モトクロス世界選手権第8戦は、イタリアのピエトラムラタで開催されました。HondaのワークスマシンCRF450RWを駆るティム・ガイザー(Team Honda Gariboldi Racing)が、総合3位に入り、開幕からここまで全戦での表彰台登壇を達成。一方、Team HRCの両ライダーは苦戦を強いられ、イブジェニー・バブリシェフは、転倒から巻き返しをみせて総合6位入賞、ケガからの復帰戦となったゴーティエ・ポーリンはレース2で9位となり、ポイントを獲得しました。
ティム・ガイザー
ティム・ガイザー
ガイザーはレース1の序盤でポジションを大幅に落とし、18番手から追い上げる戦いとなりました。1周目で9番手までばん回すると、さらにペースを上げて残り22分の段階で5番手まで浮上。ファステストラップを叩き出しながら4番手まで順位を上げ、2番手争いに加わりましたが、終盤に転倒してしまい、トップから約5秒差の4位でフィニッシュしました。
ティム・ガイザー
ティム・ガイザー
レース2はホールショットから後続を引き離す得意の展開に持ち込んだガイザー。2番手に約7秒の差を付けてレースをリードしましたが、レース中盤にまたもや転倒を喫し、6番手までポジションダウン。そこから最速ラップをマークして追い上げ、4位でゴールし、総合3位で表彰台登壇を果たしました。
イブジェニー・バブリシェフ
イブジェニー・バブリシェフ
Team HRCのライダーは不運に苦しめられる一日となりました。レース1は、バブリシェフ、ポーリンともに序盤で転倒。ポーリンのマシンはレースの続行が難しく、そこでリタイアとなりましたが、バブリシェフはなんとか追い上げ、9位でフィニッシュしました。
イブジェニー・バブリシェフ
ゴーティエ・ポーリン
レース2では、両選手とも上々の滑り出しをみせます。レースが進むにつれて路面状況は変化し、バブリシェフは3位でフィニッシュしたものの、ポーリンは腕上がりも出てペースを落としてしまい、9位でチェッカーを受けました。
ゴーティエ・ポーリン
イタリアに本拠地を置くTeam Honda Gariboldi Racingにとっては、今大会がホームレースとなりましたが、ホルヘ・ザラゴザ、ダヴィド・エーブルトゥともに厳しい戦いを強いられました。
レース1では、ザラゴザが8番手、エーブルトゥが17番手で1周目を終えますが、その後ザラゴザは徐々に順位を落としてしまい、19位でフィニッシュ。エーブルトゥは一つでも上の順位を目指して懸命にプッシュし、15位までポジションアップしてゴールしました。
レース2ではザラゴザが中盤まで10番手をキープしましたが、終盤に激しいクラッシュを喫したためにストップ。エーブルトゥもレース中盤で残念ながらリタイアとなっています。
次戦はザラゴザのホームレースとなるスペインGP。チーム・ライダーともに、巻き返しに向けてハードワークを続けていきます。
ダヴィド・エーブルトゥ(MX2 15位/38位 総合20位)
「今日はマシンのフィーリングがよくなかったです。両レースともリズムがつかめずに、自分自身と戦っていたような感覚です。レース2は特に難しく、レースを完走することさえできませんでした。リタイアしたのは初めてなので悔しいですが、また頑張っていきます」
ホルヘ・ザラゴザ(MX2 19位/37位 総合23位)
「スタートはあまりよくなかったものの、1周目では多くのライダーをパスできて、9番手近くまでポジションを戻せました。マシンのフィーリングもよく、うまく乗れていましたが、レース2のジャンプ地点の傾斜でミスをしてしまい、激しく転倒して頭を打ってしまいました。少し混乱しながらも、残り4〜5周だったのでレースに復帰しようと思いましたが、安全性を考えてやめました。チームのみんなが頑張ってくれたのに、申し訳なく思っています。次に迎えるスペインでのホームレースに集中しなければなりません」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 19 | 33'50.549 |
2 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 19 | +01.934 |
3 | 22 | K.ストリボス | スズキ | 19 | +03.076 |
4 | 243 | ティム・ガイザー | 19 | +05.585 | |
5 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 19 | +07.778 |
6 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 19 | +42.411 |
9 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 19 | +57.919 | |
18 | 400 | 山本鯨 | 19 | +1'37.451 | |
19 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 19 | +1'40.314 | |
32 | 214 | サミュエル・ゼニ | 18 | +1Lap | |
34 | 173 | ピエル・フィリッポ・ベルトゥッツォ | 6 | +13Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 19 | 33'54.298 |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 19 | +00.565 |
3 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 19 | +04.628 | |
4 | 243 | ティム・ガイザー | 19 | +06.656 | |
5 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 19 | +12.571 |
6 | 22 | K.ストリボス | スズキ | 19 | +20.509 |
9 | 21 | ゴーティエ・ポーリン | 19 | +44.670 | |
12 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 19 | +56.226 | |
18 | 400 | 山本鯨 | 19 | +1'37.991 | |
24 | 173 | ピエル・フィリッポ・ベルトゥッツォ | 18 | +1Lap | |
30 | 214 | サミュエル・ゼニ | 13 | +6Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | D.フェランディス | カワサキ | 19 | 33'59.380 |
2 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 19 | +01.237 |
3 | 41 | P.ヨナス | KTM | 19 | +37.972 |
4 | 91 | J.シーワー | スズキ | 19 | +38.934 |
5 | 99 | M.アンスティ | ハスクバーナ | 19 | +53.819 |
6 | 321 | S.ベルナルディーニ | TM | 19 | +58.659 |
15 | 338 | ダヴィド・エーブルトゥ | 19 | +1'35.935 | |
19 | 101 | ホルヘ・ザラゴザ | 19 | +1'45.579 | |
21 | 747 | ミケーレ・セルベリン | 18 | +1Lap | |
37 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 14 | +5Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 19 | 34'18.604 |
2 | 41 | P.ヨナス | KTM | 19 | +35.162 |
3 | 4 | D.フェランディス | カワサキ | 19 | +38.335 |
4 | 189 | B.ボジャース | KTM | 19 | +54.703 |
5 | 6 | B.パテュレル | ヤマハ | 19 | +55.444 |
6 | 321 | S.ベルナルディーニ | TM | 19 | +1'06.849 |
10 | 747 | ミケーレ・セルベリン | 19 | +1'12.833 | |
21 | 29 | ヘンリー・ヤコービ | 19 | +1'56.105 | |
37 | 101 | ホルヘ・ザラゴザ | 12 | +7Laps | |
38 | 338 | ダヴィド・エーブルトゥ | 9 | +10Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | ティム・ガイザー | 335 | |
- | 2 | R.フェーヴル | ヤマハ | 331 |
- | 3 | A.カイローリ | KTM | 310 |
- | 4 | M.ナグル | ハスクバーナ | 273 |
- | 5 | イブジェニー・バブリシェフ | 264 | |
- | 6 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 247 |
- | 18 | アレッサンドロ・ルピーノ | 59 | |
▲ | 19 | ゴーティエ・ポーリン | 49 | |
▼ | 21 | スティーヴン・ルノワ | 38 | |
- | 22 | 山本鯨 | 34 | |
▼ | 27 | ゲート・クレスティノフ | 8 | |
▼ | 37 | ニコラス・カレンツァ | 1 | |
▼ | 39 | タンナラ・ペンジャン | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | 343 | |
- | 2 | ヤマハ | 339 |
- | 3 | KTM | 317 |
- | 4 | ハスクバーナ | 284 |
- | 5 | スズキ | 227 |
- | 6 | カワサキ | 173 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | J.ハーリングス | KTM | 397 |
- | 2 | J.シーワー | スズキ | 297 |
- | 3 | P.ヨナス | KTM | 260 |
▲ | 4 | B.パテュレル | ヤマハ | 211 |
▼ | 5 | A.トンコフ | ヤマハ | 210 |
- | 6 | P.ペトロフ | カワサキ | 202 |
▼ | 16 | ホルヘ・ザラゴザ | 89 | |
- | 18 | ヘンリー・ヤコービ | 55 | |
▲ | 19 | ダヴィド・エーブルトゥ | 49 | |
▲ | 21 | ミケーレ・セルベリン | 44 | |
▼ | 22 | デイモン・グラウルス | 43 | |
▼ | 38 | ハビエル・バスケス | 5 | |
▼ | 43 | イグニアシオ・トーヤ | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント | |
---|---|---|---|
- | 1 | KTM | 397 |
- | 2 | スズキ | 297 |
- | 3 | カワサキ | 289 |
- | 4 | ヤマハ | 273 |
- | 5 | ハスクバーナ | 239 |
- | 6 | TM | 179 |
- | 7 | 149 |
ダヴィド・エーブルトゥ
ホルヘ・ザラゴザ
ティム・ガイザー(MXGP 4位/4位 総合3位)
「連続して表彰台に上がれているのはいいことですが、今回はもっといい結果が出せただけに、少し悔しさを感じています。コーナーの進入でスピードを出しすぎ、そこに石かなにかがあって転倒してしまいました。それがなければ優勝も狙えたと思いますが、ランキング首位を守れたのはよかったです。多くのファンが大声援を送ってくれる中で走れたのは、すばらしい経験でした。母国スロベニアから来てくれた皆さんに感謝しています。イタリアでのレースなのに、ホームグランプリを戦っているようでした」
イブジェニー・バブリシェフ(MXGP 9位/3位 総合6位)
「レース1では、いいスタートが切れたのですが、1コーナーに飛び込んだときに路面に凹凸があり、クラッシュしたグレン・コルデンホフ選手(KTM)を避けきれませんでした。そこで転倒してしまい、大きな集団に追い越され、追い上げのレースを余儀なくされました。9位まで追い上げましたが、このコースではそれが精一杯でした。転倒にはフラストレーションが溜まりましたが、レース2での目標を1コーナーでのクラッシュを避けることに定めました。その通り、レース2では3番手をキープし、いい戦いができたと思います。ただ、レース1でのクラッシュがなければもっと多くのポイントを獲得し、表彰台にも上がれたと思うので、残念です」
ゴーティエ・ポーリン(MXGP リタイア/9位 総合14位)
「レース1では、前にいたライダーのリアに当たってしまい、転倒しました。我々の望んでいたことではありませんが、ほかにも1コーナーでは多くのクラッシュが起こりました。スロットルがスタックしてしまい、レースを続けることはできませんでした。レース2では、スタートがうまくいき、4番手で飛び出すと、その後3番手まで浮上。いいリズムで走れていましたが、腕上がりの症状が出てきてペースを維持できませんでした。今大会で復帰するまで、ロードバイクでトレーニングをしていて、ダートバイクを100%で走らせるまでには至りませんでした。コンディションの問題から1週間以上トレーニングができなかったこともあり、この月曜日と火曜日だけの準備で復帰戦に臨みました。それだけの準備では苦しかったのですが、レースが大好きなのでなんとか今大会で復帰したかったのです。計時予選やレース2のようにトップレベルで走れる瞬間もありました。今週末のように路面が難しい状況でなければ、上位でのフィニッシュも可能だと思います。いい調子で来られていますので、次のスペインが楽しみです」