に4位でしたが、それでも上位のライダーと一緒に走れて楽しかったです。レース2ではゲートの飛び出しから失敗でしたが、抜きにくいこのコースでは、スタート失敗はイコール苦戦することを意味しています。それでも8位まで挽回し、総合5位をゲットしました。これは今シーズン開幕戦のマタリーベイズンで得たオーバーオールに並ぶものなので、とても喜ばしいリザルトです。今日は何としてもポディウム登壇を実現させたかったのですが、上手くいかなかったようです。とはいえ残り7戦のチャンスがあるので、まず次のスペインGPで狙ってみるつもりです」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 17 | 34'17.344 |
2 | 259 | G.コルデンホフ | ガスガス | 17 | +01.263 |
3 | 61 | J.プラド | KTM | 17 | +04.925 |
4 | 43 | ミッチェル・エバンス | ![]() | 17 | +08.675 |
5 | 222 | A.カイローリ | KTM | 17 | +09.994 |
6 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 17 | +11.544 |
14 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 17 | +1'03.716 |
16 | 92 | バレンティン・ギロド | ![]() | 17 | +1'13.417 |
21 | 555 | アルテム・グリエフ | ![]() | 16 | +1Lap |
22 | 53 | ディラン・ウォルシュ | ![]() | 9 | +8Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 17 | 34'09.190 |
2 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 17 | +02.652 |
3 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 17 | +06.339 |
4 | 3 | R.フェーヴル | カワサキ | 17 | +08.174 |
5 | 259 | G.コルデンホフ | ガスガス | 17 | +20.703 |
6 | 25 | C.デサール | カワサキ | 17 | +26.332 |
8 | 43 | ミッチェル・エバンス | ![]() | 17 | +33.840 |
15 | 53 | ディラン・ウォルシュ | ![]() | 17 | +1'28.534 |
20 | 92 | バレンティン・ギロド | ![]() | 16 | +1Lap |
21 | 555 | アルテム・グリエフ | ![]() | 15 | +2Laps |
22 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 9 | +8Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 399 |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 388 |
3 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 369 |
4 | 61 | J.プラド | KTM | 341 |
5 | 259 | G.コルデンホフ | ガスガス | 341 |
6 | 3 | R.フェーヴル | カワサキ | 304 |
11 | 43 | ミッチェル・エバンス | ![]() | 228 |
12 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | ![]() | 197 |
21 | 6 | ブノワ・パトゥレル | ![]() | 45 |
22 | 53 | ディラン・ウォルシュ | ![]() | 41 |
32 | 92 | バレンティン・ギロド | ![]() | 15 |
35 | 151 | ハリー・クラス | ![]() | 11 |
39 | 201 | ザッカリー・ピション | ![]() | 2 |
41 | 297 | アントン・ゴール | ![]() | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 489 |
2 | ![]() | 436 |
3 | ヤマハ | 418 |
4 | カワサキ | 373 |
5 | ガスガス | 355 |
6 | ハスクバーナ | 277 |