カタール、インドネシア、アルゼンチン、メキシコと、世界各地を転々としてきたモトクロス世界選手権は、今大会からシリーズの主戦場となるヨーロッパを中心にカレンダーが組まれています。ヨーロッパラウンドの初戦となるイタリアGPには、開幕戦のような雰囲気が漂っていました。
イタリアのマーティン・レーシングとガリボルディ・レーシングが母体となっているTeam HRCにとって、今回のイタリアGPはまさにホームグランプリ。レース中は、アジアやラテンアメリカとは異なる、地元ファンの声援に後押しされていました。
レース1では、序盤からティム・ガイザー(Team HRC)とアントニオ・カイローリ(KTM)が激しいトップ争いを展開。しかし、カイロ―リに先行されたあとはガイザーのペースが上がらず、2番手を死守する走行が続きました。本来のライディングを発揮できないガイザーは、終盤になってアーヌー・トヌス(ヤマハ)にも先行を許し、3位でフィニッシュとなりました。
一方、チームメートのイブジェニー・ボブリシェフは、土曜に行われた予選レース中に他車と衝突。その際に足を負傷し、痛みを押しての出場となりました。レース1では6番手でスタートし、途中でジェレミー・バン・ホービーク(ヤマハ)にかわされるも、その後はポジションをキープして7位でチェッカーを受けました。
ティム・ガイザー
レース2では、気持ちをリセットして臨んだガイザーがホールショットを獲得。さらに2番手にボブリシェフが続き、Team HRCによる1-2態勢を築きました。このまま行けばダブルポディウムが実現する状況でしたが、1周目の転倒からばん回してきたカイローリが、最終ラップにボブリシェフをかわして2位となったため、叶いませんでした。
このレースでスタート・トゥ・フィニッシュを飾ったガイザーが総合2位に、ボブリシェフは総合4位になりました。ランキングでは、世界選手権のポイントリーダーを示すレッドナンバープレートを付けるガイザーの首位は安泰。ボブリシェフは今大会でのポイント加算によって、ランキング6位から4位にジャンプアップしています。
ティム・ガイザー(MXGP 3位/優勝 総合2位)
「今日は内容が違う2レースになりました。レース1ではスタートがあまりよくなく、しかも乗れていない感じがありました。身体の動きが硬くて、腕上がりにもなりました。だから3位になれたことがうれしかったくらいです。レース序盤に(アントニオ)カイローリ(KTM)を抜いて、一瞬トップに立ったときのミスがきっかけで、リズムに乗れなくなってしまいました。レース2ではホールショットを決めて、少しリードすることができたし、乗り方を分かっている感じがあり、レースを掌握できました。常に後ろを確認していたのは、ボブリシェフとカイローリがとても速かったからです。観衆の熱狂ぶりがものすごかったし、総合2位というリザルトにとても満足しています」
イブジェニー・ボブリシェフ(MXGP 7位/3位 総合4位)
「昨日のクラッシュを含めて考えれば、今回の成績は上出来だったと思います。昨日ケガした足の痛みが一夜明けても引かなかったので、メディカルセンターに行って鎮痛剤をもらう必要がありました。レース1ではスタートこそ悪くなかったのですが、そこから先はなかなかペースを上げることができず、苦労しました。序盤はただただ遅くて、一瞬でも前の方にとどまっていられなかったのです。7位という結果には納得がいかなかったので、レース2に向けて少しセッティングを変えてみたところ、自信が戻ってきて、いい走りができました。レース2ではティムと一緒に好スタートが決まって、ずっと上位に安定していました。最終ラップでカイローリに逆転されたため、2位は逃してしまいましたが、自分の走りには満足しています。Team HRCが一丸となってサポートしてくれたので、それが今回の成績につながりました。次戦のファルケンスワードは家から近いコースなので、楽しみにしています」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 19 | 33'35.084 |
2 | 4 | A.トヌス | ヤマハ | 19 | +02.278 |
3 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 19 | +06.158 |
4 | 21 | G.ポーリン | ハスクバーナ | 19 | +07.369 |
5 | 25 | C.デサール | カワサキ | 19 | +09.722 |
6 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 19 | +11.423 |
7 | 777 | イブジェニー・ボブリシェフ | ![]() | 19 | +40.550 |
18 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | ![]() | 19 | +1'17.343 |
19 | 71 | デイモン・グラウルス | ![]() | 19 | +1'20.352 |
21 | 920 | アンデル・バレンティン | ![]() | 19 | +1'41.847 |
24 | 92 | バレンティン・ギロド | ![]() | 19 | +1'47.156 |
39 | 173 | ピエル・フィリッポ・ベルトゥッツォ | ![]() | 0 | +19Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 19 | 33'36.300 |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 19 | +04.165 |
3 | 777 | イブジェニー・ボブリシェフ | ![]() | 19 | +06.147 |
4 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 19 | +06.881 |
5 | 25 | C.デサール | カワサキ | 19 | +08.830 |
6 | 21 | G.ポーリン | ハスクバーナ | 19 | +10.714 |
13 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | ![]() | 19 | +45.852 |
16 | 71 | デイモン・グラウルス | ![]() | 19 | +58.256 |
19 | 92 | バレンティン・ギロド | ![]() | 19 | +1'07.353 |
36 | 920 | アンデル・バレンティン | ![]() | 12 | +7Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 201 |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 183 |
3 | 25 | C.デサール | カワサキ | 151 |
4 | 777 | イブジェニー・ボブリシェフ | ![]() | 145 |
5 | 21 | G.ポーリン | ハスクバーナ | 145 |
6 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 144 |
20 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | ![]() | 29 |
21 | 92 | バレンティン・ギロド | ![]() | 26 |
24 | 71 | デイモン・グラウルス | ![]() | 7 |
25 | 60 | ヘトロ・サラサール | ![]() | 4 |
26 | 179 | ホアキン・ポリ | ![]() | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | ![]() | 201 |
2 | KTM | 187 |
3 | ヤマハ | 173 |
4 | ハスクバーナ | 153 |
5 | カワサキ | 151 |
6 | スズキ | 100 |