モータースポーツ > モトクロス世界選手権 > 第17戦 ベネルクス > 決勝
2013年9月8日(日)・決勝 会場:リーロップ 天候:雨のち曇り 気温:13℃ 観客:1万7000人
オランダのリーロップで開催された、FIMモトクロス世界選手権の最終戦である第17戦は、MX1クラスでショーン・シンプソン(ヤマハ)がGP初優勝を挙げ、Honda World Motocross Teamのイブジェニー・バブリシェフが総合4位という好成績でシーズンを締めくくりました。
ドイツとの国境に近い、リーロップの平坦なコースには、午前中激しい降雨があったにもかかわらず、1万7000人の観客が詰めかけ、最後に顔を出した太陽が、2013シーズンの閉幕を演出しました。
リーロップは、荒れた路面の難コースで、軟質な絶えず変化するバンプだらけの路面では、マシンの力に加えてライダーの体力と気力が試されます。午前中の強い雨で、砂の路面はほとんどマディに変わり、あとから出てきた日差しによって、コンディションはむしろ悪化して難しいものになりました。
4戦連続の表彰台を目指したバブリシェフは、公式練習中から好調で、35分プラス2周で競われる決勝2レースには、グリッド3番手で出走しました。バブリシェフはレース1のスタートで先頭に立ちましたが、軽いクラッシュを2度ほど喫したため、3位でフィニッシュ。表彰台を目指して臨んだレース2では、スタート直後2番手につけましたが、リズムをつかめずにミスを多発して後退してしまい、5位となりました。この結果、バブリシェフは最終戦総合4位、MX1シーズンランキング8位という成績で今季を終えました。
チームメートのマキシミリアン・ナグルは、感染症から回復しつつあり、CRF450Rで練習を始めましたが、今大会のコースときついコンディションを鑑み、カムバックの場としてはふさわしくないと判断し、欠場しました。
ナグルは、3週間後に地元ドイツのトイチェンタルで開催される、「第67回モトクロス・オブ・ネイションズ」に、栄光のゼッケン1番をつけ、優勝国ドイツチームのエースとして出場します。
Honda Gariboldiのダビド・フィリッパーツは、チームが来年はMX2クラスに専念するため、CRF450Rでのレースはこれが最後となりました。2008年にイタリア人として初のMX1世界チャンピオンとなったフィリッパーツは、今大会は総合13位。レース1では大転倒をしながらも17位でチェッカーフラッグを受け、レース2では11位でした。今季のフィリッパーツは、4度の6位入賞を果たし、MX1クラスランキング11位でした。
今季のMX2クラスでは、ESTA Motorsports Hondaのアレクサンダー・トンコフが、マジョーラで開催されたイタリアGPでスピードをみせて初の3位フィニッシュ、そしてロケットでのチェコGPで達成した総合ポディウム初登壇など、光る走りをみせました。ロシア出身の19歳ライダーは、今大会のMX2クラスで総合8位に入り、最終ランキングは13位でした。
モトクロス世界選手権のシーズンは終了しましたが、9月28〜29日には「第67回モトクロス・オブ・ネイションズ」がドイツで開催されます。Honda勢からは、バブリシェフ(ロシア)、ナグル(ドイツ)、フィリッパーツ(イタリア)、トンコフ(ロシア)がそれぞれ祖国代表として参戦します。
イブジェニー・バブリシェフ(MX1 3位/5位 総合4位)「今回は確実に表彰台に立てると思っていただけに、ほんの数ポイント差で逃したのが少々残念です。コースコンディションはものすごく荒れていました。レース1では何度か転倒しましたが、それまではトップグループのすぐ後ろを走っていました。3位に入れる感触をつかめたことはとてもよかったですし、レースではトップも狙えそうだと思っていました。1周目には2番手まで上がれましたが、そこから先のペースアップがままなりませんでした。何度もミスをしてしまい、あまり集中できませんでした。そのため、バタつきながらも自分をプッシュし続けました。とても難しいレースで、(ケン・ド)ディッカー(KTM)を数m差まで追いつめながら、自分の心臓は激しく脈打っていました。バンプや穴が数多くある重いサンドのコースは、難易度があり得ないほどのレベルに達していました。表彰台には逃げられてしまいましたが、それほど悪い日ではなかったと思います。今シーズン、一緒に戦ってくれたチームに感謝したいです。辛かったかもしれないですが、100%ではなかった私を全員がサポートしてくれました。今はとても疲れていますので、少し休んでから、2014年に備えるトレーニングを開始したいと思います」
ダビド・フィリッパーツ(MX1 17位/11位 総合13位)「最低の週末でした。レース1はスタートもよく、5〜6番手につけていましたが、ジャンプのあとでとても大きなクラッシュをしてしまいました。原因がマシントラブルなのかどうかは不明です。17位で完走できたのはとてもよかったと思います。なぜなら、ただの最下位ではなくて、ほとんど1周遅れの本当に最後尾だったからです。レース2ではトップ10圏内でしたが、1周目にマシンが止まってしまいました。バストーニュのベルギーGP以来、同じようなトラブルが発生していますが、再始動後はうまく走れました。自分のラップタイムと、ラスト1周で(マティス)カロ(KTM)を抜いて11位までばん回できたことには満足しています。成績はかなりよくなりましたが、やはり自分にふさわしいポジションではないと思っています。とにかく、長くてきついシーズンでしたので、これで閉幕だと思うとうれしいです。あとはモトクロス・オブ・ネイションズと来年に向けて切り替えて、もっと前を走るためにトレーニングに励みたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 24 | S.シンプソン | ヤマハ | 41:15.958 | - |
2 | 22 | K.ストリボス | スズキ | 41:37.306 | +21.348 |
3 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | Honda | 41:57.128 | +41.170 |
4 | 222 | A.カイローリ | KTM | 42:13.966 | +58.008 |
5 | 9 | K.ド・ディッカー | KTM | 42:28.253 | +1:12.295 |
6 | 89 | J.バン・ホービーク | カワサキ | 43:16.029 | +2:00.071 |
10 | 714 | マルク・ド・ルーバー | Honda | 41:27.387 | +1Lap |
15 | 95 | アウグスツ・ジュスト | Honda | 42:40.710 | +1Lap |
17 | 19 | ダビド・フィリッパーツ | Honda | 43:54.676 | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 41:26.990 | - |
2 | 22 | K.ストリボス | スズキ | 42:20.190 | +53.200 |
3 | 24 | S.シンプソン | ヤマハ | 42:27.929 | +1:00.939 |
4 | 9 | K.ド・ディッカー | KTM | 42:39.026 | +1:12.036 |
5 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | Honda | 42:40.563 | +1:13.573 |
6 | 25 | C.デサール | スズキ | 42:45.135 | +1:18.145 |
11 | 19 | ダビド・フィリッパーツ | Honda | 41:58.936 | +1Lap |
14 | 95 | アウグスツ・ジュスト | Honda | 44:01.873 | +1Lap |
20 | 714 | マルク・ド・ルーバー | Honda | 17:45.550 | +11Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 41:24.973 | - |
2 | 122 | D.フェランディス | カワサキ | 41:49.195 | +24.222 |
3 | 911 | J.ティクシー | KTM | 41:57.401 | +32.428 |
4 | 152 | P.ペトロフ | ヤマハ | 42:25.624 | +1:00.651 |
5 | 111 | D.フェリス | ヤマハ | 42:31.471 | +1:06.498 |
6 | 461 | R.フェーヴル | KTM | 42:46.534 | +1:21.561 |
7 | 59 | アレクサンダー・トンコフ | Honda | 42:55.841 | +1:30.868 |
12 | 107 | ラース・ファン・バーケル | Honda | 41:43.722 | +1Lap |
18 | 136 | ステファン・オルセン | Honda | 42:43.917 | +1Lap |
28 | 210 | フセヴォロド・ブリリャコフ | Honda | 4:00.477 | +16Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 41:23.154 | - |
2 | 259 | G.コルデンホフ | KTM | 41:30.828 | +07.674 |
3 | 122 | D.フェランディス | カワサキ | 42:37.816 | +1:14.662 |
4 | 911 | J.ティクシー | KTM | 42:43.783 | +1:20.629 |
5 | 152 | P.ペトロフ | ヤマハ | 42:49.952 | +1:26.798 |
6 | 200 | A.トヌス | カワサキ | 42:53.343 | +1:30.189 |
12 | 59 | アレクサンダー・トンコフ | Honda | 43:43.525 | +2:20.371 |
16 | 107 | ラース・ファン・バーケル | Honda | 41:51.463 | +1Lap |
20 | 136 | ステファン・オルセン | Honda | 42:32.276 | +1Lap |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | A.カイローリ | KTM | 761 |
2 | C.デサール | スズキ | 671 |
3 | K.ド・ディッカー | KTM | 607 |
4 | K.ストリボス | スズキ | 553 |
5 | G.ポーリン | カワサキ | 539 |
6 | T.サール | カワサキ | 487 |
8 | イブジェニー・バブリシェフ | Honda | 348 |
10 | マキシミリアン・ナグル | Honda | 314 |
11 | ダビド・フィリッパーツ | Honda | 296 |
19 | アウグスツ・ジュスト | Honda | 101 |
25 | マルク・ド・ルーバー | Honda | 24 |
27 | ニコラ・オービン | Honda | 21 |
29 | ジェイソン・ドウガン | Honda | 19 |
32 | ニコライ・ラーセン | Honda | 17 |
35 | アダム・チャットフィールド | Honda | 12 |
37 | クレメン・ガーチャー | Honda | 12 |
38 | サントゥ・ティアイネン | Honda | 12 |
45 | トニー・クレイグ | Honda | 7 |
51 | セイドリック・ソーベイラス | Honda | 6 |
52 | イェンス・ゲッテマン | Honda | 6 |
60 | ヴィータウタス・ブカス | Honda | 3 |
64 | ファビオ・フェラーリ | Honda | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 788 |
2 | スズキ | 719 |
3 | カワサキ | 649 |
4 | Honda | 538 |
5 | ヤマハ | 367 |
6 | TM | 254 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | J.ハーリングス | KTM | 742 |
2 | J.ティクシー | KTM | 607 |
3 | J.ブトロン | KTM | 518 |
4 | C.シャルリエ | ヤマハ | 490 |
5 | G.コルデンホフ | KTM | 472 |
6 | D.フェリス | ヤマハ | 463 |
13 | アレクサンダー・トンコフ | Honda | 267 |
18 | ステファン・オルセン | Honda | 122 |
31 | フセヴォロド・ブリリャコフ | Honda | 25 |
32 | ラース・ファン・バーケル | Honda | 14 |
33 | ロバーツ・ジュスト | Honda | 14 |
37 | パウロ・アルベルト | Honda | 8 |
38 | タレス・ヴィラルディ | Honda | 8 |
48 | ルイス・トゥームス | Honda | 2 |
52 | ジョン・フィリップス | Honda | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 835 |
2 | ヤマハ | 640 |
3 | カワサキ | 498 |
4 | Honda | 351 |
5 | スズキ | 346 |
6 | TM | 72 |
7 | ハスクバーナ | 1 |